プレジデント | One of 泡沫書評ブログ

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世の中にいったいいくつの書評ブログがあるのでしょうか。
すでに多くの方が書いているにもかかわらず、なぜ書評を続けるのか。
それは、クダラナイ内容でも、自分の言葉で書くことに意味があると思うからです。

モンスター社員続出で右往左往する現場


これはプレジデント誌の「部課長の基本」シリーズというものだそうだ。ひたすら社畜礼賛記事のオンパレードで、読んでて気色悪い。ちゃんと読んでないので失礼は承知で言えば、団塊世代の体育会系マッチョイズムが満載で、読まなくても内容が予想できる。こういうのを読んで「そうそう、そうなんだよ!」という連中がどんどん減れば、日本経済ももう少しまともになって、生産性が上がるかもしれない。


ネタみたいな内容で面白いので、引用してみよう。


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商社で働く小林百合子さん(仮名)は、入社1年目の男性の後輩に「明日中にこのレポートをまとめて、メールで私のところに送っておいてね。次の日のお昼の会議の資料として使うから」と頼んだ。「わかりました」と元気のいい答えが返ってきたので、小林さんは安心して任せていた。


しかし、翌日の夕方になってもレポートのメールは入ってこない。本人のデスクに目を向けると、資料をかたわらに置いて一生懸命にキーボードを打っている。「新人とはいえ、半日もあれば十分に終わる仕事なのに」。取引先との会食の約束の時間が迫ってくるのにつれて、小林さんの不満は募っていった。結局、タイムアウトとなり、仕方なく小林さんは職場を飛び出した。


翌朝、メールチェックをした小林さんは驚いた。確かにレポートのメールは入っていた。しかし、その時刻は何と「23時59分」。新人君を呼び出して「ちょっと遅いんじゃないの。もう少し早くから取りかかれば、夕方には十分できたでしょう」と小言をいうと、「でも指示のあった昨日中には送ったはずです」と答える始末。当人は涼しい顔だ。自分の行為が相手にどのような影響を及ぼすかまで、どうやらこの新人君は頭が働かないようである。

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夕方までに送ってほしければ、「明日の夕方まで」と指示すればよいのである。ただそれだけのことで、それ以上でもそれ以下でもない。だいたい近くに座っているならフォローするべきであろう。なぜ後になってからわざわざ「空気を読め」と理不尽なことを言うのか。自分の希望を相手にどのように伝えればよいのか、どうやらこの小林百合子(仮名)さんは頭が回らないようである。




家康は「成長した秀頼」がゆるせなかった


こういうのも歴史をよく知らない後世の妄想で具合が悪くなる。


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このとき成長した秀頼を見た家康は、「この男を生かしておいてはまずい」と直感。豊臣家を滅ぼすため、大坂の陣を起こすのだ。


もし秀頼が愚昧だと家康が思っていたら、あるいは豊臣家が滅ぼされることはなかったかもしれない。また秀次が存命していれば、豊臣家が滅ぼされることはなかったかもしれない。

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意味がわからない。


家康は、秀頼が優秀だろうと愚鈍だろうと豊臣家を滅ぼそうとしたに決まっている。近代以前では、権力は二つあってはならないからだ。秀頼がどういう能力をもっていようが、豊臣家の遺臣なんだから誰かが担ぐに決まっているだろう。だから家康は秀頼の死を求めたのであって、それ以外の理由はほとんど考えられない。


こういうオッサン向けの雑誌だと、常識的な歴史の流れすらも現代サラリーマン理論に援用しようとするから、非常に気色悪い。わたしは歴史が好きなのだが、戦国時代と幕末があまり好きになれないのもこのあたりに理由がある。



まあ、こういうのはコラムであってメインの記事ではないはずだから、マシな記事もたくさんあるのだろう。釣られてしまって恥ずかしい限りだ・・・。