17日は、赤坂にあるサントリーホールで開催された
黄檗売茶（おうばくばいさ）流の煎茶会へ。
会場には、落ち葉が敷かれ、ホールの中にいながら
自然を感じる美しい演出。
サラウンドの音響は、大自然の中にいるような迫力。
雨音、雷、風・・・鳥のさえずり
まるでその中にいるような感覚。
黄檗売茶流は、お抹茶ではなくお煎茶の流派です。
仏教の中で日本に三派ある禅宗のうち、
黄檗宗の流れを汲むお茶の流派です。
いただいたお煎茶は、お出汁かと思うほどの旨味。
そして、お家元のお話。
こちらの流派は、正座もしなくてもいいし、
お洋服でもいいのです。
なかなか敷居の高い茶道の世界を
もっと気軽に楽しめます。
その最初の一歩を開いたのがこちらの家元 中澤弘幸 宗匠。71歳。
おそらく、それって茶道の世界では
「とんでもないこと」だったのではないかとおもいます。
それを実行したところには伝統への思いがあることをお話してくださいました。
【伝承と伝統】
伝承は、そのまま形を変えずに受け継いでいくことで
伝統は、時代にあわせて形を変えて受け継いでいくことである
と伝承と伝統の定義づけをされていました。
正座をやめた理由には
WHOの基準で膝の故障の完治の基準が90度曲がることであるということ、
日本人の正座は世界から見ると曲芸になるということ、
そして、世界には正座が日本以外にもあるけれど
日本以外では正座は拷問の姿勢であることを知ったことからだそうです。
さらにこちらの流派はお着物でなくてもよいというところも
素晴らしいなと思うところ。
もちろん、お着物も素晴らしいのですが
もはや、日本人も着物、正座とは離れた生活の方がほとんどです。
イスと洋服を採用されたことで
海外の文化の方にもお茶を楽しんでもらえます。
わたしの着用するお洋服は、
お着物の裂き織。
着物のエネルギー、良さを残したまま
気軽に着ることができます。
まさしく伝統を伝える服として息を吹き返した着物です。
◇◇◇
わたしも以前より、伝統と文化の大切さを伝えてきました。
なぜ？伝統や文化を大切にする必要があるのか？
それは、人間の「尊厳」をつくるものだからです。
わたしたちの根っこは、自分の生まれた国の伝統と文化に基づき、
この地球に根をおろしています。
宇宙意識に目覚めれば目覚めるほど
伝統とつながります。
それは、「真理」に基づくものだからです。
自分の生い立ちとは、自分の命のことだけではありません。
脈々と受け継がれてきている命への敬意は
自分自身への尊厳をつくります。
縄文では、墓はムラの真ん中にありました。
それは、先人への敬意です。
そこから命のパワーをもらうことを知っていたのです。
いつからか、墓、死はムラの外へ追いやられ、
わたしたちは少しずつ命への敬意を失っていきました。
そして、戦争をきっかけにわたしたちは伝統、文化を手放し
民族レベルの根っこを失いました。
わたしたちは、先人への敬意、文化、伝統を失うと
次世代のこどもたちへ受け継ぐことがわからなくなってしまいます。
根っこを失い、
命のマネジメントを失うのです。
同時にこれは、民族レベルだけではありません。
個人も自分が誰であったか
どこへ行くのかわからなくなってしまうのです。
命への敬意は自分への尊厳をもたらし、
命の秩序をもたらします。
それは、12星座のプロセスの
しし座→おとめ座のプロセスです。
お家元のお話にも「真理は秩序をもたらす」というお話もありました。
秩序は、平和、調和につながります。
悦に生きること、
自分の好きなことをして生きることは
我侭とは違います。
そこには、自分の生への「責任」があり、
そのことが秩序を生むのです。
我侭であることは自分の生への責任はありません。
わたしたちは、真実の自分にしか責任がとれません。
そのうえで人生を自由に楽しむこと、創造することができます。
お家元は、世界の問題はすべてエネルギーの問題であるということも
お話くださいました。
そして、このエネルギー問題を
誰も傷つけることなく解決するのが「文化」であると。
新しい時代が開く
さそり座の新月を迎えるにあたり
あまりにもピッタリなお話で驚きました。
そして、この話が真理（ホンモノ）なら残るはずだから
どんどん叩いて、検証してくれと。
それも実にさそり座のお話。
そして、お家元の講和が終わり、あいさつにまわられて
わたしの目の前に立ち、急にお話を。
「すべてのこどもたちが
この世界に生まれてきたことを良かったと思える世の中が本当だろ？
その世の中をつくることは、大人の責任だ。」
お家元は、世界に孤児院をいくつも作っています。
みなさまのお話に聞いたところによると
戦後、家元のお父様が自分にできることは何かと孤児院を作られ、
自分のこどもたち（家元）もその孤児院で他のお子さんと同じように
育てられたとのこと。
わたしは、生まれて間もなくから里子としていろいろな家を渡り歩きました。
お家元がわたしの前に立ち、お話をされる間
里家でさまざまな境遇のこどもさんたちと一緒に過ごした日々が
走馬燈のように思い出されました。
みんな、いつも自分の人生をあきらめていました。
包丁を持ち出して、生きている意味がないと
手首を切ろうとするということもしょっちゅうでした。
𠮟咤激励するわたしは
うざがられ(笑)ました。
そのとき、口で言ってもだめなことを感じ、
自分の人生で証明するしかないと思ったのです。
「わたしたちは幸せであること」を。
どんな境遇に生まれても笑顔と希望があること。
幸せだということ。
わたしたちは、だれにも同情されなくていい、
人間としての尊厳があること。
わたしたちを不幸だという
そのレッテルや常識に自分の尊厳を譲らない。
わたしたちは、夢を実現できること。
わたしたちは、生きる力を全員が持ってる。
そのことを知ってほしい。
それを自分の人生で証明しようと
生きてきたことを思い出しました。
そのころの思いが、お家元のお話で
今ここに結ばれたことを感じました。
どんなに短い時間の滞在でも
どんなにひどいように見える境遇でも
すべての人は祝福されてこの地球に誕生したことを
今は、心から実感しています。
さそり座新月を迎えるにあたり、
今一度おもいます。
もしも愛という言葉を使うのであれば
すべては愛だということ。
それは、いのちそのもの。
わたしたちは、いのちの原点におりたつと
自然と真理を生きるようになる。
そして、それは、1000年2000年
持続可能な循環をしながら、創造性のある世界が調和とともに実現する根っこになる。
それぞれの真実を生きることが
世界の調和になる。
いま、わたしたちは
その新しい時代の幕開けにいます。
この暑苦しいぐらいの理想と情熱のもとに
これからも、やっていくことを
さそり座新月にあらためて思うのです。
煎茶会 パンフレットの言葉から
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三千年の天変地異に耐えた後、
幻の花が咲くといわれる
曇華峰。
天より甘露の滴が落ち、
その花びらが開く時、
如来が現れ末法の世の
終わりを告げる。
誰もが憧れ待ちわびる、
幻の峰の優曇華の花。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
お家元と。
◇◇◇
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