先日、家でトマトソースを作っていて
思い出しました。
私に料理の基本を教えてくれた
増田チーフのことを。
1979年11月、私は六本木にパブを
オープンしました。
バーの中で
キッカケはその2年前。サンフランシスコで
ふらりと入った店でアイディアが閃いたのです。
そのパブはものすごくカジュアルな雰囲気で
店内の大型ビデオプロジェクターで
ロックのライブ・フィルムをガンガン流しているような
ブッ飛んだ感じの店でした。
「これ、東京でやってみたい！」と思ったのです。
で、念願叶ってオープンしたのですが…弱点もありました。
それはアルバイトに任せた料理がショボかったこと。
店がオープンして半年ほど経ったある日、増田チーフが
飲みに来ました。増田チーフは私の父が横浜で始めた
イタリアン・レストランのチーフだった人で、
その後、母が引き継いだ銀座店、赤坂店でも
チーフを務めたベテランシェフです。
元々は英国大使館の厨房で修業しただけに
洋食の基本は筋金入りでした。
その時、チーフ曰く「いい店だけど料理がダメですね。
来月から私が手伝いましょう。月に15万でいいです」
「え！15万？たったのそれだけで？」と私が驚くと、
「大丈夫。昼間の仕事もありますから。午後6時から
11時までは私に任せてください」と商談はイッキに成立。
その翌月からチーフの作るピザやパスタ、サラダは大好評で、
売り上げもグングン伸びたのです。
ダーツ・ティーム優勝記念
しかし不安もありました。チーフも人間ですから休みます。
日祭日も正月休みやお盆休みの時も店は無休で
営業していますから、その時に料理の質が落ちては困る。
アルバイトに教えても辞められたら終わり。
そこで、私が全部覚えることにしたのです。
それからは修行の日々。ブイヨン、トマトソース、
ベシャメルソース、デミグラスソース、
ピザの生地などの基本をシッカリと学びました。
自分がオーナーであると同時に見習いであるという
微妙なポジションでしたが、三か月ほどでひと通り
こなせるようになったのです。
店の入り口にて
チーフから学んだのは料理の技術だけではありませんでした。
素材をムダにしない考え方、たとえばキャベツの芯や
パセリの茎なども捨てないでブイヨンのダシにする。
また、店が混んで来るとオーダーが殺到してキッチンは
戦場のようになりますが、チーフは落ち着いて段取りを
組み立て、粛々とこなしていく。
まあ、大日本帝国陸軍の一兵卒として本当の戦場を
経験した人でしたから
「キッチンが戦場だって？笑わせるんじゃないよ！」
と言われそうですけど。
1991年、私が店を売却した後、チーフは藤沢の方で
店を任されて一度食べに行ったのですが、その後、
その店もなくなり、数年後連絡した時はもう転居先不明
になっていました。
存命ならば98歳ですが、いずれにしてもチーフに対する
私の感謝の気持ちは永遠です。
そうそう、思い出した。チーフは山羊座でしたね。
では、来週の予定をお知らせしましょう。
★3月19日（月）
原宿ウラタケ占い館：タリム
11:00～20:00
℡ 03－3497－5825
http://www.uranai-tarim.jp/
★3月20日（火）
原宿ウラタケ占い館：タリム
11:00～20:00
℡ 03－3497－5825
http://www.uranai-tarim.jp/
★3月25日（日）イベントに出ます！
★銀座：ナチュラ
12：00～18：00
Natura(ナチュラ)～癒しイベント
場所：銀座 Salon de G
●詳細はこちら：
https://www.facebook.com/events/389264668145758/
または：
http://www.natura.tokyo/
世界は猛スピードで動いています。
こんな時、大事なのは
グラウンディング。
呼吸に意識を集中して、
渦に巻き込まれないように、
やるべきことの優先順位を
シッカリ見極めて、
粛々と進んで行きましょう。