富山の旅 プレリュード | 瞼の裏にネルチンスクの朝焼けを

瞼の裏にネルチンスクの朝焼けを

どうでもいいことを、それっぽく文章に

これをひょんと言わなければ何をひょんと言うのか疑問を持たざるを得ないほど、ひょんなことから友人二人と富山に行くことになった。ちなみに行くことが決まったのは出発の二日前である。





お盆期間に中途半端に重なり、レンタカーがなかなか予約できなかったという都合から、立川に朝8時というこれまた中途半端な集合場所になる(立川の方申し訳ない)。レンタカーを借りるのにも10分程時間はかかるし、何より団体行動に遅刻は厳禁である。また、待ち合わせの前にタバコを吸っておきたいと言う個人的な都合もあったので、20分前には立川に到着する。



とりあえず到着した旨を幹事のUにメールすると、「俺も10分前には着くよ」という返信が来た。うむ、これでこそ幹事である。団体行動に遅刻は厳禁である。



立川駅の改札前で、からあげクンを頬張りながら突っ立っていると、遠くに僕以上に目の細いUが姿を現す。かれこれ半年ぶりの再開に二人のテンションがにわかに上がる。しかし、次の一言により、僕は絶句することになる。





「Tが20分遅刻だってメールがきた」







にじゅ…






渋滞を避けるために極力早く出ようと固く決意したのはつい2日前ではなかったか。まさかその決意を忘れた訳ではあるまい。団体行動に遅刻は厳禁である。





とにかく外で20分も待っていられないし、時間ももったいないので先にレンタカー屋さんで車を借りに行くことにする。とはいってもレンタカーは運転する人の免許証が必要になるので、これでこの旅の道中、Tは必然的に運転を免れることになる訳だ。癪である。




レンタカー屋さんで手続きを行っている最中、念のため、店員さんに聞いてみる。



僕「運転する人全員の免許証必要ですよね?」

店「あ、他にも運転される方がいらっしゃるんですね?」

僕「そうなんです。ただ、今そいつ遅刻しちゃってまして。」

店「そうしたらここにその方の名前を書いておいてください」

僕「じゃあそいつが到着したらもう一度免許証を見せに戻ってくるってことでいいんですね?」

店「いえ、大丈夫ですよ。」

僕「え、でもそれじゃ本人確認できないし、事故とか万が一のことがあったら保険がきかないんじゃ…」

店「大丈夫ですよ、私、遠藤様を信用してます。」

僕「いやいや、それはちょtt…」

店「遠藤様を信用してます」

僕「・・・・・・・」



僕の記憶が正しければ、「信用」という言葉はこんなに軽い言葉ではなかったはずだ。初めて会う、しかも5分前に会ったばかりの人に信用すると言われても、ますます黒いものを感じずにはいられない。







ま、普通に運転させましたがね。






手続きが一通り終わった頃、Tから電話が来る。





















「八王子駅で迷って中央線に乗れない…。どこから乗ればいいか分らない…。」



















団体行動に遅刻は厳禁である。