1805年以降だけで16回の噴火が記録されている草津白根山。




これまで、主に水蒸気爆発による噴火を繰り返しています。


1932(昭和7)年は水蒸気噴火の規模が小さかったにも関わらず、
死者2名を出しています。

1976(昭和51)年は3月2日に水釜北東部で水蒸気爆発により小噴火。

その後、静穏化したため、警戒レベルが引下げられ、立ち入り禁止等も解除されました、

そして迎えた夏山シーズンの同年8月3 日、

本白根山白根沢(弁天沢)付近で、

滞留火山ガスにより登山者3名が亡くなっています




自然が相手なので、甘く見てはいけません。

早めの警戒レベル引き上げによる立ち入り禁止措置、

避難勧告が必要であったと思われます。


2008(平成20)年には、5 月に北側噴気地帯の東側斜面で新たな噴気が確認されました。

7 月には、湯釜火口内北東部に極めて小規模な噴気孔が新たに確認され、
10 月には水釜火口の北側斜面で新たな噴気が確認されています。

このような さ中、 2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災(M9.0)によって、

日本列島では多数の火山で活動が活発になったことが伝えられましたが、

ここ草津白根山においても、

湯釜の北約3km で地震活動が活発化し、

現在に至っています。



そして、ブログで数度にわたる既報のように、特に今年(2014年)になって、

活動が顕著になってきた草津白根山。

5月になって火山性地震の回数がさらに増加しています。

5月30日に気象庁が発表した

平成26年 No.22 週間火山概況 (平成26年5月23日~5月29日)

によると、火山性地震が前週までの発表では「やや多い状態」と書かれていましたが、

今週は「多い状態」となっています。

また、前回まで「地震の振幅はいずれも小さく」と記載されていましたが、
今回はそのように書かれておりません。

いつもは慎重な気象庁の記述ですが、

それでも今回は火山活動が活発化していることが推察されます。

また、5月28日に実施された調査結果について、
「28日に実施した現地調査では、湯釜でこれまでもみられている硫黄の浮遊物を確認しました。また、湯釜火口内北壁、北側噴気地帯及び水釜火口の北から北東側にあたる斜面の熱活動も継続していました。」

と、記載されています。

5月1日から29日までの日別地震回数を示すグラフです。



やはり、噴火が近いのだと思います。


近くにお住いの方、この方面へ行かれる方は、どうぞお気をつけください




尚、1987年以降について調べた結果、

草津白根山で火山活動が活発化した後に、
東北地方南部、関東地方、新潟中越地方、伊豆諸島周辺において、
強い地震が発生していますのでご注意ください。