太陽系の“バリア”が急速に縮小
Graeme Stemp-Morlock
for National Geographic News
October 1, 2010
NASAの太陽圏観測衛星IBEX(Interstellar Boundary Explorer)の観測データから、太陽系を包む太陽圏(ヘリオスフィア)が激しく変化していることがわかった。
太陽からは全方向に荷電粒子が放出されている。この流れは太陽風と呼ばれ、やがて太陽系外の冷たい宇宙空間に漂う星間物質(恒星間にわずかながら存在するガスやちり)や銀河系の磁場に衝突する。衝突の境界面には泡のようなシールドが形成され、人体に有害な宇宙線が外宇宙から太陽系に侵入するのを防いでくれている。
太陽系を包むこの磁気の境界面を太陽圏と呼ぶが、その境界が予想以上に活発に変化していることがIBEXの観測データで示された。驚くべき発見だという。
テキサス州にあるサウスウェスト研究所の職員で、IBEXミッションの主任研究員も務めるデイビッド・マコーマス氏は9月30日の記者会見で、「とにかく、太陽風と銀河系の相互作用を示すこれまでのモデルはまったくの間違いだった」と述べている。
太陽圏の膨張と縮小は、約11年周期の太陽活動と相関していると考えられてきた。太陽活動が活発になると太陽風の勢いも増すからだ。
しかし、IBEXのデータから新たに作成した太陽圏の全天地図を半年前と比較すると、予想以上に大きく収縮していることがわかった。「この急激な変化は宇宙飛行士の脅威になりうる。太陽圏が収縮すると宇宙線の流入量が増え、免疫系に損傷を与える恐れがあるからだ」とマコーマス氏は語る。
さらにIBXのデータは新たな事実を明らかにした。
昨年初めて太陽圏の全天地図が作成され、非荷電粒子を発する謎のリボン状の細長い構造が発見されたが、この構造の最も明るく高エネルギーだった領域が今回の地図では消えてしまっているのである。
「いまではこの領域が分裂してリボン全体に広がっている」と同氏は説明する。
「この高密度の領域や宇宙リボンの正確な形成過程については、今日にいたるまでチーム内でも意見が分かれている。だが今回、太陽圏地図を比較した結果、この領域が比較的短期間に変化していることがわかった。予想外の成果だ。これからその理由を突き止めていきたい」。
この新発見の詳細は、9月29日発行の「Journal of Geophysical Research」誌に掲載されている。
Image courtesy ESA/NASA
〔記事は以上です Sauce by National Geographic News〕
これは衝撃の事実です
太陽からの有害紫外線を従来の数倍から数十倍浴びることによる免疫組織の損傷で、皮膚癌の発生が飛躍的に増えることになります。
2012に向け活発化するものと見られていた太陽活動が予想以上に弱くなっていることにより、
逆に太陽光線の有害部分が人体に悪影響を与えることになるとは何て皮肉なんでしょう
さらにもっと怖いのは、宇宙線による被爆で生命体に危機が訪れることです。
宇宙線[Cosmic ray]とは、宇宙空間を飛び交う高エネルギーの《放射線》のことである。地球にも常時飛来している。
今までは、バリアー、シールドといったものに覆われ、地球の生命体は守られていたが、今回の発表によるとそれが急速に失われているということです。
ヒトを始め、動植物など地球上の全ての生命体が、地球上の原水爆=全ての核兵器に曝されいるようなもの
外出する時は、日傘や帽子どころではなく、完全防護の宇宙服が必要になるし、家の中にいても危険
もうこれは、地下シェルターに入って生き延びるしかないのかも知れませんね