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2010/ 3/31

CMEが2方向に発生しています。太陽風は400km/秒前後で穏やかです。

SOHO LASCOの観測によると、30日15時(世界時30日6時)くらいから、
太陽の南東(左下)と北西(右上)の2方向に向かって、
ほぼ同時にCME(太陽ガスの放出現象)が発生したようです。

STEREOの写真と見比べると、左下のCMEは手前側、右上のCMEは向こう側へ噴出しているようです。
原因となる現象は、はっきりとは見つけられなかったのですが、
左下のCMEに対応して、1059黒点群(南東に見える黒点)で弱い爆発的な現象が起きていた様です。

弱いCMEが斜め方向に飛び出しているので、地球への影響はほとんどなさそうです。

また、この後、SOHO EIT195の北半球東端に明るく見えている領域でも、
31日3時(世界時30日18時)頃に爆発的な現象が発生しています。
これによるCMEが、これからLASCOカメラに見えてくるのではないかと思われます。
注目してください。


1057、1059黒点群は、どちらも活動度は低く、
X線のグラフは全く変動していません。
太陽は、基本的には穏やかな状態が続いています。


太陽風は、380~420km/秒と平均的な速度で安定した状態が続いています。
ACEの図では、速度が変化しているように見えますが、変化の幅は小さなものです。
磁場強度も5nT付近で安定しています。
このままの状態が続きそうです。

磁気圏では、小さな規模の変動が続いています。
太陽風磁場の南北成分が、0nTから若干南向きに推移しているためでしょう。
掲載の図の後半に入って、少し南向きが強まり、AE指数の変化も少し大きくなっています。
オーロラ活動もこの様な状態が続きそうです。

掲載のSOHO EIT195は、昨日の写真から半日後くらいの写真で、東端のコロナホールの位置はあまり動いて見えません。

今後の注目点は、このコロナホールの規模の確認と、地球への影響でしょう。


(『宇宙天気ニュース』からの記事引用は以上です)



今回のCMEは、地球方向へは来ない模様です。

いつ急に危機が到来するか直前までわかりませんが、やはり黒点活動が鍵になるでしょう。

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カメラSOHOによる太陽可視光写真。右上、1057黒点群。左下1059黒点群。