アダルトビデオ革命史 | One of 泡沫書評ブログ

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アダルトビデオ革命史 (幻冬舎新書)/藤木 TDC
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次々本を読むのはいいが、一晩経つと内容を忘れてしまう。読んだらその日に書いた方がいいのはわかっているが・・・。



本書はタイトルにつられて買ってみたが、内容はいまいちだった。今40代くらいの人(バブル世代)が昔を懐かしむのだろうなぁ・・・くらいの読後感しかなかった。たぶん著者自身が過ごした青春時代の回顧録みたいなもので、世代が違うとどうしてもピントがずれているように感じてしまう。(わたしは著者よりもう1世代下)



村西とおる氏の業績をことさら持ちあげられても、なんだかなぁ・・・って思ってしまうのはわたしだけだろうか? 逆にキカタン(企画単体)の話があまり出てこなかったり、最近の話題についてはほとんどコメントがない。



「アダルトビデオ」という分野は、誰もがその名前を知っていながら、単なるアンダーグラウンドの文化としてまともに取り上げられなかったということを考えると、新書として手に取りやすい形でこの分野の紹介がなされたことに大きな意味がある。そういう意味では高い評価をしたいと思う。本書は「革命史」と銘打ってあるが、これまでのAVがたどった歴史を一通り追うことができる、どちらかというと通史にちかい。史料的価値は非常に高いと言えるだろう。



ただ、もともと予備知識のある人間に向けて書いたような感じで、説明不足の感は否めない。セルとレンタルの違いとか、セル専属の話とか、ちゃんと用語の説明を書いてくれないとわからない、と思う。森下くるみとか、業界の人にとっては衝撃的だったとしても、みんな知りませんから、ふつうは。(知らない奴はそもそも買わないゼ、とか言わないでくださいw)