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ライオンズ中心になんでもかんでも

騒動の始まりは突然訪れました。
17日イーグルス戦の2回表。松井稼頭央の打席で菊池雄星に2度宣告された「イリーガルピッチ」。
それが二段モーションのことと判明するまでしばらく時間を要しました。
菊池はその後クイック投法に切り替え、両足を攣りながらも9回を0封。
9回裏に代打栗山巧にサヨナラ3ランが飛び出し、菊池は無事完封勝利をマークしました。

それから1週間。いくつかのスポーツ紙の記事が出てきました。

・18日スポニチ
「札幌ドームで日本野球機構(NPB)の審判員から説明を受けた。
辻監督、土肥投手コーチとともに説明を聞いた鈴木葉留彦球団本部長は「審判員にもいろいろな見解がある。最終的な見解はもう少し待ってほしいと言われた」とした」
http://m.sponichi.co.jp//baseball/news/2017/08/18/kiji/20170818s00001173240000c.html

・18日ニッカン
「西武の鈴木葉留彦球団本部長は18日、菊池雄星投手が17日の楽天戦の2回に投球フォームを2段モーションによる反則投球と宣告されたことについて、札幌ドームで日本野球機構(NPB)の審判員から説明を受け「審判員にもいろいろな見解がある。最終的な見解はもう少し待ってほしいと言われた」と語った。(中略)
鈴木本部長はNPBに意見書は提出しないが「このままではどうすればいいのか分からない。2、3日中に詳しい説明が出ると思う」と述べた。」
https://www.nikkansports.com/baseball/news/1874077.html?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=nikkansports_ogp

・20日スポニチ
「西武は19日、17日の楽天戦で菊池が2段モーションによる反則投球と宣告されたことについて、審判員からリーグ側の回答を受け取った。
札幌ドームで説明を受けた鈴木葉留彦球団本部長は「“全て最終的には審判の判断”ということだった」。菊池のフォームについては「直す努力をしなくちゃいけない部分も出てくる」と修正の可能性に言及」
http://m.sponichi.co.jp/baseball/news/2017/08/20/kiji/20170819s00001173413000c.html

・20日西日本
「西武の鈴木球団本部長は19日、菊池が17日の楽天戦で2段モーションによる反則投球を宣告された件について、NPBの審判団から正式な回答が文書で届いたことを明かした。鈴木本部長は「今回は(判定を下した)審判の判断、ということ。現場に伝えて対応してもらう」と説明。報告を受けた辻監督は「投手にとっては野球生命に関わること。うちとしても対策を立てるしかない」と厳しい表情だった」
https://www.nishinippon.co.jp/sp/nsp/baseball_lions/article/352099/

・20日ニッカン
「鈴木球団本部長は「審判の判断で一連のモーションではなかったということだった。ハーフスイングと一緒。直す努力をしなくてはいけないのかなとは思う」と話した。辻監督は「(基準が)あやふややろ。努力、対策するとしか言いようがない。投手の野球生命に関わる」と話した」
https://www.nikkansports.com/baseball/news/1874764.html?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=nikkansports_ogp

・22日東スポ
「NPB井野修審判技術委員長(63)は「審判部として急に2段モーションを厳しく取ると決めたわけではない。あくまで審判個々の判断」と前置きした上で「菊池投手のケースでは開幕時とは明らかにフォームが変わっている。2月のキャンプ中に審判員が指摘したように投球の動作が静止していた」と説明。菊池は今年の春季キャンプで審判員から投球に問題がないことを確認しており「なぜ今?」と憤慨していたが、春とは別のフォームになっていたという。」
http://www.tokyo-sports.co.jp/sports/baseball/740154/


これまでの報道を見る限り、
①二段モーションについては個々の審判の判断によるもの
②具体的にどこが野球規則に抵触しているかの指摘はなし

という2点が分かります。

そしてネット上には開幕時と8月の菊池のフォームを比較した動画が多数上がっています。
それを見ると確かに違います。季節が下るごとに、より「二段」になっているのは正直間違いないと思います。

それを承知で今回の騒動で誰もが抱くであろう疑問
①なぜ今になって?
②なぜ菊池だけ?


まず疑問①についてですが、今のフォームで投げ始めたのは別に8月に入ってからのことではありません。
数ヶ月前から右足を止めるフォームで投げていたにもかかわらず、なぜ8月17日に指摘が入ったのか?

そして②について。似たようなフォームで投げている投手はいくらでもいます。
例えば24日の試合後に辻発彦監督はと菊池と同じ試合で投げた誠について、
「そんなんいっぱいいるじゃん。誠の方がよっぽど止まっているよ。それが本当の不正投球でしょ。一連の動作じゃないわけでしょ」
とコメント。
同じ審判の元でプレーしたにもかかわらず、何のお咎めもなかったことから疑問を投げ掛けています。
(動画は前日23日のもの)

http://tv.pacificleague.jp/vod/pc/vods/22663


また涌井秀章も長らく足を上げた後、静止するフォームで投げていますが、そのような指摘を受けた記憶はありません。
http://tv.pacificleague.jp/vod/pc/vods/19172


この2つを合わせると「とある球団(?)から指摘があり、菊池が審判団のブラックリスト入りした」という仮説に辿り着きます。
もちろん指摘自体は何の違法性もない行為だと思います。
菊池のフォームがルール違反だと言うのなら、自軍の勝利のために指摘するのは当然です。

しかしここで発生する問題は、指摘により違反が宣告されるのではそのタイミングが恣意的になることです。
今回の菊池の騒動を機に、各チームで指摘合戦が始まることは十分想像が付きます。
まして今はシーズン終盤の大事な時期。
このまま進んでいけばCSや日本シリーズの第1球でイリーガルピッチを指摘され、
全てを背負ってマウンドに登ったはずのエースがボロボロになっていく・・・。
ライオンズに限らずどこのチームでもそんな姿は見たくありません。
今回の菊池に関してもシーズン終盤の大事な時期を狙って審判団に指摘が入ったことを想像してしまいます。

過去にMLBではこんな事件がありました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AB%E4%BA%8B%E4%BB%B6
1983年ロイヤルズのジョージ・ブレットが9回に逆転HRを放った直後に、
相手ヤンキースベンチからバットに塗られた松ヤニに関する指摘が入りHRは無効に。
結局提訴の末にHRは有効とされましたが、指摘のタイミングをヤンキースが見極めていたのは自明の理です。


ボークは審判団の専権事項ですが、微妙な判断が多い以上、
どこかから指摘が入ると無意識に厳しい目で見てしまうのでしょう。
そのようなことがないように、公平な目で見るためにアピールプレーではないのですが・・・。


で、本題からは外れますが、「そもそも二段モーションを規制する必要があるのか?」という点。
・22日ニッカン 里崎智也コラム
「日本が目指す国際基準とは何なのか。知らず知らずのうちに基準がダブルになっていないか。繰り返しになる。2段モーション系の反則投球規則は廃止するのが1番の解決法だ。
1段から2段モーションに変えるような、惑わせる投手がいるなら、取り締まってほしい。しかし、菊池や井口のようにワインドアップから一定のリズムの中、投球の流れで“2段”にされる分なら、打者はそんなに困らない。」
https://www.nikkansports.com/baseball/column/satozaki/news/1875660.html

・20日ダルビッシュ有twitter
本当にどうでもいいことには力入れるよなぁ。。

 

 

二段モーションは2006年の規則厳格化で厳しく取り締まられるようになりました。
典型として語られるのが岩隈久志と三浦大輔ですね。
里崎が言うように「国際基準に合わせる」ことを目的としていましたが、
その後の国際大会で日本のファンが目にしたのは更なる二段モーションと、それをボークとしない国際審判たち。
「国際基準」に合わせようとした結果、ガラパゴス化してしまいました。

この法の精神は「フォームで打者を惑わせない」のはずです。
いつ投げるのか分からないようなフォームならいざ知らず、
菊池はもちろん、誠、涌井、井口和朋のフォームにもそのような意図はないはずで、対戦する打者も惑うとは考えにくいです。
こんなルールそもそもなくしてしまえと思ってしまいます。


これは寄り道でしたが、もう一つ不安なのが西武球団の対応です。
上記のように17日イーグルス戦の後で審判団から説明を受けると、
鈴木葉留彦球団本部長は渋々ながらも承諾し、菊池のフォームを変えさせようとしました。
辻監督は明らかに納得していなかったのですが。
結局24日ホークス戦でも同じことが繰り返されると、やっと意見書の提出を明言しました。
http://www.sanspo.com/baseball/news/20170824/lio17082422210003-n1.html

正直言って無駄な1週間を過ごしてしまったという感覚です。
そこでもう一つ注目したいのが日本ハム球団の対応です。
19日ライオンズ戦で、菊池と同じく反則投球を指摘されたのがファイターズ井口です。
「栗山監督は試合後も「話しだしたら、いろんなことを言ってしまう」と不満顔だった。開幕前に審判団に注意を受けフォームを微調整したという井口は「(その後に)2軍で言われなかった。これではやってきたことを発揮できない」と話した」
と明らかに2人とも不満の様子。
そして「日本ハムは以前から国際基準との乖離(かいり)を懸念しており、島田球団代表は「次の実行委員会で言う」と問題提起する。」とのことでした。
http://m.sponichi.co.jp/baseball/news/2017/08/20/kiji/20170819s00001173407000c.html
https://www.nikkansports.com/baseball/news/1874764.html?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=nikkansports_ogp

日本ハム球団が問題提起する先は審判団ではなく、規則などの運用を決定する実行委員会。
自チームに不利なことがあれば、むしろルールを変更するほうに誘導する。
日本ハムのほうが明らかにいいやり方をしています。
エースを守るために西武球団にはこのような対応を求めます。



菊池はライオンズのエースであり宝です。
そして花巻東時代から本格派左腕として球界の夢を背負ってきた投手です。
フォームは投手の命。
変えろと言われてもそう簡単には変えられません。
ここ2週間の騒動で彼の投手生命に影響が及べば誰が責任を取ってくれるのでしょうか。

プロ野球は興業。ファンに説明が付かないことは絶対にあってはいけません。