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インテリスタのブログ

サッカーについて勝手な事を書いています。
あくまで自己満足であり、個人の見解であることをご了承ください。

日本代表ザッケローニ監督は現在、3バックを使用可能な戦術とできるように改良を進めている。現状で言えば数回試した3バックは思ったような成果は残せておらず、国内でも悲観的な意見が多々ある。私個人としては3バックという戦術は嫌いな戦術ではないが、勿論現在の日本代表の3バックが世界に通用するとは思っていない。

 3バックが古い戦術だという意見もなくはないようだが、そもそも戦術に古いも新しいもない。問題は監督が意図する戦術を選手がピッチで体現し、勝利することだ。プレッシングだろうがリトリートだろうが、チームコンセプトを全体が理解、体現し、勝利することができれば、両方とも正しい戦術ということになる。

 日本国内において3バックという戦術は多くは見られず、4バックが主流だが、戦術大国イタリアにおいては、ユベントス、インテルをはじめ、現在3バックを主戦術とするクラブも多く存在する。CBを3枚使用する3バックだが、前述した2チームの3バックは非常に攻撃的だ。基本はプレッシングサッカーであり、ディフェンスラインは高く保つ。機を見て1枚が攻撃参加することも決して珍しいことではない。

 戦術好きが多いセリエAの監督が3バックを使用する大きな理由のひとつは、攻守において数的優位を作り易い点だ。3バックはサイドの幅を広く取りやすく、中盤で数的優位を作りやすい。説明を詳しくし出すとキリがないため詳細は省略するが、単純にサイド攻撃の質と量は向上する。3バックがウィングバック裏のカバーが確実に可能であり、ウィングバックは高い位置で幅を取りやすい。ユベントスがそのいい例だ。

 しかし、4バックに比べてと言うと語弊があるが、攻撃的な3バックというものは非常に複雑で難しい。サイドを広くカバーするウィングバックには走力と攻守に貢献できる能力が必要であり、3CBには戦術的柔軟性、理解力、更に技術力も必要不可欠な能力の一つとなってくる。守備的な3バックならば、5バック気味になることが当然であり、それ程複雑ではないだろうが、セリエAのクラブが体現している3バックは非常に戦術的だ。ザッケローニ監督が代表に求めているのもその攻撃的な3バックだろう。

 個人的な意見としては、日本代表選手の能力と質を見れば、3バックは理にかなっていないということはないと思う。客観的に見て、現在日本のストロングポイントは両サイドであり、左の長友はもちろんだが、内田篤人も現在はドイツでも有数の右サイドバックだ。酒井高徳も守備の負担が減れば今まで以上の活躍が期待できるだろう。このサイドを活かせるという点は3バックの利点だ。また現在失点数が圧倒的に多い代表にあり、単純にCBを3人使用することで失点数が減れば儲けものだ。ピッチを広く使い、数的優位を作りながら攻めることができれば、日本の特徴を活かしたフォーメンションとなる可能性もあるだろう。

 だがやはり、現状で日本の3バックが世界相手に通用するのかと言われれば、それはまずありえない。まず3バックを経験している日本人が少ないということが問題だ。3バックと4バックというのは、見た目以上に大きく違うフォーメーションだ。CBとしてはアタックに行くべき場面も違えば、自分がカバーすべきスペースも違ってくる。前線を2トップから3トップにすることとは訳が違う。毎日練習を共にするクラブとは違い、代表は数週間、数ヶ月に1度しか集まらない。クラブで4バックをプレーしているディフェンス陣に、代表では3バックを頑張ってくださいというのは、非常に難しい話だ。イタリア代表も最近はユベントスのディフェンス陣に併せて、3バックを採用する試合が増え ている。更に今回のザッケローニ監督は、トルシエ監督のように初期から3バックを指導した訳ではなく、3バックを実践で試すようになったのはつい最近の事だ。やはりすぐに実践で結果を出せというのは難しいだろう。スピードがあるわけではない吉田麻也が3バックにむいているとも思わない。

 また攻撃に関しても、サイドの長友はやりやすいだろうが、CBを3枚にするということは、単純に前線を1枚減らさなければならないということだ。本田、香川、柿谷、岡崎。現状では外れるのは岡崎か柿谷だろうが、どちらを外しても得点力低下の心配が残る。とはいえ岡崎を右サイドに入れることはありえない。3バックのウィングバックと4バックのサイドハーフでは求められる役割が全く違い、ウィングバックでは間違いなく岡崎の良さは活きない。守備面を考えれば、誰が入るにせよCMFは、長谷部、遠藤、細貝、山口螢を中心に2人は必要だ。香川、本田をボランチに移すことも考えづらいし、避けるべきだと考える。

 3バックと4バックという戦術は、単にCBの枚数を増やすだけではない違いがある。大きなチームコンセプトは変わらなくとも、普段クラブで4バックをやっているCBが急に3バックへと移行することはそれほど簡単な事ではない。高いレベルの戦いになればなるほど、ディティールが重要となってくる。世界的なCBになれば話は別なのかもしれないが、日本のCBは決して世界的なレベルではない。

3バックというフォーメーションは決して時代遅れでも、日本にむいていないフォーメーションでもないと思う。しかし現実的な見方をすれば、不慣れな3バックで世界と戦うことは難しいと言わざるを得ないだろう。ザッケローニ監督が3バックを試したいという気持ちは分かるが、やはり現状で日本代表3バックはオプションの域を出ていないだろう。W杯まであと1年。この欧州遠征でザッケローニ監督がどこまで3バックの質を上げることが出来るか、注目したい。