インテリスタのブログ -19ページ目

インテリスタのブログ

サッカーについて勝手な事を書いています。
あくまで自己満足であり、個人の見解であることをご了承ください。

 2013年9月22日。インテルはセリエA初挑戦となるサッスオーロと対戦し、7‐0という歴史的大差で勝利した。長友佑都が左サイドを圧倒し、ロドリゴ・パラシオ、リカルド・アルバレスも前線で効果的な働きをした。もちろん0に抑えたディフェンスラインの貢献もあり、インテル完全復活への大きな一歩となった。7得点という得点数、無失点という数字、サフィル・タイデルの移籍後初得点など、喜ばしい出来事は数多く起こった試合であった。しかしそんな試合にあり、最もインテリスタの心を熱くした出来事。それは後半9分、そして後半19分に起こった。長期離脱を余儀なくされていた、ディエゴ・ミリトの復帰、そしてディエゴ・ミリトの復活弾だ。


 ディエゴ・ミリトは、2009年にジェノアからインテルへやってきた、セリエA屈指のストライカーだ。ジェノアでの同僚チアゴ・モッタ、ズラタン・イブラヒモビッチとのトレードでやってきたサミュエル・エトー、レアル・マドリードで不遇の時を過ごしていた天才ウェズレイ・スナイデルらと共に、異才ジョゼ・モウリーニョ監督率いるインテルへとやってきた彼は、移籍初年度から絶対的ストライカーとして前線に君臨した。前年のズラタン頼みの攻撃を改訂すべく、エトーと組んだ2トップは、トップ下のスナイデルや右サイドバックのマイコンと併せて世界最高レベルの破壊力を誇った。セリエAでは後半でASローマに迫られたものの、セリエA5連覇を達成。彼自身もチーム最多の22得点を上げた。またずば抜けた勝負強さも発揮し、チャンピオンズリーグではベスト16のチェルシー戦、準々決勝のCSKAモスクワ戦、準決勝でのバルセロナ戦、更に決勝バイエルン・ミュンヘン戦でもことごとく得点を決め、インテルを45年ぶりとなるビックイヤー獲得へ導いた。その年コッパ・イタリアまでも制したインテルは、イタリアクラブでは初となるトレブルを達成。約45年ぶりとなるグランデ・インテルの復活とも言われた。客観的に見て“新グランデ・インテル”のエースは才能あふれるエトーやスナイデルであり、技術力が彼らより劣るミリトであったと答える人間は恐らく少ないだろうが、前線のディエゴ・ミリトというタレントなくして、インテルのトレブル獲得は間違いなくありえなかった。


 現在、2009‐10シーズンよりインテルに残る選手は決して多くはない。ハビエル・サネッティ、エステバン・カンビアッソというインテルの象徴的な存在以外では、既にワルテル・サムエルとマクドナルド・マリガ、ディエゴ・ミリトのみとなってしまっている。実際サムエルもカンビアッソとは在籍年数が1年しか違わず、マリガもレンタルを繰り返しインテルでの実績は皆無に近いため、実質グランデ・インテル直前での加入はミリトのみだ。既に34歳を迎えたベテランが、長くインテルにいるということが、いかに彼がインテルにとって重要で、インテルに貢献してきた選手であるかということを物語っている。


 そんな彼が危機に瀕したのが昨シーズンだ。リーグ中盤戦も怪我により欠場が続いた彼であったが、復帰後2戦目となった2月14日、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦CFRクルージュ戦で左膝の靭帯を損傷し、半年にも及ぶ長期離脱を余儀なくされた。その後ミリトという絶対的エースストライカーを失ったインテルは、急失速。結果としてセリエA9位まで転落。そこにはグランデ・インテルの面影はなかった。


 当時33歳という年齢もあり、引退説も囁かれた彼であったが、全てのインテリスタは彼の“復帰”に疑いを持たなかっただろう。彼のように得点感覚の優れたストライカーは、晩年になってもその能力が大きく衰えることはない。何といっても彼がインテルに必要不可欠な選手であるということは、インテリスタが最もよく分かっている。しかし当然の事ながら全てのインテリスタは彼の早期復帰を望みながら、怪我の具合を気にかけ、彼に対する心配が尽きなかった。それがようやく解消されたのが、先日のサッスオーロ戦であった。インテルとサッスオーロの実力差、4点差という彼に負担を与えない点差ということもあり、その時は後半開始早々の9分に訪れた。交代ボードにはインテルの22番の数字。インテリスタの拍手喝采を浴びながら、彼は左足からピッチ上へと舞い戻った。そして更にインテリスタの待ち望んだ瞬間は、復帰から僅か10分後に訪れた。リカルド・アルバレスの右からのグラウンダーのクロスに、中で合わせたのがディエゴ・ミリトであった。なんともミリトらしい、ディフェンスの裏からニアサイドに走り込み、難しいシュートとは言わないが、非常に上手く合わせてた得点であった。決まった瞬間には全てのチームメイトが彼のもとに駆け寄り、マッザーリ監督は普段見せないような柔らかい笑顔と拍手で、モラッティ会長もスタンディングと笑顔と拍手で、もちろん全てのインテリスタも等しく彼を祝福した。この瞬間だけで、彼がいかに愛されている人間であるかが見て取れた。マッザーリ監督は試合後のインタビューで珍しく「感動した」という表現を使ったが、私個人としても、久しぶりにサッカーで涙を流しそうになるほど、彼の復帰と得点には感動した。


その後彼は追加点も決め、復帰戦でドッピエッタという素晴らしい結果を残した。現在インテルにはパラシオという前線の中心的選手が存在するが、ミリトの持ち味と能力は、彼とは似て非なるものだ。新グランデ・インテルのエースストライカー、ディエゴ・ミリト。彼の復帰を、全てのインテリスタは心から喜んでいる。彼が復帰前と変わらぬ得点能力を見せる事が出来るのであれば、インテルはスクデット奪還にまた一歩近づく事が出来るだろう。イタリアには基本的にはそういう表現がないようので、日本語で彼に伝えたい。


「おかえり、ディエゴ!」