現在、ベストセラーになっている
「人新世の資本論」をやっと
読み終わりました。
「やっと」というのは、読了まで
ほぼ3ヶ月かかったからです。
つまらなかったからではありません。
つまらないと思ったら最後まで
読みませんから。
なかなか深い内容の本なので、さらっと
読み飛ばすことができなかったのです。
さらに…これ、私の習癖なのですが、
興味のある人物が出てくると、
すぐに生年月日を調べて、チャートを
作り、「ふむふむ…」などと、そちらに
没頭してしまうのです。今回も、
マルクスや著者の斎藤幸平氏などの
チャートを作ったり、20世紀の歴史を
振り返ったり、色々と横道に逸れて
しまいました。
で、結論から言えば：
「総論賛成、各論疑問」という
感じです。
「総論」とは著者が掲げている
「資本主義に未来はない」というテーマ
です。じゃあ、「社会主義なのか」いや
それも違います。その点はマルクスが
誤解されている部分なのですが、
マルクスは「資本論」を書いた後、
「その先」を考えていたのです。
それがこの本のテーマである
「人新世」です。
「人新世」とは「脱資本主義」であり
「脱成長」であり、また「生産力至上主義」
の否定なのです。
なぜ、変わる必要があるか？
それは、私たちの文明は今や「気候変動」
や「感染症」という共通の課題を突きつけ
られているからです。このままでは
人類が滅びる…との認識です。
イメージとして一番近いのはピケティの
言っている「参加型社会主義」でしょう。
つまり政府や官僚が主導するのではない
それぞれの意志が尊重される社会。
そのような社会では「労働のあり方」が
抜本的に変わるはずです。
著者はこの構想を以下の五点に
まとめています。
①使用価値経済への転換
②労働時間の短縮
③画一的な分業の廃止
④生産過程の民主化
⑤エッセンシャル・ワークの重視」
この中でも特に⑤は興味を
惹かれます。つまり「オートメーション化」や
「AI化」が難しい「労働集約型」が
今後、重要になると指摘しているからです。
具体的には「ケア労働」。つまり
介護や看護などサービスの質が
問われる労働は機械化が困難である分、
価値があると言うことです。
一方では、現在高給を取っているが、
無意味な「ブルシット・ジョブ（クソ
くだらない仕事）」というものも
存在すると指摘しています。
その中にはマーケティングや広告、
コンサルティング、金融業、保険業など
、一見、重要そうに見えているが実は
社会の再生産そのものには、ほとんど
役立っていない職種が含まれると
指摘しています。
さて、ここまでは私が「なるほど」と
思った部分ですが。最大の問題は
「どうやって変えていくか？」です。
この本の中ではバルセロナなどの例を
挙げながら「グローバルな意識改革が
進めば、資本の力は抑制され、
民主主義は刷新され、脱炭素社会も
実現されるに違いない」と書かれて
いますが、この本が出版されたのは
2020年9月22日。それから1年。まだ
感染症収束の出口が見えず…
と言うか、これが「バイオ・テロ」
であるとの認識、著者には多分ない？
のかも知れませんが…。
私が思うに：
これは「1％ VS 99％」の戦い
ではなく、1%のなかのさらに0.1%が
仕組んだ史上最大のテロであり
詐欺事件である…なんていうことを、
たとえ、著者がわかっていたとしても
それを書いた時点で即「陰謀論：
オカルト」扱いされて一般書籍の
棚からは外され、ベストセラーなんか
ムリですからね。
誰がやったか？それはすぐには…
もしかすると永遠にわからないでしょう。
一つ言えることは長者番付に出ている
ような1%の雑魚ではないことは確かです。
まあ、いずれにしても、私はこの
本をオススメします。現在の人類の
問題点を認識するために読んでおいて
損はない。このような本が売れる
時代…もしかしたら、変化の
兆しかも知れないと期待しています。
そして、この著者：
斎藤幸平氏にも期待します。
1987年1月31日生まれの水瓶座です。
以下のyoutube、斎藤氏の考え方が
わかりやすく表現されているので、
オススメです。
https://www.youtube.com/watch?v=i64CnvOvqHY
https://www.youtube.com/watch?v=RRLv1-ol_8g
この対談も面白い
https://news.yahoo.co.jp/articles/89e61c2ad2253f41fc48ff72df6881e6858786cc?page=1