ライオンズの快進撃を考える | nerimamoデータ倉庫

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ライオンズ中心になんでもかんでも

強い。打線が怖い。山賊。
開幕前にはBクラス予想も見られた我らがライオンズが快進撃を続けています。
5月7日までに30試合を消化し、23勝7敗でダントツ1位。
毎試合のようにビックイニングを作り、相手投手とファンにトラウマを植え付ける強力打線。
掲示板界隈で生まれた「山賊打線」という言葉は日刊スポーツにも取り上げられ、
正式な打線の愛称となる勢いです。


打線については様々な媒体で分析はされていますが、私なりの見解も記しておきます。


打率.295
出塁率.376
長打率.474
OPS.850

得点201(平均6.7)
安打302(平均10.1)
2桁安打18回
2桁得点6回

得点圏打率.365
得点圏出塁率.459
得点圏長打率.619
得点圏OPS1.078


当然ながら上に挙げた数字は全て12球団1位。
リーグ平均打率が.244であることを考えると、ちょっと信じられない数字が並んでいます。
また143試合ベースにすると得点は958、安打は1444となります。
日本記録は908得点(1950年松竹)、1461安打(2003年ダイエー)なので、歴史的にもトップクラスの数字です。

ちなみに出塁率、長打率、OPSで去年一番近い成績を残した選手を探すと、
ベイスターズ宮崎敏郎(.377/.479/.856)となりました。
チーム全員宮崎・・・恐ろしい。
また得点圏OPSは驚異の1越え。2位がジャイアンツ.829、リーグ平均は.770なので異次元と言っていいでしょう。
こちらも去年の成績に当てはめると、ホークス柳田悠岐(1.016)が最も近い選手でした。
得点圏になると全員去年の柳田並みの成績になるチーム。意味が分かりません。


ここまで得点力が上がった理由はいくつかあると思います。
1つは「繋ぐ意識」が徹底されていること。
全員が打撃好調のため、無理に決めに行く打撃をせず、
次の打者にいい状況で回そうという意識が見て取れます。
現にHR数は35本でホークスに次ぐ2位。スタメンを見比べると意外にも思えます。

またボールゾーンスイング率は24.5%でマリーンズに次いで2位
昨年は27.3%だったため、約3%改善されています。
強打者が並んでいるため振り回すイメージがあるかもしれませんが、
きっちりボール球を見極めています。
特に浅村栄斗、秋山翔吾、山川穂高の3人は19%後半で、両リーグ11~13位を占めています。

チーム打率が高いことの理由にBABIPの高さも指摘されています。
(インプレー打率。打席を重ねると一定値に収束するとされ、高いと揺り戻しが来ると言われるのが常)
確かにBABIP.340はジャイアンツに次いで2位
リーグ平均.284、昨年のライオンズが.304と比べても高く、運が味方していることも考えられます。
しかし強い打球が多ければゴロでも野手の間を抜ける可能性は高くなり、
フェンス間際へのフライでも同じことが言えます。
そこで打球の強さを見てみると
Soft19.3% Mid44.0% Hard36.7%
とSoftが最も低く、Hardはジャイアンツに次いで2番目に高い数字になっています。
(リーグ平均は22.3/44.6/33.1)
ここまで強い打球を打てていれば、揺り戻しの影響は最小限に留まると予想しています。


とここまでは数字を並べてきましたが、以下は現地観戦での感想です。
①選手間の連携が取れている
今季は凡退して引き上げる選手がネクストバッターズサークルで後続の打者と話し込むシーンをよく目にします。
2巡目以降に相手先発を攻略することが多いのと無関係ではないでしょう。
また既に点差が付いた終盤でも、その姿勢は変わらないことにも頼もしさを覚えます。

②機動力でプレッシャーを掛ける
源田壮亮、外崎修汰、金子侑司と盗塁ができるメンバーが揃っています。
チーム盗塁数は37でマリーンズに次いで2位。
ただライオンズの場合はその数字以上に、足を警戒したバッテリーがストレートを続けたり、
カウントを整えに来たところをバッターが痛打するシーンが非常に多い。
もちろん執拗に牽制することで相手バッテリーの神経を擦り減らしている部分もあります。

また相手の守備体系にもその効果は表れています。
1ヒットでセカンドからの生還を防ぎたいために外野手が前進するものの、
長打力と機動力を兼ね備えたバッターがその間を破る打球を放ち、2ベース・3ベースになっています。
源田が日本記録を更新する勢いで3ベースを放っていますが、

多くが前進した外野手の間を破るものでした。


打撃についてばかり書いてきたので守備・投手についても。
守備は若いメンバーが揃ってることもあって、守備範囲が広い。
RngR13.9はトップ、UZR8.9は3位です
守備を捨てて打撃重視のスタメンを組んでいるわけではなく、
レフト栗山巧を金子侑か木村文紀に代えるだけで守備固めが完了します。

また投手は戦前の予想に反して健闘してくれています。
3月にトレードで加入した榎田大樹が先発で3戦3勝。
高い奪三振能力と落ち着いたマウンド裁きを見せています。
オープン戦では炎上を繰り返し心配された多和田真三郎は6戦6勝。
森とのバッテリーで課題だった左打者への攻めが改善されました。
もちろん全体的に打線が援護してくるため、大胆に攻めることができています。
ただ層の薄さという課題は相変わらず。
二軍でも大きく目立った先発投手は見られず、

交流戦から夏場にかけて6連戦が続く時期に不安は残ります。

一方リリーフは大石達也と高橋朋己の離脱が痛い。
逆転負けこそ見られないものの、7回を担う平井克典に負担が掛かっています。
N.ワグナーを8回で使える目途が立ったため、今後はより役割を明確化していきたいところです。

まあ色々書いてきましたが、5月初めのこの時期に2位と6ゲーム差はメチャクチャ大きい。
悲願の優勝を成し遂げるべく、今後も応援していきます。

 

成績は5月7日時点。

データ引用元 http://1point02.jp/op/index.aspx