モーツァルトピアノコンチェルト愛好家S氏と共に

2回目の日帰り房総ドライブを決行。

行き当たりばったりの道路進行で、勝浦海岸に抜ける道すがらS氏より『そうだ、前方左折して久留里城へ寄ってみよう』と。

 

 

駐車場から天守閣に至る急勾配に次ぐ急勾配の連続で弱りに弱っている六十代中盤を過ぎた老体二人にはシンドイにも程がある

が、平日誰もいなく見事な絶景ポイントがいくつも散見された。 誰もいない風景、道路ってとこが最重要ポイント

鬱蒼とした息がつけぬ憎悪の対象以上何物でもない人混み連鎖、寸分隙なきクルマ、クルマの車列の視覚、気配から完全に解放される時を持つ。

勝浦海岸先端八幡岬にも人がいないことに無上の心地よさを。

 

 

 

 

USBに入曲順がちょうど、アンダでもペライアでも内田光子でもなくアシュケナージでもない偶然アンドラーシュシフのピアノコンチェルト全集に差し掛かっているところだった

このドライブ中ずーっと、このモーツァルト研究家石井宏氏絶賛の録音が車中流れている

全曲じゃないが一部、ホリガー、ニコレ等クラリネット、バスーン、ホルンを加えた管楽器世界最高峰の手練れがザルツブルグ・モーツァルテウム管に交じってパートを吹いている。聴いていて、あまりのその上手さに即その異変に気づく。ちょっとあるパッセージにおいてはオーボエ、フルート等にピアノを加えた三重、四重協奏曲に聴こえてしまうほど。

さらにモーツァルト演奏において究極の演奏家シャンドール・ヴェーグが全体を締めるタクト故、神技につぐ神技が連続する模様を体感する。

同行のS氏は殊の外ハスキル/フリッチャイ盤を好んでいるので、多少の違和感は拭えぬとのたまっておられたが(笑)。