米国のロシア疑惑騒動が女王陛下の足下に飛び火
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元英国秘密情報部長官が米国大統領選挙でのロシア疑惑捜査上の重要人物との関わりにも関わらず捜査の目を逃れていた
英国MI6元長官リチャード・ディアラブ卿
FBIならびにCIAのスパイ、ステファン・ハルパー
元記事はこちら
https://dailycaller.com/2019/04/16/richard-dearlove-steele-russia-halper-flynn/
翻訳はじめ
リチャード・ディアラブ卿はクリストファー・スティール、ステファン・ハルパー、マイケル・フリンといったトランプ-ロシア疑惑の捜査線上に浮かんだ重要人物と関わりがあった。
それにも関わらず、元英国秘密情報部長官のディアラブは、ロシア関連捜査の根源を探っていたメディアや米国議員の目を逃れていた。
ディアラブによる例の文書の著者であるスティールとの接触は、この元スパイ長官のもう一つの”危うい文書”との関わりと平行関係にある。
リチャード・ディアラブ卿はロシア捜査の期間中、米国政府による共謀関係の捜査のターゲットとなっていた元スパイや政府の情報提供者の幾人かと関わりを持っていたにもかかわらず、捜査の目を逃れていた。
1999年から2004年までMI6(訳注:英国秘密情報部のこと。国外の諜報活動を担う部署であり、映画007シリーズの主役ジェームズ・ボンドが所属する部署として映画ファンには良く知られている。)長官として奉職したディアラブは、2016年の大統領選挙期間中にスティール文書の著者クリストファー・スティールと接触していた。彼はまた、ステファン・ハルパーと近しい関係にあった。ハルパーはFBIおよびCIAの諜報員だと言われており、何人かのトランプ選挙対策本部の顧問たちと接触していた。ディアラブとハルパーは、2016年7月に開催されたケンブリッジでの政治イベントに参加しており、そこでハルパーはトランプ選挙対策本部の顧問カーター・ペイジとの最初の接触を果たしていた。
この引退した英国のスパイ界のボスはまた、ハルパーを伴って2014年にケンブリッジで開催されたイベントのホストを務めた。このイベントには、当時アメリカ合衆国国防情報局長官であったマイケル・フリンが参加していた。ディアラブとハルパーは、ケンブリッジ大学の学生でロシア生まれのスヴェトラナ・ロコーワとフリンとのこのイベントでの接触に関して懸念を示したとされている。これらの兆候は米国の諜報部とある程度情報共有された。
これらの重要な結節点における彼の存在にも関わらず、ディアラブはメディアからもロシア疑惑捜査の根源を調査していた米国の議員たちからもほとんど注目されることはなかった。これは恐らく、ディアラブが38年間もMI6で働いてきた証である。
ディアラブは国際的には、スティールによるものではないある文書との繋がりによって、また、元MI6の高官として良く知られた存在である。
ディアラブは英国政府がある文書を拡散させた時のMI6の長官であった。この文書はサダム・フセインが大量破壊兵器を保有していると主張するものであった。トニー・ブレア首相が率いていた当時の英国政府は、この文書を根拠としてイラクに対する戦争を仕掛けたのである。
(訳者補足:9/11同時多発テロ事件の後、ブッシュ子政権下の米国と英国が中心となり、サダム・フセインが大量破壊兵器を保有していることを根拠にイラク戦争を仕掛け、サダム・フセインを殺害したが、後に、この大量破壊兵器保有情報が嘘であったことが判明した。このサダム・フセイン亡き後のイラクに突如としてISが出現し、飛ぶ鳥落とす勢いでイラクとシリアに領土を拡げることとなったのである。ちなみに、このブッシュ子政権の副大統領がディック・チェイニー、国防長官がドナルド・ラムズフェルドであった。)
対イラク諜報活動の失敗に関して調査を行ったジョン・チルコット卿(訳注:イラク戦争後に設置されたイラク問題調査委員会委員長を務めた。)は、ディアラブを含む多くの英国政府高官を非難した。非難の内容は、この”危うい文書”を他の英国政府の高官に回付する前にその内容の真偽を徹底的に調査しなかったというものであった。
リチャード・ディアラブ卿の個人的介入が、その強弁ぶりとも相まって、このイラクに関する文書が適切に評価されずに回付される原因となり、大臣や政府高官たちに偏向した認識を与えたことをチルコットの報告は強調していた。
このイラク文書と同じく、ディアラブの名声はスティール文書を支持するために利用されることとなった。このスティール文書はこのために、トランプ選挙対策本部とロシア政府との間の謀議を告発する良く出来た文書だという評判を得ることとなったのである。
2017年12月13日に行われた聴聞では、ディアラブはスティールのことを知っていたことを否定した。しかしながら、スティール文書は”ある程度の信頼性”があると主張した。
2018年3月12日付けでザ・ニューヨーカー誌に掲載されたスティールの輝かしい経歴の中で、ディアラブはスティールの評判を傑出していると述べている。彼はワシントンポストに対して、スティールはロシアの商業分野において頼りになる人物だと述べていた。
これらのポジティブなスティール評にも関わらず、この元スパイの主張は数ヶ月の内に傷つけられることとなった。特別検察官ロバート・ミュラーはトランプ選挙対策本部とロシア政府との間には何ら共謀関係がないことを見出した。
この民主党による資金提供を受けた文書の中の中心人物であるカーター・ペイジは、激しくスティールの主張を否定した。スティールの主張は、ペイジが密かにモスクワにおいて2016年7月にクレムリンの政府高官と会い、ヒラリー・クリントンへの脅迫メールの文案について議論したというものであった。トランプの元顧問弁護士であったマイケル・コーヘンは、2月27日の議会証言において、自分はロシアの工作員と2016年8月にプラハで会ったことはないと、スティールの主張を否定した。
ディアラブは彼とスティールとの関係を認めることを拒否したものの、ワシントンポストは両者が2016年9月に会ってこのスティール文書について議論したと報じた。
このワシントンポストとの会見の中で、ディアラブはスティールが個別にこの情報をFBIと英国政府高官に提供したことを示唆したと伝えられている。スティールは、フュージョンGPSによってトランプを調査するために雇われており、彼がFBIと接触した時点で、彼の報告書の内容のいくらかを提供した。しかし、彼はまた、トランプ捜査に関して米国の報道関係者とその前後に会い始めたとされている。
ディアラブはまた、ハルパーのためにも輝かしい推薦文書を提供している。ハルパーは共和党の大統領の三人の下で働いており、現在は国防総省のネットアセスメントに関して委託契約を交わしている。
「彼は非常に尊敬されている学者で愛国者でもある。」と、ディアラブは2018年6月8日付けのワシントンポストの記事で語っている。そのすぐ後に、ハルパーが長きにわたってFBIとCIAの工作員であることが暴露された。
ディアラブは2005年から2015年までの間、ケンブリッジ大学ペンブローク校の学長として奉職していたが、その間にディアラブはケンブリッジ大学において、ハルパーとの親密な関係を築いた。ハルパーは2001年にケンブリッジ大学教職団の一員となった。二人は共にケンブリッジ大学安全保障イニシアティブ(CSI)を立ち上げた。このシンクタンクは英国および米国政府の省庁を顧客に抱えていると主張している。
(訳注:ここにCSIのウェブサイトにおけるCSIに関する説明文が引用されているが重要ではないので省略する。)
ディアラブはまた、ハルパーが最初にカーター・ペイジとの接触を果たしたケンブリッジ大学でのイベントに出席していた。ペイジはデイリーコーラーニュースファンデーション(訳注:この元記事を書いた会社)に対し、自分は自分が参加しシンポジウムでスピーチしたディアラブと話した記憶がないと述べていた。しかし、彼はハルパーと関係を持ったことは覚えていた。そして、彼は2017年9月までハルパーと接触を続けていた。同じ月にFBIの捜査令状がこのトランプの支持者に対して発行されたのである。
ディアラブはまた、論争の的になっているマイケル・フリンとケンブリッジ大学博士課程の学生であるスヴェトリャナ・ロコーワにも関わりを持っていた。この女学生はクリストファー・アンドリューの指導を受けており、このアンドリューはハルパーと親密な関係にある同僚であり、英国の国内諜報機関であるMI5の歴史を専門とする主任であった。
2017年3月に新しい話が持ち上がった。米国の諜報員がディアラブ、ハルパーおよびアンドリューによって2014年2月にケンブリッジ大学で催されたディナーでのフリンとロコーワとの疑わしい関係を密告したというものであった。
リチャード・ディアラブと握手するマイケル・フリン将軍、中央はMI5のクリストファー・アンドリュー
この話には特に告発するような内容は含まれていない。それゆえ、ロコーワは、フリンと不適切な接触があったことを公に強く否定した。このフリンは後にトランプ大統領の国家安全保障担当の補佐官となる。国防情報局の高官はフリンが同席する中で、ウォールストリートジャーナルに対し、そのイベントでは何も面倒なことは起きなかったと述べた。
ハルパーとディアラブの二人は、最初にフリンとロコーワとの関係に懸念を表明したケンブリッジ大学の職員であったと、2018年6月5日付けの記事において、ワシントンポストが報じている。
これらの警告に必然的に伴う事象、誰がこの警告を提起したか?あるいはいつ彼らがこの情報を諜報機関関係者に手渡したかは不確かなままである。しかし、ロコーワは国内ニュースの二人のレポーターが彼女に対し、ディアラブはケンブリッジ大学の職員で、米国と英国の情報機関にフリンの訪問に関する情報を提供したと教えられたとデイリーコーラーニュースファンデイションに語っている。それゆえ、彼女は公式にケンブリッジ大学に対し、ハルパーとディアラブの活動について抗議したのである。
「リチャード・ディアラブ卿はハルパー教授を急き立てて私に対し、米国のこの権威者がロシアのスパイだと語らせたと報告を受けました。私に対する告発は明らかに嘘です。」と、ロコーワはケンブリッジ大学の副学長に書簡を書いた。そして、ハルパーとディアラブの悪意ある水面下での活動に関する調査を求めたのである。
ディアラブはこの件に関してコメントしなかった。ケンブリッジ大学安全保障イニシアティブはコメントの求めに応じなかった。ケンブリッジ大学の副学長はコメントを差し控えた。
翻訳終わり
これより私見です。
憶測ではなく、丹念に事実を積み上げて英国と米国カバールのトランプ追い落とし工作をあぶり出した良い記事だと思います。
米国カバールが巻き起こしたロシア-トランプ共謀疑惑騒動が”Her Majesty’s Secret Intelligence Serviceの元長官にまで飛び火してきました。
“Her Majesty”の直属の上司といったらもう、黒い貴族じゃないですか?
同盟の追求がここまで来るとは思いもよりませんでした。
このMI6の元長官リチャード・ディアラブ卿は、イラク戦争の口実に使われた”イラクが大量破壊兵器を保有している”と主張した偽文書の著者です。
この文書を口実にして、子ブッシュ、チェイニー、ラムズフェルドといったネオコン連中がイラクに戦争を仕掛け、サダム・フセインを殺害し、後々のISの台頭を招いたのです。
こういう記事が出てきたということは、同盟がIS設立資金をリビアのカダフィ大佐から強奪したヒラリーを射程に捉えていることを意味しています。
いよいよ、クリントン夫妻とHUSSEINも年貢の納め時がきたようです。
この記事で注目すべきは2014年時点で既にカバールがフリンをマークしていたということです。
この時既に、同盟の一員である米国ポジティブミリタリーとカバールの暗闘が始まっていたということでしょう。
そして、恐らく、この頃には既に、ロシアKGBと米国ポジティブミリタリーによるトランプ擁立工作が始まっていたのでしょう。