メモ地震調査委/伊豆東方沖の群発地震も予知 評価手法承認へ



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群発地震活動の主な領域


 国の地震調査委員会の小委員会は、伊豆半島東方沖で繰り返される群発地震について、地下深部のマグマの動きから数日以内に起こり得る地震の最大規模(マグニチュード、M)や継続期間を予知する評価手法をまとめた。9日にも本委員会で承認される見通し。気象庁はこれを受け、同地域の地震活動情報の公表方法について地元自治体などと検討を始め、災害軽減に役立てる方針。数日レベルでの短期的な予知の実用化は、東海地震以外では初の試み。

 伊豆半島東方沖の群発地震は、1978以降に40回以上繰り返し発生してきた。最大規模はM6程度で、直近では2009年12月に静岡県伊東市で2度、震度5弱を観測した。海底下のマグマが岩盤の割れ目を上昇する際に起こるとされる。これまでの研究で、マグマの上昇する量や深さが、地震の最大規模や発生回数、活動期間などと相関関係にあることが分かっていた。

 同委員会を所管する文部科学省などによると、小委は昨年12月から検討を重ね、もともと東海地震を予知するため伊豆半島東部で岩盤の縮みを観測する気象庁の「ひずみ計」を利用。ひずみ計がとらえた地殻変動量からマグマの動きを検知する手法を妥当と判断した。地下10km程度から貫入するマグマの量を推定することで、例えば「4、5日後に群発地震が発生し、1週間程度続く見込み。最大規模はM6程度」などの予測が可能になるという。

 気象庁は来年度予算の概算要求に関連費用として4900万円を盛り込んだ。

 小委主査の島崎邦彦・東京大名誉教授は「地震調査委員会として、これまでの長期予測から一歩踏み出した。最大規模だけでなく、地震活動の見通しを示すことができる防災上の意味は大きい」と話している。



■解説 
対象拡大にハードル

 伊豆半島東方沖の群発地震について、地震活動の予知情報が公表される見通しとなった。国は阪神大震災(1995年)以降、主要な活断層や海溝型地震で、30年程度の長期的な発生確率予測を公表してきた。だが、短期的な予知は東海地震以外では初めてで、住民や行政が地震に備えて有効な被害防止策を取るための大きな一歩を踏み出したと言える。

 地震予知は、時間・場所・規模の一つでも欠けると情報としての価値は低い。国は1978年から東海地震に限り、予知を前提に観測体制を整備してきた。今回の群発地震の観測に使うひずみ計は東海地震観測網の一つだ。プレート境界で蓄積されたひずみが解放されて起こる東海地震と、マグマの貫入に起因する伊豆半島東方沖の群発地震の発生メカニズムは異なるが、前兆となる地殻変動をとらえて予知につなげる点で、本質的に変わりない。

 地震調査委員会は今後、約20年おきにM7クラスの地震が発生している茨城県沖や、近年群発地震が続いている大分県中部など、一定の法則性が見られる地域でも予知が可能か検討を始める。名古屋大の山岡耕春教授(地震学)は「今の科学で分かることをできるだけ積極的に公表するのは自然の流れだ」と評価する。

 しかし、地震予知の範囲が急に広がることはない。伊豆半島は1978年から群発地震を繰り返し、過去のデータが豊富にあるなど有利な条件がそろった特殊な地だからだ。伊豆半島でも別タイプの地震予知はできない。地震はいつ、どこで起こるか分からないという防災上の鉄則に変わりはない。


〔記事は以上です Sauce by 毎日新聞・八田浩輔〕



■解説
『群発地震』とは?

 似たような大きさの地震が、ある期間に比較的狭い地域で集中的に発生する一連の地震。震源は浅いことが多く、本震と余震の区別がはっきりしない。数時間で収まるものから、数年間続く例もある。1965~67年に活発となった松代群発地震(長野県)では1日600回以上の有感地震を観測した。


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伊豆半島は、フィリピンの東方沖にあった島がプレートの動きに乗って北上↑


日本列島に衝突して富士山富士山が形成されました。

かつては島だったインドが北上し、ヒマラヤ山脈が形成されたのと同じです。

だから伊豆半島では、フィリピンと同じような植物が見られます。



東海地震以外で予算がついたことは評価したいです。他にも予算が必要な地域、研究がたくさんあるので、道が拓ければ…の思いです。


国の事業仕分けでカットされませんようにガーン