今から10年前は第二次安倍政権が発足して2年目でしたが、この頃から権力とメディアとの一体化が顕著になったと言えます。つまり日本が非民主化し始めた時期だと思います。前年暮れには「特定秘密保護法」が制定され、アメリカの国際戦略の一端を忠実に担うべく、当時の安倍晋三首相は「積極的平和主義」を掲げて国のかたちを変えていきました。「特定秘密保護法」についても安倍首相はスパイ活動や工作員を取り締まる為のもので「一般国民には影響がない。」と言っていましたが、拡大解釈すれば反権力はスパイや工作員と見なされる可能性が高そうです。安部政権による言論統制はNHKから始まり、会長や役員には安倍首相に近く親和性の強い人物が選ばれました。また民法各局も報道番組やワイドショー等で、政権に批判的なキャスターやコメンテーターを排除していきました。

 この年の7月に当時の菅義偉官房長官を呼んで生放送された「クローズアップ現代」は、政権から見れば、閣議決定された集団的自衛権容認のプロパガンダ番組になる予定でした。当時のキャスターの国谷裕子氏は菅官房長官に対し、「他国の戦争に巻き込まれるのではないか」「憲法の解釈を変更していいのか」などと、疑問を投げかけました。放送終了後安倍首相側はNHKに対して、「誰が中心になってこんな番組にしたのか」などと恫喝して、その後会長や番組スタッフ、キャスターの国谷裕子氏は謝罪したと言います。完全な言論統制ですね。

 

 

 

 事実ウクライナ東部の紛争(これがロシア・ウクライナ戦争の端緒となる)やイスラム国(のちにイスラエル戦争につながる)問題では、テレビ・新聞各社とも足並みをそろえてアメリカの主張を無条件に支持する内容になっていました。その後も徐々に政権によるマスメディアへの圧力は強くなっていきました。

 

 

 

 その流れは岸田政権によってさらに顕著になり、今国会でも十分な議論が行われずに、世界の紛争や戦争を助長すると思われる武器輸出や、国家権力の地方への介入を強める地方自治法改正など問題だらけです。さらには政治資金・裏金問題についても十分とは言えない抜け道だらけの法案が成立し、一昨年の安倍晋三元首相銃殺事件以降明らかになった、統一教会との癒着については解散命令はどこへ行ったのかという状況です。さらに岸田政権では海外へのバラマキが顕著です。ウクライナには特にお得意様にされているようで、10年間支援を続けるという約束までしました。そしてアメリカの属国とういう地位を隠れ蓑にして、ロシアへの経済制裁を続けています。その他にも数々の悪法が数の力で押しきられ、決められていますね。岸田総理は落選恐怖症なのか解散する気が無さそうですが、早かれ遅かれ衆議院総選挙は行われるはずですから、国民は注視するべきですね。