ある晩、地域猫活動に協力してくださるAさんから相談を受けました。

Aさん:「ある会社の倉庫から、ずっと猫の鳴き声が聞こえます。
最近、餌場に来ないメス猫がいるので、その子ではないかと心配です。」
私:「いつ頃から、聞こえますか?」
Aさん:「もうひと月ほどになります。」
私:「え~~!?そんなに長く飲まず食わずなら、死んじゃいますよ?」

早速、倉庫に行ってみましたが、夜遅く、従業員はいません。
耳をすませば、確かにどこからか猫のぎゃおぎゃおという鳴き声が聞こえます。

私:「今にも死にそうな声ではないし、オスみたいですね」
Aさん:「メス猫ですが、声はダミ声なんです。」

私が猫の声色で呼びかけたら、ぴたりとやみました。
Aさん:「ものすごく警戒心が強いので、人の気配があると鳴かないんです。」

中を調べたくても、入る手段がないので、朝を待つことにしました。

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以前、この会社の人が、「猫の糞尿が・・・」と話しているのを聞いたことがあります。
猫が多い地域なので、糞尿で被害を受けているのでしょうか・・・
倉庫に猫がもぐりんだとしたら、ますますご迷惑に感じるでしょう。
猫の捜索なんかで、会社に立ち入るのを許可してくれるでしょうか? 困ったな~

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そして、翌朝一番で会社に連絡したら、すぐ猫のことはわかりました。

なぜなら、猫を不憫に思った社員が、餌をあげていたのです。
大きなボウルいっぱいの餌とお水が、倉庫のすみにありました。

人を怖がる猫なので、社員がいる時は、見えない場所に隠れます。
社員が帰った夜に、ご飯を食べますが、外に出られないので、ぎゃおぎゃお鳴きます。
翌朝、社員が出社すると、また隠れます
・・・その繰り返しでした。

一応、中を探したのですが、倉庫は資材もあり、かくれた猫を見つけることができません。
そこで会社は、退社の際、普段は閉じるシャッターを、10cmほど開けたままにしてくれました。

翌朝、一ヶ月行方不明だった猫はAさんの庭に帰ってきました。

【ぎゃおぎゃお鳴く猫。もちろん、不妊手術済みです。v(^-^)v
 

工場や会社の一角で、餌をあげることは少なくありません。
ここにも地域猫の仲間がいたとは、うれしい発見でした。

猫を通じて、今まで話したこともない人達が親しくなり、町のコミュニティを活性化していく。
ここが、地域猫のおもしろさなんです!

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