香月泰男のシベリア・シリーズ | ねりえ日和

ねりえ日和

本州の西の端・下関から 石碑やモニュメントを中心に

 

 

山口県立美術館で今日まで開催されていた

山口県立美術館開館40周年記念コレクション特別展

「香月泰男のシベリア・シリーズ」に行ってきました。

 

 

香月泰男は、明治44年(1911年)、

山口県三隅村(現・長門市)に生まれました。

東京美術学校(現・東京芸術大学)では藤島武二に学び、

卒業後は、北海道、その後、昭和13年(1938年)からは、

下関で美術の教鞭を取りました。

 

しかし、戦争が始まり、昭和18年(1943年)、

召集された泰男は、満州・ハイラルに配属されました。

そして、昭和20年(1945年)8月15日、終戦。

泰男は、シベリアに抑留され、

クラスノヤルスクのセーヤ収容所などで苦難の日々を送ります。

復員できたのは、昭和22年(1947年)のことでした。

 

泰男は、昭和49年(1974年)に死亡しますが、

その間、出征から抑留までの経験を元にした

「シベリア・シリーズ(シベリヤ・シリーズ)」を発表。

シリーズ全57作品は

全て山口県立美術館に保管されています。

 

今回、8年ぶりに全作品が展示されました。

 

 

「シベリア・シリーズ」を眺めていると、圧倒されます。

シベリアでの生活の絶望や、

一方で、何とか光明を見出そうとする想い、

ほとばしる感情に、心を鷲掴みにされます。

泰男の壮絶な経験が生み出した魂の作品、

いや、彼の魂そのものだと思います。

 

 

山口県立美術館の場所はこちらです。