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カメラミツバチが逃げ出した巣箱を見る河本さん=7月29日



ミツバチ酷暑で「職場放棄」!? 



仙台・ビル屋上で養蜂の3万匹!!



メモ仙台市中心部で、市民グループがビルの屋上を利用して飼っていたミツバチ約3万匹が突然、姿を消した。真夏日が続いた上に、ヒートアイランド現象も加わった都心の「酷暑」で、ミツバチが逃げ出したとみられる。養蜂(ようほう)を通じて都市の環境と生態系を考える市民グループの取り組みは、思わぬ「天敵」に襲われた。

 姿を消したのは、一番町4丁目商店街(仙台市青葉区)の商店主や、学生ら約25人でつくる市民グループ「仙台ミツバチユニオン」が飼うニホンミツバチ。
 巣箱周辺を飛び回るミツバチが少ないことに気付いたメンバーが22日、二つあった巣箱を開けてみたところ、約5000匹いた巣箱にはミツバチが残っていたが、約3万匹いた巣箱はほぼ空になっていたショック!



暑さを避けるため、水場などを求めて群れごと移動したとみられるという。



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カメラ盛んにみつを巣箱に運んでいたころのミツバチの群れ=4月下旬



 仙台市内では18~28日、最高気温が30度を超える真夏日が続いた。ミツバチが逃げたと思われる22日は最高気温32.3度で、前日の21日は34.8度を記録。

直射日光とエアコンの排熱にさらされるビル屋上は、さらに高かった可能性がある。

 ミツバチユニオン事務局の河本道生さん(73)は「飼育を始めてまだ3カ月。風通しや水場の確保など、暑さ対策が不十分だった」と反省する。

 ユニオンに技術指導している盛岡市の藤原養蜂場によると、巣箱の中の温度が25度前後まで下がれば、逃げた群れが戻ることもあるという。だが、暑さはしばらく続く見込みで、ミツバチの「職場復帰」は期待薄だ。

 ユニオンは今年4月中旬、市民が環境や生態系を見つめ直す機会にしようと飼育を開始。都市緑化の機運を高める一方、「仙台特産」のはちみつ作りを目指して、これまでに3リットルのはちみつを採取していた。

 大半のミツバチがいなくなり、はちみつの採取は当面、困難になるが、8月13日には一番町4丁目商店街が開催するイベントで、これまでに採取したはちみつを参加者に振る舞う予定。

 河本さんは「ミツバチがいなくなったことも含め、ユニオンの活動から見えてきた都市環境を市民に報告し、はちみつを市民と分かち合いたい」と話している。

〔記事は以上です。Sauce by 河北新報=宮城県~2010年07月30日金曜日〕