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ライオンズ中心になんでもかんでも

ライオンズの2017年シーズンは公式戦2位、CSはファーストステージ敗退で幕を閉じました。
9年ぶりのリーグ優勝に届かなかったことは残念ですが、
開幕前の順位予想ではBクラスが大半を占めていたこともあり、いい意味で期待を裏切ってくれたシ
ーズンになりました。

そんな今年のライオンズをデータで振り返ります。

打撃編
①総合

2016・2017年チーム打撃成績①
2016年=619得点 打率.264 出塁率.335 長打率.395 OPS.730 HR128 盗塁97
2017年=690得点 打率.264 出塁率.332 長打率.420 OPS.753 HR153 盗塁129

得点は71も増えましたが、打率・出塁率はほぼ変わらず。
HRが25増えそれに伴って長打率もアップしています。
もちろん盗塁は増えていますが、
「辻監督がスモールベースボールを推し進めた」的な言説は当てはまらないように思えます。

2016・2017年チーム打撃成績②
2016年=493四球 1071三振 BB8.9% K19.3%
2017年=457四球 1029三振 BB8.4% K18.9%

また四球と三振はともに微減。
長打が増えたことを考慮すれば四球の減少は意外かもしれません。

2016・2017年チーム走塁成績
2016年=wSB1.0 UBR12.0
2017年=wSB5.3 UBR17.1


得点増加の要因として欠かせないのが走塁面。
DELTA集計のデータではwsB(リーグ平均と比較して、どれだけ多く盗塁で得点を生み出したか)、
UBR(リーグ平均と比較して、どれだけ多く盗塁以外の走塁で得点を生み出したか)、
の2部門で両リーグ1位の値をマークしています。

新人記録を次々と塗り替えていった源田壮亮、
外野に転向してレギュラーを掴んだ外崎修汰、
開幕こそ出遅れたものの昨年の盗塁王金子侑司。
チームでは20年ぶりに20盗塁トリオが誕生するなど、リーグトップのチーム129盗塁をマークしまし
た。


②低迷したベテラン

主力3選手打撃成績
中村剛也=115試合.217 27 79 OPS.765
E.メヒア=113試合.241 19 53 OPS.778
栗山巧  =116試合.252 9 46 OPS.680

チームの主軸を担うべき中村剛也、E.メヒア、栗山巧の不振が目についた今シーズン。
これまでであればそのままチーム成績が下降するところでしたが、
山川穂高・外崎修汰・源田壮亮ら若手の台頭でそれを見事にカバーしました。

中村剛也は昨年「最低最悪のシーズン」を送り、開幕から17試合連続安打を放つなど、
4月は打率.294 5HRで終えましたが後が続かず。
結局昨年とほぼ同じ成績に落ち着いてしまいました。
細かいデータを見るとボールゾーンスイング率、K%が低下、BB%が増加というポジティブなデータも
あります。
ですが37HR124打点で二冠王に輝いた14年から比較すると
BABIP.343→.228
Hard%47.7→37.6
と強い打球が打てなくなり、野手の間を抜ける打球が減っている様子が分かります。
(もちろんBABIPは運・不運の問題もありますが)
年俸は4億1千万と非常に高額、なおかつ今季で契約切れという厳しい状況ですが、
ライオンズの顔としてまだまだ頑張ってほしいところです。

そして栗山巧。4月に相手野手と交錯して足を痛め、フル出場には程遠い1年となりました。
出場機会が限られる中で打率は昨年の.279から落としましたが、
サヨナラHR2本を含むHR9本、長打率は昨年の.369から微増の.372。
またボールゾーンスイング率は21.5%と選球眼の良さも健在。
規定打席には到達していませんが、リーグ3位に相当します。
データを見る限り体調が万全であれば来年も打撃面ではある程度期待できると思います。
ただUZRは-0.5を計上。守備面での貢献はあまり計算しないほうがいいでしょう。


③台頭した若手

 

若手3選手打撃成績

山川穂高=78試合.298 23 61 OPS1.081
外崎修汰=135試合.258 10 48 OPS.706 23盗塁
源田壮亮=143試合.270 3 57 OPS.669 37盗塁

さて一方若手には明るい話題が続きました。
山川穂高は春先不振で二軍暮らしも経験しましたが、後半戦に大爆発。
わずか78試合293打席の出場でリーグ11位の23HRをマークし、OPSは驚異の1越え。
更にここぞという場面での勝負強さも光っていました。
各試合での勝利期待値を増減させたかによって貢献を測るWPAでは、
柳田悠岐、A.デスパイネ、田中広輔に続き3.98で両リーグ4位。
積み上げ系のランキングで規定打席に達していない打者が上位に現れることは非常に稀です。
そして今年進化したポイントはボールの見極めができるようになったこと。
ボールゾーンスイング率は前述の栗山よりいい19.3%。
昨年は打席こそ少ないものの34.0%をマークしていました。
来年以降マークも厳しくなるでしょうが、シーズン通して4番としての働きを期待しましょう。


また外崎修汰は俊足に加えて長打力が開花。
外崎はスラッガー枠であると唱えていたのでめちゃくちゃ嬉しいです。
昨年終盤にはファームで7試合7HRをマーク、一軍でもR.バンデンハークからもHRを放ちました。
今年はシーズンに入ってから外野に挑戦。
一層打撃に集中できるようになったのか、自己最多の10HRを放ちました。
また外野で先発し、試合終盤には内野に回るパターンが確立。
複数ポジションを守るチームの切り札的存在になりました。
1年目は長打を捨て、繋ぎのバッティングを意識していたように見えましたが、
2年目の途中から意識が切り替わったように見えます。
また打球に対するフライ打球の割合も
32.4%→55.0%→45.5%と1年目より上昇、
長打率も.247→.294→.390と推移しています。


そして何といっても源田壮亮。
スーパールーキーがありとあらゆる面でライオンズを変えてくれました。
トヨタ自動車時代には9番を打つなど、打撃面では期待されていませんでしたが、
プロに入り強くスイングすることを指導され見事に開花。
センター方向への打球割合46.5%は両リーグトップです。
また得点圏打率.344、Clutch1.55(重要な場面で自身のパフォーマンスをどこまで発揮できるか)は両
リーグ4位ととにかく勝負強かった。
リーグ2位の37盗塁、両リーグ1位のUBR6.7と走塁面でも高い貢献。
更に後でも触れますがUZR21.5は両リーグ全ポジション合わせてもダントツ。
もう何も文句はありません…と言いたいところですが、あえて一つだけ。
ボールゾーンスイング率が31.7%と長距離打者並みに高かった。
コンタクト率も高いので空振りはしないのですが、
長期的に見て成績の安定化には欠かせない要素なので改善してほしいところです。


投手編
①総合

 

2016・2017年チーム投手成績
2016年=防御率3.85 先発防御率4.10 救援防御率3.42 K17.3% BB9.5% HR/9 0.55 FIP4.04
2017年=防御率3.53 先発防御率3.64 救援防御率3.32 K18.1% BB7.6% HR/9 0.89 FIP4.01

防御率が改善される一方で、与四球と被本塁打が増加しています。
またFIP(守備の要素を排除して、奪三振、与四球、被本塁打から算出する疑似防御率)はほぼ変わら
ず。
守備の向上が防御率の改善に貢献したことを示唆しています。

被本塁打は187回を投げた菊池雄星が16本なのは仕方ないとしても、
64回の岡本洋介が15本、96.2回の多和田真三郎が11本なのはいただけません。

②先発投手
何と言っても菊池雄星。
160㎞/h近いストレートで217個の三振を奪いながら、
BB/9を去年の4.22から2.35と制球力を大きく向上させました。
それにしてもストレートの平均休息148.6㎞/hは恐ろしい。

また先発投手で大きく飛躍したのは野上亮磨。
キャンプからストレートを磨き、11勝をマークしました。

 

野上亮磨2016・2017年投手成績
2016年=防御率3.87 K13.1% BB9.1% HR/9 0.84 FIP4.75
2017年=防御率3.63 K19.6% BB4.2% HR/9 0.63 FIP3.11


防御率とともに投球内容も大きく向上しています。
特にBB%はリーグトップでした。
国内FA権を持ち去就が注目されていますが、
守備への依存度が高めの投手のため、守備が怪しいチームには行かないほうがいいと思います。

そして期待外れに終わってしまったのが多和田真三郎と高橋光成。
開幕ローテ入りを果たしましたが、多和田16登板、高橋7登板に留まりました。
菊池雄星の数年後のメジャー移籍が確実な中、
2人を中心とした若手投手の飛躍が欠かせません。


③確立されたリリーフ
今年はB.シュリッターの加入、牧田和久の役割明確化、土肥義弘投手コーチの合理的な調整方針によ
り、リリーフ運用が大きく改善されました。

2017年リリーフ主力投手投手成績
B.シュリッター=64試合32H防御率2.83
牧田和久=58試合28H防御率2.30
武隈祥太=58試合13H防御率3.14
増田達至=57試合28S防御率2.40
平井克典=42試合4H防御率2.40
野田昇吾=38試合1H防御率1.98
 

特に牧田和久はBB2.0%が50イニング以上の投手で両リーグ1位。
またB.シュリッターは8月27日に小谷野栄一に1HRを浴びただけでした。
(CSは・・・うんまあ。)

勝ちパターン3人もそれぞれ不調な時期はありましたが、
シーズン通して見れば十分な働きをしてくれました。
また若い平井・野田、TJ手術から復帰した高橋朋己、大石達也も活躍してくれました。

牧田和久が国内FA権かポスティングを行使しての退団の可能性が高まっています。
またB.シュリッターは終盤戦に調子を崩し、来季の去就は未定。
それでも過去と比較すれば来季も強力なリリーフ陣を形成できるはずです。


守備編
①総合

 

2016・2017年チーム守備成績
2016年=UZR-10.2 ErrR-5.5 DER.708
2017年=UZR41.7  ErrR-5.0 DER.682


守備範囲を示すUZRは両リーグ1位。
失策抑止による貢献を示すErrRはマイナスを計上してしまいました。
DERは正確には投手指標なのですが、フェア打球をどれくらいアウトにできたかを示しています。
両リーグ11位だった昨年から、今年は2位と大きく改善されました。

要因は言うまでもなく源田壮亮でしょう。
ショートの守備成績を比較してみると

 

2016・2017年ショート守備成績
2016年=UZR4.7  RngR1.3
2017年=UZR21.5 RngR20.4


昨年は390.1イニングの鬼崎裕司を筆頭に、呉念庭、永江恭平ら7選手が守りましたが、
今年は全イニングを源田壮亮が守りました。
守備範囲の広さを示すRngRも大きく数字を伸ばしています。

また外野守備の改善も大きかった。


2016・2017年チーム外野守備成績

レフト
2016年=UZR8.3(栗山巧977イニング、金子侑司90イニング、坂田遼72イニング)
2017年=UZR10.2(外崎修汰・金子侑司430.2イニング、栗山巧215.1イニング)
ライト
2016年=UZR-15.1(金子侑司590.1イニング、森友哉357.2イニング、坂田遼234イニング)
2017年=UZR-5.3(木村文紀527イニング、外崎修汰441イニング、金子侑司271.2イニング)

投手編でも述べましたが、投手成績の改善には守備の向上が欠かせませんでした。
守備関係なく完結する奪三振、与四球、被本塁打による成績に大差がない中で、
守備に依存する防御率が改善されたのは間違いなく守備の向上が要因です。


さてさて長々と述べてきましたが、戦力の流出により1年ごとにチームが変わってしまうのがライオ
ンズ。
そんな中でもFAには程遠い若手たちが台頭したのが大きな収穫となったシーズンでした。
ホークスというとんでもなく大きい敵を倒すのは簡単ではありませんが、
ライオンズ復活へ希望が見えてきたシーズンだったと思います。
来年こそ10年ぶりのリーグ優勝を勝ち取ってくれることを信じています。