「違うグローブだった!?」
亀田大毅世界戦にボクシング用具専門家が疑問符

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 どうして亀田兄弟の試合には、次々と問題点が浮上するのか?

2月7日、亀田三兄弟、次男の大毅(亀田ジム)が新王者となったWBA世界フライ級タイトルマッチで、前王者のデンカオセーン(タイ)と大毅が使用したグローブに関して、『大きさや形が違うのではないか?』ということが関係者やファンの間で話題となっている。
そこで、筆者がボクシング用品の専門家にチェックしてもらうと、「(グローブが)同じものでないことだけは間違いない」と断言した。

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 7日の試合は、メキシコのレイジェス社製の8オンスグローブが使用された。大毅は黒いグローブ、デンカオセーンは白を使っていたため、膨張色の白の方が、どうしても大きめに見える傾向はあるだろう。だが、それ以上に、大きさや形状が微妙に違うようにも見えるというのだ。

 そこで、ボクシング用品専門業者のベテランスタッフに話を聞いてみると、「実はあの試合をテレビで見ていて、おかしいなぁと思っていたのです」というではないか。

 この業者はレイジェス社製グローブを取り扱うこともあるが、そのスタッフはこう解説する。
「レイジェスには同じ重さのグローブでも、練習用のソフトグローブと試合用のファイトグローブがある。大毅の方は試合用だが、デンカオの方はソフトに見えた。テレビを通じてですが、たとえば拳の下の手首の部分も形が違うし、両者のグローブは同じものではなく、違うものであることだけは間違いないと思います」

 そして、単純に2つの製品の一番の違いを説明するならば、「中に入っている材料や量が違う。当然、ソフトの方がスポンジが多い」というのだ。

 ただ、このスタッフによれば、今のレイジェス社の製品ライナップのなかで「8オンスにはソフトタイプがなくて、あるのは10オンス以上」なのだという。

「だから場合によっては重さも違うのかと......。でも普通、日本で行われる世界戦で両者のグローブが違うことなどありえませんからねぇ。もしも、両者が違うものを使うことを納得していたとしても、そうなると公平な条件で行われた試合にはならない。だから私は不思議だなと思って見ていたのです」

 この業者によれば、通常、世界戦用のグローブの注文を受けた場合、色は別として「まったく同じものを予備も含めて4組、コミッションに納めることになります」という。

 そして調印式後に、両陣営がグローブのチェックと選択を行い、その後はJBCが封印をして試合の直前まで管理する。

 ある中堅ジムの会長は、「私はチェックの際には、自分たちのグローブだけでなく、必ず対戦相手のグローブもチェックさせてもらいます」という。だが今回、関係者を通じてタイの陣営に確認したところ、「まさか日本での試合で、そんなところで不正が行われるとは思っていない。だから自分たちのグローブしかチェックしていなかった」(前王者のジム関係者)というのだった。

 亀田兄弟といえば、昨年内藤大助に判定勝ちした兄の興毅に関しても、試合後にグローブ下のバンテージが異様にモッコリしている映像が画面に映され、「なんかおかしい」と話題になったが、ナゼ亀田兄弟の試合では、こうした問題点が指摘されてしまうのか......。また、もし両者が本当に違うグローブを使っていたとしても、それを管理するJBCが、そのことに気づかないことなどあり得るのか。

 真相はいずれにせよ、本来、こうした疑惑を関係者やファンから指摘されてしまうこと自体が、プロモーターである亀田ジムだけでなく、JBCも含めた試合全般の管理体制の甘さを物語っているのではないだろうか。


〔以上、『日刊サイゾー』より、スポーツライターのコラムを転載しました。〕


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