韓国人との出会いと、牛事件 | ネパールの手帖

ネパールの手帖

平成22年6月から2年間、ネパールでソーシャルワーカーをしてきました。「ネパール日和」から「東京日和」へ。東京の空の下、ネパールで感じたことを思い出して記していきます。

首都、カトマンドゥに来ました。

朝7時、いつものバスを待っていると、
「今日はバスは出ないよ。エンジントラブルだ。」
「えーーー、明日は健康診断があるから絶対帰らないといけないのに!」
「次のバスを待って」
次のバスはすでに予約でいっぱい。つまりはバスの上か、8時間たちっぱなし・・・。そんな・・・地獄だ。。。

すると、アジア人らしいツーリストバスが・・・
「カリシート チャ?マ ジャパニフン。ツーリストホイナソワヤンセバック ホ!」
(空き席ありますか?私は日本人で、旅行者ではなくボランティアです)
はじめは、「ない!ない!」の一点張りでしたが、一人の男性が「JICAって韓国で言うKICA?」と聞いてきました。韓国人集団だったのです。
「そうそう!KICAと一緒に活動したりもしてる、仲良しだよ!KICAにも友達いるよ!」と積極アピール。

すると、彼らは韓国のソウル大学医学部(日本の東大のような大学)のボランティアで、昨日まで5日間ドゥンチェに来て調査と診療をしていたとのこと。私の存在をドゥンチェで聞きコンタクトを取りたかったというのです。

快く、「乗りなさい乗りなさい。」とツーリストバスに乗せててくれた上に、ラスワ郡にはこれから支援が必要だということを熱く語ってくれました。私は今一人で頑張っているが、限度があること、お金がないことなどを訴えました。彼らは、次回11月位にまた来る予定だったそうですが、私があと1年半ドゥンチェで活動することを話すと「2月あたりにもチームを組んで来ます。必要なものがあれば寄付しますので考えておいてください」と力強い言葉をいただけました。私が一人で頑張っても出来ないことが、彼らの力を借りれば行けない場所にも巡回できる。こんな出会いで勇気をもらえ、励ましてもらい、日韓のつながりを感じたのでした。

はたして、これが逆の立場だったら・・・
韓国人ボランティアを車に乗せるでしょうか?きっと乗せるよ。韓国もつい最近まで支援されていた国。しかし、彼らは今、支援する国となって頑張っている。「一緒にがんばろうね。」と韓国語で言えるようにしなきゃな。

そんな、すてきな出会いにも事件が!!
なぜが、バスが足止め。
「どうしたの?」と聞くと、
「昨日ドゥンチェの手前で牛が車に引き殺されたから犯人を探してる」
というのです。
状況が読めない韓国の方々。。。
これはですね、
ヒンドゥの国ネパールでは、牛はお母さんの神様なのです。
法律でも牛を殺してはいけないことになっています。
つまり、牛を引き殺したのは、人間を引き殺したのと同じなのです。
バスの運転手、1時間半の事情聴取の末、加害者ではないと認められ、釈放。
そんな、足止めをくらったのでした。

土砂の影響で、バスがストックしたため、歩く羽目になった韓国の皆さま。

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