物静かな夜だ
窓から外を見下ろすとまだ
色々なビルにあかりが灯っている


今日仕事中に
新入社員が近付いてきた
研修中なのだろう
ここが分かりません
と聞いてきた
出来るだけ丁寧に教えたと思う
僕の時と違って、、笑

帰りに飲みに誘われた
飲めない僕は会社の飲み会に行くことは
全くと言っていいほど無い
他に誰か行く人がいるのですか?
と尋ねると
2人で行きませんか?
と言われた

見るからに爽やかそうな好青年だ
少し付き合うことにした
もしかしたら僕が付き合って貰っていたのかもしれないけど
財布を確認し渋谷の繁華街まで出てきた

食べ飲み3000円で意外と美味しそうな店に入った

ワンドリンク注文した後

会社に馴染めません

と言われた
思わず笑ってしまった
思い出すだけで笑ってしまう

僕が12年前にしたことと同じことを
目の前でしてきてくれたのだ
とても面白い

僕を誘った理由は僕が会社に馴染めていないように見えたかららしい

大正解!!と僕は答えた

これもまた僕と同じだ
久々にワクワクした
そのあと彼と愛と欲望が渦巻く僕の会社の話をしていた

12年前のあの日を思い出した

僕はその時無口な先輩を誘った
見るからにオフィスでは異質な感じがあったその人を誘った
今はその人は上の方の人間だ
上になったあと僕にいつもパワハラしてきた
上司を秒で地方に追いやってくれた
僕が心の底から恩人と言える唯一の人だった


その時の無口な先輩が話してくれたことを
今でも忘れてない

人生は螺旋階段なんだ

少し昇っても同じように曲がり続け

真っ直ぐ登ることなんて到底出来ないし
先の見通しなんてたつはずもない
君は今迷っているのだろうと
30年この会社で働くのが
もう既に嫌になっているのだと思う
ただ螺旋階段であることは忘れないで欲しい
真っ直ぐ登り続けることなんてできないし
階層が変われば見える景色も変わってくるし
周りの影響でその螺旋階段は幾重にも変化を遂げること
綺麗に見えることもあれば
壊れることもあること

そして何より大事なのが
階段は登るためだけにある訳では無いこと
降りるためにも必要なもの
そして周りを見れば必ず別の階段があること
人生で同じ階段を登り続けるやつなんて
ただの変人か基地外であること

この話を思い出した

彼に話そうか迷ったけどやめた
彼は多分気づいている
自分がどうするべきか
そして迷いなくそれを実行出来る気がした
辛いことも間違いなくあると思うけど
てか絶対あるけど
彼なら時々 螺旋階段を降りれるし
別の階段に飛び移る事が出来そうな雰囲気があった

辛いことがあったら何時でも呼んで欲しいと言った
毎日でもいい
話はいくらでも聞くし
上に言いたいことがあるならなんでも言ってと

明日も一緒に頑張ろうかと
そして帰った


娘からの着信がなっていた事に気づいた
あ、完全にやったわ
ご飯作るの忘れてた!
ごめんよ 娘
本当にごめん
営業の方から貰ったお弁当を携えて
全速力で帰った

こんな事もおかしく思えるくらい
新入社員はパワーをくれた
ありがとう!