梅雨明けも近いのでしょうか?
晴れ間も段々多くなり、暑さも厳しくなって参りました。
さて欧州の金融危機が新興国の経済減速を招き、世界中が
金融不安の中にあります。 こうした状況下で、一国集中を避け、
海外の金融商品や海外不動産に分散投資することを視野に入れる
方も少なくないと思います。
今回は、海外で生ずる様々な所得の内、日本に居住している個人
(所得税法上の居住者)の、上場外国株式や海外不動産から生ずる
所得に課される所得税について、要点のみ、取り上げます。
(1)納税義務者と課税範囲
日本の所得税法が定める居住者は、「非永住者」と「それ以外の居住者
(以下、永住者)」に分類されます。
永住者に絞ってお話いたしますと、永住者は所得の発生場所を問わず、
全ての所得(全世界所得)に課税されます。
(2)租税条約
この条約は、国家間の課税権の配分調整や源泉地国での課税軽減等を
通じ二重課税を回避し脱税を防止しるためのものであり、我が国では国内法より
優先されます。日本がこの租税条約を締結しているのは、H24年4月時点で
64カ国、53条約です。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/182.htm
(3)確定申告の際の留意点
外国通貨建ての所得を日本円に換算する必要があり、原則として取引日の
TTM(仲値相場)で行います。
なお不動産や株式の譲渡の際の為替換算差益は、譲渡所得計算に含まれます。
外国で課された所得税は、下記の算式による金額を限度として日本の所得税から
控除でき、控除しきれなかった金額は翌年以後3年間繰り越せます。
控除限度=その年分の所得税×(その年分の国外所得総額÷その年分の所得総額)
上場外国株式に係わる所得税
(1)本社が外国にある上場会社の株式の配当を受ける場合
配当金の発生地国と日本の間で租税条約が締結されていれば、その条約のさだめている
ところにより現地国にて源泉徴収(10~15%)されます。
日本国内の証券会社等を通じて配当を受け取った場合は、日本においても源泉徴収(外国で
源泉徴収された後の残額に対して所得税7%、住民税3%)されます。
源泉徴収後の上場外国株式の配当の取り扱いは、ほとんど国内の上場株式と同様です。
海外不動産に係わる所得税
(1)海外不動産の賃貸収入
不動産所得については原則として、不動産の所在地国で課税されます。
居住者は、海外不動産の不動産所得についても日本の不動産所得と同様に、他の所得と
合算され総合課税の対象となります。5~40%の税率で所得税課税され、さらに住民税
(10%)の対象となります。 不動産の所在地国で課税されていた税金については、原則
外国税額控除か不動産所得の必要経費にしてもかまいません。
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現状の把握(運用環境)
<2012年7月6日 現在>
日本の預貯金
○ ゼロ金利政策が2010年10月より再び導入。低金利がしばらく続く環境。
・大口定期の金利は0.03%(三菱東京UFJ銀行・1年)
(過去において、2008年12月 0.3% ⇒ 2009年12月 0.14%
⇒ 2010年12月 0.04% ⇒ 2011年12月 0.03%と推移)
株式
○ 09年春先の底入れ以来の株価トレンドは「米国:緩やかに上昇基調」
「日本・中国(一部の指数):横ばい傾向」等と地域により明暗が分かれる。
○ 経済指標の悪化やヨーロッパ等の債務問題への懸念の高まりによる下降、
それらの改善による上昇を繰り返す。足もとは3~4月を当面のピークに
下降した水準。
債券
○ 政策金利 : 米:0.25%、EU:0.75%、日本:0.1%と低水準。
全般として利下げの動向で、昨年秋より
EU、オーストラリア(3.50%)、ブラジル(8.50%)等が利下げ実施。
○ 長期金利 : 日米の10年国債利回りは、リスク回避の流れで買われて低下傾向
(債券単価上昇)。日本は0.8%台。米国は1.6%前後で推移。
オルタナティブ
○ 商品市況 : CRB指数(代表的な指標)は5‐6月に落ち込んだが、
現在は、昨年9月からの横ばいトレンドへ回復。
6月下旬より穀物中心に価格上昇が目立つ。
○ ヘッジファンド : 戦略ごとに状況が異なるものの、
全体では2009年に入って前年の急落から持ち直し、
2010年まで緩やかに上昇。2011年は下降基調となる。
為替
○ 08年の金融危機以降、日本円・米ドルが高く、ユーロが安いトレンドとなる。
中でも日本円は各通貨に対して10~40%程度高い水準。
○ 2011年8月より円高が進み、昨年10月に一時1$=75円32銭と
対米ドルの高値を更新。
1月~3月にかけて一時円安となるが、足もとは再び円高へ。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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