コーチ・カーター | One of 泡沫書評ブログ

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【ネタバレあり】

映画評論家の町山智浩さんが著書でご紹介されていたもの。どうやら実際にあった出来事をベースに脚本が書かれているようだ。あらすじを書くのが得意ではないのだが、ある程度説明しないと書きたいことが書けないので、仕方がないのでがんばって書いてみよう:

―ーーカリフォルニア州近くのリッチモンド。ここはアフリカ系アメリカ人やヒスパニック系の住民が多い、いわゆる貧困層が多く住む地域だ。リッチモンド高校のバスケットボール部は弱小で、最近の戦歴は4勝22敗、チーム内の空気も荒んでいる。かつてリッチモンド高校の躍進を支えたOBのケン・カーターはスポーツ用品店を営む経営者だが、前任のコーチからの紹介(?)で4ヶ月だけ母校のバスケットボールチームのコーチを引き受けることになった。

バスケチームのコーチを引き受けたカーターは、就任早々、部員たちと契約を結ぶ。その内容は、「授業に毎日出席し、一番前の席に座ること。成績はGPA2.3以上を維持すること。練習には遅刻しないこと。これを守れなかったものは腕立て1000回!」というもの(細かいところは適当ですw)。部員たちは反感を覚えつつも、カーターに従ううちにチームはみるみる強くなっていき、チームは勝利を重ねていく。しかし、部員たちは次第に増長し、学業もおろそかにして成績を維持できなかった。カーターはこれらの「契約」の罰則を遂行し、体育館をロックアウトする。当然、試合もキャンセルすることになり、市民や親からの猛批判を受けることになる。ーーー

と、まあ相変わらず下手くそなあらすじだが、だいたいこのような話である。コーチ・カーターは、スポーツを教えるだけでなく、人生に必要な忍耐や学問などの大切さを身をもって教え、まともに卒業すら出来ず、貧困のスパイラルに陥っている母校をなんとかしたいと考えていたのだ。そのカーターの崇高な考えに、校長を始め、現実の前に屈していた人々がどんどん感化されていき、最後はその教え子たちの一部がきちんと大学に進学し学位を取るという感動的な映画である。

さて、前振りはここまでで、本当に書きたかったのはこんなことではない。おそらく、日本の視聴者はこの映画を観たら誰もが同じ感想を持つであろう。それは、「クルーズ」という部員である。

彼は3ポイントシュートが得意な選手なのだが、最初の契約のシーンでカーターに捨て台詞を吐き、荒んだギャング生活に身を落としてしまう。その後、試合で輝く元チームメイトを見て、もう一度チームに戻りたいと体育館にやってくるのだ。そのときのシーンが、

安西先生・・・バスケがしたいです・・・

にしか思えないのである。そういう意味でも面白い映画であった。