08‐09シーズンの2位という成績を最後に、7位、6位、8位、昨季も7位と低迷を続ける名門リバプール。その名と歴史に似合わぬ成績を残し続けるレッズであるが、今季は非常に好調なスタートをきった。4戦3勝1分、現在単独首位に立っている。第3節では王者マンチェスター・ユナイテッドも破り、リバプールは今季こその復活を目指している。エースストライカーのルイス・スアレス、現チーム最多得点者ダニエル・スターリッジが前線を引っ張り、在籍17年目を迎えたリバプールの象徴スティーブン・ジェラードが中盤からチームを牽引する。そして当然ディフェンスラインにも、リーダーが存在する。それがデンマークの現代的CB、2006年よりリバプールに在籍する副主将ダニエル・ムンテ・アッゲルだ。
綴りが“Agger”であり、日本では時にアッガーとも表記される彼は、若くから注目され、長くリバプールに所属するCBだ。2004年当時19歳の彼は、リーグ優勝10回を誇る名門ブロンビーでプロデビューを飾った。初年度にいきなり優勝を経験すると、翌年にはデンマーク代表招集まで果たす。すぐに実力を認められた彼は、2年後の2005‐06シーズン冬期移籍市場で、リバプールへと引き抜かれた。移籍初年度こそケガにより出場試合数が限られたが、翌シーズンには現レバークーゼン監督のサミ・ヒーピアよりCBのポジションを奪取し、本格的にリバプールの一員となった。その当時から現在まで、彼はクラブでも代表でも重要な戦力だ。
1984年12月生まれ、現在28歳とサッカー選手として最盛期を迎えた彼は、191cmと非常に体格に恵まれている。屈強な体格を武器にした空中戦に強さを発揮し、貴重な得点源としても機能。チームの最後尾としても常に冷静なプレーをすることができ、クレバーな守備を得意とする。冷静な試合の読みからディフェンスラインを統率し、現在では誰もが認めるディフェンスリーダーだ。しかし彼のより優れる持ち味は攻撃面の持ち味、左足から放たれる正確なフィード能力だ。長短どちらのパスも正確に蹴ることができ、攻撃の始発点として非常に重要な役目を担っている。時には機を見たオーバーラップから強烈なミドルシュートも放ち、彼の左足は常に相手に驚異を与える。
近年低迷が続くプレミアリーグの名門リバプール。前線にはウルグアイの至宝ルイス・スアレスを有し、昨季の総合得点数はリーグ4位の71得点。実績から見れば決して少なくない得点が保証されているクラブにあり、守備面で中心となるべき選手。それがディフェンスリーダー、ダニエル・ムンテ・アッゲルだ。フレンダン・ロジャーズ監督の遂行するポゼッションサッカーにあり、攻撃では始発点、守備では最終防衛戦となることを義務化された彼に求められる仕事は多い。しかし現代的CBの彼が、ラインを高く正確に保ち、攻撃面でも、もちろん守備面でも獅子奮迅の活躍をすることができるのであれば、それは長く低迷の続いたリバプールの夜明けに繋がることだろう。求められる仕事が多いからこそ、今季も彼にかかる期待は大きい。