カナダ国籍ジェームス・エーネスのバッハ無伴奏ヴァイオリンソナタ&パルティータ2CD

新宿ディスクユニオンにて購入

カナダの天才ヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネス!
ロックダウン中に自宅で録音・配信された「ロックダウン・プロジェクト」第2弾!
イザイに続き、バッハの無伴奏ソナタ&パルティータが登場!


「地球上に存在する完璧なヴァイオリニストの1人」(英デイリー・テレグラフ紙)など圧倒的評価を受け、2019年の第61回グラミー賞ではアーロン・ジェイ・カーニスのヴァイオリン協奏曲(ONYX4189)で見事「最優秀器楽賞」を受賞したカナダのヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネス。
エーネスはCOVID-19によるロックダウンに見舞われた2020年の3月に、自らオンライン・コンサートの企画を立ち上げ、「Recitals from Home」と題してバッハとイザイの6つの無伴奏ヴァイオリン作品を順に公開していきました。
レコード芸術「特選盤」やグラモフォン誌「エディターズ・チョイス」に選ばれたイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ集(PONYX4198/ONYX4198)に続き、ついにバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータもCDで登場!
エーネスのバッハ無伴奏と言えば、1999年~2000年に録音された名盤(AN28772-3)が近年は入手困難となっていただけに、2度目となる「聖典」のレコーディングは待望のリリースとなります。
エーネスは長年にわたってこの傑作を演奏しており、解釈も年々変化しているとのこと。最初の録音から20年超が経ち、現在は絶頂期にあるといいます。繊細で思慮深く、息をのむような技術力と大きな感受性を兼ね備えた素晴しいバッハを、1715年製のストラディヴァリウス "ex-Marsick"でお贈りします。
3月の時点では自宅にレコーディングの機材もノウハウもまったくなかったというエーネスが、世界中のレコーディング関係者や友人の助けを借りながら機材を揃え、リビングルームをレコーディング・スタジオへと変えて、ノイズを避けるためにすべて早朝に録音したというこだわりのプロジェクトにご期待ください。(輸入元情報)

【収録情報】
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ BWV.1001-1006(全曲)

● ソナタ第1番ト短調 BWV.1001
● パルティータ第1番ロ短調 BWV.1002
● ソナタ第2番イ短調 BWV.1003
● パルティータ第2番ニ短調 BWV.1004
● ソナタ第3番ハ長調 BWV.1005
● パルティータ第3番ホ長調 BWV.1006

ジェームズ・エーネス(ヴァイオリン)

録音時期:2020年(フロリダ、アメリカ)
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

輸入・販売:株式会社東京エムプラス

エーネスによるバッハの無伴奏再録音盤は、シェリングやミルシテインに代表されるモダン楽器・奏法による演奏の、一つの頂点と言えるのではないだろうか。特に重音の安定感は、これ以上を求められないのではと思わせる圧倒的な完成度である。精緻な音程による純度の高い音色、ヴィブラートと弓圧の使い分けを駆使した多彩な表情が、端正なテンポの中に織り込まれている。また、楽章間の「間」にも変化があり、セッション録音でありながらライヴのような勢いも兼ね備えていて、聴く者を引き付ける。エーネスが自身で行った録音は、控え目な残響で細かな息づかいが伝わる明瞭かつ潤いのあるもので、極上の音質である。コロナ禍にあって、演奏家は様々な困難に直面していると察するが、その状況をも生かして、このような素晴らしい録音が世に出されたことを大いに讃えたい。

 

以上hmv参照記事を張り付け

 

無伴奏チェロ同様何セットめの購入?!

1977年大学入学2年目の夏だったかモノーラル:シゲティ盤を皮切りに次ぐ五木寛之ライナー帯に釣られ前橋汀子盤購入。続いてシェリング、ミルシテイン、ズスケ、グリュミオー、アッカルド、カントロフ、スーク、千住真理子、五嶋みどりなど購入もしくはNHK-fmやyotube等流し聞き確認は断続的に続くも、どれも確信的に刺さらず・・・・・当時の青臭い虚無的な意識に囚われてのすべてスルー、処分に次ぐ処分。

 

 

購入して熟聴を続けホントに駄目だと思ったのはギドン・クレーメル旧盤、チョンキョンファの1974旧録(2番パルティータ3盤ソナタ)

クレーメルは新旧共モーツァルトでもバッハの協奏曲にしてかねてより何か様々な評者が褒めるわりにピッタリ、しっくり来た試しがない。

時を経-2017年抗がん剤治療の副作用時に発症した胆管炎で生死をさ迷う中、ベッドに縛り付けられたままどういう訳か無性にヴァイオリンの生音に圧倒されまくりのシベリウス/コンチェルトと合わせ、堀米ゆず子2015全曲録音に心ゆすぶられるも病が癒えるとともに収録の残響音の多さが気になり即転処分。

ジャケ買いでもしてしまいそうになる未聴イブラギモヴァのモノクロ装丁ジャケ写に心惹かれるやも

試し聴きも無い大嫌い!チョン・キョンファ2016ワーナー全曲盤や殊更その容姿のみフューチャリングされがち諏訪内晶子の新録等(やたらDU中古棚にぎっしりひしめいていた)

「好録音探求」サイトを閲覧するとまぁこれでもか!というほど膨大量の録音が女流邦人演奏家を中心に猫も杓子も状態乱立に呆れるというか驚く。(いち時期ブラームス、ショスタココンチェルトその他で耳を傾けていたムローヴァ、ヴァティアシュヴィリ、ハーンはこの無伴奏に関して各盤未聴のままだし今後も聴く機会が訪れる事も無いだろう)

 

1977年三百人劇場企画ATG映画の全貌にて実相寺昭雄の1970モノクロ作品「無常」を初見

全篇に響きわたるサウンドトラックがバッハの無伴奏ヴァイオリンパルティータ

仰々しい姉弟相姦なるプロローグに今となっては安手の忌まわしいオ馬鹿AV宜しく苦笑するしかないのだが、古風さを気取るが如き生々しさを誇張する?性描写とコントラストを強調したモノクロ映像の刷り込みは部分的にせよ、ちょっと暴力的ないし、かなりの興覚め、私見だがこの曲のイメージを捻じ曲げてしまう傾向が。

同じくATG1976中平康メガホン/五木寛之原作/麻生れいこ主演『変奏曲』でも使用された無伴奏チェロ5番のプレリュードの扱い方や1966三島由紀夫本人演出・主演『憂国』のサウンドトラックとしてのトリスタン前奏曲導入のような完全失敗事例とも符合していなくもない。

この時代1965年当時に今の私が居合わせれば三島本人に学生思い出卒業8ミリじゃあるまいし、付け焼刃のセットを背景にした映像と甲高い耳障りな女性の声質とサウンドトラックとしてのワーグナーが乖離してしまっとるエセもの創りはイイ加減にしてちゃんとしたもの?を撮り直した上での割腹を考えろ!と言ってやりたいなぁ・・・・・

昭和文学界のイチ時代を席巻、事件前年`69安田講堂にて唯ひとり東大全共闘に対峙する寵児の残した映像としてはつくづく情けないと感じたものだ。

いずれにしてもバッハの無伴奏ヴァイオリンといえばこの濃厚ヴィジュアル『無常』が脳裏をかすめるのはホンに困ったもの。

「別に人間は生きる必要はない!人類は存続すべきという妄念に囚われ過ぎている?!」

「古代インドでは最高の行は息をしないこととして、高山に窒息死体がゴロゴロしていたそうですね!」

魚眼レンズを操る実相寺カメラに加え田村亮のニヒルに満ちる狂気じみたセリフが終盤飛び交いヴァイオリン1本の旋律とこの映像が交錯。

アナーキーなニヒリズムが相対化されぬただただモダニズムの洪水との『無常』から連なる3部作モロトモ切って捨てられる揶揄が当時の雑誌『映画批評』等で一部成されていた。

書棚にある岩波文庫での理解不能なハイデガーだのカントの純粋理性批判だのキルケゴールの実在論、石川啄木の女郎通いの項目情報など私は私で和洋取混ぜ読書生活に徐々にありがちな混乱を来していた。

いかに金銭欲、権力慾が満たされんとしても、芸術衝動が完成されているような気になってはいてもそれはただの「勘違い」でしかなく、残念ながらこの矛盾を抱きつついずれ消えてゆかねばならない人間存在の宿命付けがなされている諦念と合一するってわけだ。

 

実相寺は1965年より円谷ウルトラℚ、ウルトラマン制作にかかわりシルバー仮面と平行し六十年安保に前後する松竹時代‐大島渚の今視ても眩しい咥え煙草の炎加代子演じる『太陽の墓場』で共同脚本ーフルトヴェングラーのワーグナーに肩入れする放送作家石堂淑朗とATG3部作-2部は1971『曼陀羅』にて冬木透のパイプオルガン、3部1972『哥(うた)』にてヴィヴァルディをその映像に落とし込む。

ウィキペディアには1981カラヤンとの音楽映像制作工程に関するディスカッション、後年朝比奈隆のコンサート映像制作とある。

 

 

 

 

※購入にあたり参考にさせていただいたサイト

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ聴き比べ2 (toshima.ne.jp)

J.S.バッハ無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータCD聞き比べ-独断ランキング (fc2.com)

バッハ:無伴奏ヴァイオリン | 好録音探求 (fc2.com)

The melody at night, with you ジェームズ・エーネス/バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲再録音 (fc2.com)