いつもの『宇宙天気ニュース』(担当:篠原氏)とは別に、同じくNICTから発信されている日報で『今日の宇宙天気情報』(担当:永井氏)というのがあります。
こちらの方が情報量が多く、用語の解説や関連サイトの紹介もありわかりやすいするわかりやすいかも知れません。
以下に、昨日のものをご紹介します。
※尚、この日報の後、
M8.4という 今回の活動中で最大のフレアが発生した模様です。
これについては、後ほど詳しい情報が入りましたらお伝えします。
■今日の宇宙天気情報
【NICT 今日の宇宙天気情報(日報:2010年02月12日 15時00分 (JST))】
この情報は、毎日午後4時ごろ最新のものに更新されます。
世界各地の観測データを元に、情報通信研究機構での観測等も加味して決定された、その日の太陽活動や地磁気活動の情報によって構成され、これらの情報から地球の周りの宇宙空間で今何が起きているかを知ることができます。
担当: 永井
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概況・予報
活動領域1046(N23E15)が成長して、Cクラスフレアが1回発生しました。
今後もCクラスフレアが発生する可能性があるため、活動領域の推移にご注目下さい。
太陽風は350km/s前後のやや低速風まで下降して、地磁気活動も概ね静穏な状態が続いています。
この後にCMEの影響が到来する可能性がありますが、地磁気の乱れは少ないでしょう。
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太陽活動
太陽活動はやや活発な状態が続いています。
活動領域1045(N22W52)は衰退傾向が続いているようで、規模(面積、数)がやや小さくなっています。
ただし北東の活動領域1046(N23E15)は面積が130→190とやや大きくなり、数も8→33と増加しています。
また磁場構造もβ→βγと複雑化しており、成長傾向となっているようです。
なおSOHO衛星のMDI画像によると、太陽面南東(画面左下)に見えていた活動領域1047は衰退して黒点が見えなくなっています。
GOES衛星のX線観測データによると11日19:20(UT)にC1.1フレアが発生し、その発生源は活動領域1046のようです。
またフレアが発生していない時のレベル(バックグラウンド)も大きな変化は見られません。
今後もCクラス以上のフレアが発生する可能性があるため、活動領域の推移にご注目下さい。
■本日/昨日における活動領域(黒点群)
領域番号、位置、面積、黒点数、黒点群のタイプ、磁場構造
1045 N22W52 150/240 11/16 Fsi/Fai β/β
1046 N23E15 190/130 33/08 Eac/Dso βγ/β
(注)フレア
・太陽面で発生する爆発的なエネルギー解放現象。
・SOHO衛星のEITカメラ画像及びGOES衛星のSXIカメラ画像にて発生の様子が確認できる。
・GOES衛星のX線観測おいて発生したフレアの最大値により小規模なものからA・B・C・M・Xの順にクラス分けされている。(GOES衛星のX線観測データ参照)
(参考データ)
GOES衛星の太陽X線データ
http://www.swpc.noaa.gov/rt_plots/xray_5m.html
SOHO衛星による太陽画像データ(EIT・MDI・LASCO)
http://sohowww.nascom.nasa.gov/data/realtime-images.html
STEREO衛星による太陽画像データ(EUVI)
http://stereo-ssc.nascom.nasa.gov/beacon/beacon_secchi.shtml
国立天文台 太陽観測所(可視光、Hα画像など)
http://solarwww.mtk.nao.ac.jp/jp/solarobs.html
National Solar Observatory
Global Oscillation Network Group(地上からの可視光、磁場観測の最新画像)
http://gong2.nso.edu/dailyimages/
NASAによる最新のフレアリスト
http://www.lmsal.com/solarsoft/last_events/
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地磁気活動
太陽風速度は少し下がって350km/s前後のやや低速風に推移しています。
磁場強度は6nT前後に弱まり、地磁気活動も概ね静穏な状態が続いています。
なお11日22時(UT)ごろから-3~5nT程度の南寄りの磁場となりましたが、速度が遅めのためシベリアの地磁気データではほとんど変動が見られませんでした。
またAE指数でも200nT程度の弱い変動しか見られませんでした。
この後に8日に発生したCME(コロナガス噴出現象)の影響が到来する可能性がありますが、小規模なCMEだったため地磁気の乱れは少ないでしょう。
SOHO衛星のEIT画像によると太陽面中央付近に南の極域から張り出したコロナホールが見え、影響到来は2~3日後と予想されます。
前周期より規模が大きくなっているため、吹き出しが強まっているかもしれません。
ただし緯度がやや高めのため、地磁気の乱れは少ないのではないでしょうか。
他に北半球の中央付近にもコロナホールが見えますが、規模が小さいため地磁気への影響は少ないと思われます。
(参考データ)
ACE衛星による太陽風観測
http://www.swpc.noaa.gov/ace/MAG_SWEPAM_24h.html
沖縄の磁気じょう乱データ・Dst指数(赤道環電流)
http://swnews.nict.go.jp/rt/crl_oki_diff2.html
シベリアの地磁気(3日間)
http://swnews.nict.go.jp/rt/crl_bsat_1.html
リアルタイムAE指数
http://kogma.nict.go.jp/cgi-bin/qlae.cgi
27日の太陽周期プロット
http://swnews.nict.go.jp/rt/crl_27d.html
SOHO衛星による太陽画像データ(EIT・MDI・LASCO)
http://sohowww.nascom.nasa.gov/data/realtime-images.html
STEREO衛星による太陽画像データ(EUVI、COR)
http://stereo-ssc.nascom.nasa.gov/beacon/beacon_secchi.shtml
STEREO衛星の現在位置
http://stereo-ssc.nascom.nasa.gov/where.shtml
ひので衛星による太陽面画像データ(X線画像、可視光部分画像)
http://hinode.nao.ac.jp/latest/
GOES衛星によるX線画像データ
http://www.swpc.noaa.gov/sxi/index.html
(注)ACE衛星の太陽風観測データと地磁気への影響
・ACE衛星は太陽と地球の引力がつりあうラグランジュ点(L1)の近くで、太陽風を観測します。
このラグランジュ点を通過した太陽風は約1時間後に地球に到来しますので、ACE衛星は太陽風の乱れを地球に到来する約1時間前に見つけることができます。
・太陽風の速度(黄色)及び磁場強度(白)が高い程、地磁気への影響が大きくなる。
・磁場の南北成分(赤色)が南寄り(-方向)となった際に、地磁気への影響が出やすい。
( )表示はACE衛星の太陽風観測データにおけるプロットの色
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プロトン現象
静止軌道付近の10MeV以上のプロトン粒子フラックスは、1[個/cm^2/sec/sr]未満の静穏な状態で推移しています。
(参考データ)
GOES衛星 高エネルギー粒子
http://www.swpc.noaa.gov/rt_plots/pro_3d.html
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高エネルギー電子
静止軌道付近の2MeV以上の高エネルギー電子フラックスは、10[個/cm^2/sec/sr]付近の静穏レベルで推移しています。
(参考データ)
GOES衛星 高エネルギー電子
http://www.swpc.noaa.gov/rt_plots/elec_3d.html
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電離層
臨界周波数8MHzを超える強いスポラディックE層(注1)の発生は確認されませんでした。
F層臨界周波数は、国分寺(東京)と山川(鹿児島)で12日昼過ぎのやや高めでした。
日本上空の全電子数(TEC)は、北海道など緯度の高い地方を中心に12日朝から若干高めの傾向が見られます。
デリンジャー現象及び短波伝搬状態の週間予報です。(発令日:2月12日)
< 日付 >13 14 15 16 17 18 19
<デリンジャー現象> 0 0 0 0 0 0 0
< 短波伝搬状態 > 4 4 4 4 4 4 4
【解説】
・発令日翌日から7日間の予報です、それぞれ左から順に日付と対応した予報となっております。
・デリンジャー現象の予報
0=ないでしょう・・・・・・30%未満
1=ややあるでしょう・・・・・・30~50%未満
2=かなりあるでしょう・・・・・・50%以上
・短波伝搬状態の予報
5=極めて静穏
4=概して静穏
3=やや不安定
2=不安定
1=非常に不安定
(注1)スポラディックE層
・日本付近では夏期に突発的に高度100km付近に現れる電子密度の高い層。
・通常の電離層では反射されない高い周波数の電波を反射する。
(注2)F層臨界
こちらの方が情報量が多く、用語の解説や関連サイトの紹介もありわかりやすいするわかりやすいかも知れません。
以下に、昨日のものをご紹介します。
※尚、この日報の後、
M8.4という 今回の活動中で最大のフレアが発生した模様です。
これについては、後ほど詳しい情報が入りましたらお伝えします。
■今日の宇宙天気情報
【NICT 今日の宇宙天気情報(日報:2010年02月12日 15時00分 (JST))】
この情報は、毎日午後4時ごろ最新のものに更新されます。
世界各地の観測データを元に、情報通信研究機構での観測等も加味して決定された、その日の太陽活動や地磁気活動の情報によって構成され、これらの情報から地球の周りの宇宙空間で今何が起きているかを知ることができます。
担当: 永井
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概況・予報
活動領域1046(N23E15)が成長して、Cクラスフレアが1回発生しました。
今後もCクラスフレアが発生する可能性があるため、活動領域の推移にご注目下さい。
太陽風は350km/s前後のやや低速風まで下降して、地磁気活動も概ね静穏な状態が続いています。
この後にCMEの影響が到来する可能性がありますが、地磁気の乱れは少ないでしょう。
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太陽活動
太陽活動はやや活発な状態が続いています。
活動領域1045(N22W52)は衰退傾向が続いているようで、規模(面積、数)がやや小さくなっています。
ただし北東の活動領域1046(N23E15)は面積が130→190とやや大きくなり、数も8→33と増加しています。
また磁場構造もβ→βγと複雑化しており、成長傾向となっているようです。
なおSOHO衛星のMDI画像によると、太陽面南東(画面左下)に見えていた活動領域1047は衰退して黒点が見えなくなっています。
GOES衛星のX線観測データによると11日19:20(UT)にC1.1フレアが発生し、その発生源は活動領域1046のようです。
またフレアが発生していない時のレベル(バックグラウンド)も大きな変化は見られません。
今後もCクラス以上のフレアが発生する可能性があるため、活動領域の推移にご注目下さい。
■本日/昨日における活動領域(黒点群)
領域番号、位置、面積、黒点数、黒点群のタイプ、磁場構造
1045 N22W52 150/240 11/16 Fsi/Fai β/β
1046 N23E15 190/130 33/08 Eac/Dso βγ/β
(注)フレア
・太陽面で発生する爆発的なエネルギー解放現象。
・SOHO衛星のEITカメラ画像及びGOES衛星のSXIカメラ画像にて発生の様子が確認できる。
・GOES衛星のX線観測おいて発生したフレアの最大値により小規模なものからA・B・C・M・Xの順にクラス分けされている。(GOES衛星のX線観測データ参照)
(参考データ)
GOES衛星の太陽X線データ
http://www.swpc.noaa.gov/rt_plots/xray_5m.html
SOHO衛星による太陽画像データ(EIT・MDI・LASCO)
http://sohowww.nascom.nasa.gov/data/realtime-images.html
STEREO衛星による太陽画像データ(EUVI)
http://stereo-ssc.nascom.nasa.gov/beacon/beacon_secchi.shtml
国立天文台 太陽観測所(可視光、Hα画像など)
http://solarwww.mtk.nao.ac.jp/jp/solarobs.html
National Solar Observatory
Global Oscillation Network Group(地上からの可視光、磁場観測の最新画像)
http://gong2.nso.edu/dailyimages/
NASAによる最新のフレアリスト
http://www.lmsal.com/solarsoft/last_events/
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地磁気活動
太陽風速度は少し下がって350km/s前後のやや低速風に推移しています。
磁場強度は6nT前後に弱まり、地磁気活動も概ね静穏な状態が続いています。
なお11日22時(UT)ごろから-3~5nT程度の南寄りの磁場となりましたが、速度が遅めのためシベリアの地磁気データではほとんど変動が見られませんでした。
またAE指数でも200nT程度の弱い変動しか見られませんでした。
この後に8日に発生したCME(コロナガス噴出現象)の影響が到来する可能性がありますが、小規模なCMEだったため地磁気の乱れは少ないでしょう。
SOHO衛星のEIT画像によると太陽面中央付近に南の極域から張り出したコロナホールが見え、影響到来は2~3日後と予想されます。
前周期より規模が大きくなっているため、吹き出しが強まっているかもしれません。
ただし緯度がやや高めのため、地磁気の乱れは少ないのではないでしょうか。
他に北半球の中央付近にもコロナホールが見えますが、規模が小さいため地磁気への影響は少ないと思われます。
(参考データ)
ACE衛星による太陽風観測
http://www.swpc.noaa.gov/ace/MAG_SWEPAM_24h.html
沖縄の磁気じょう乱データ・Dst指数(赤道環電流)
http://swnews.nict.go.jp/rt/crl_oki_diff2.html
シベリアの地磁気(3日間)
http://swnews.nict.go.jp/rt/crl_bsat_1.html
リアルタイムAE指数
http://kogma.nict.go.jp/cgi-bin/qlae.cgi
27日の太陽周期プロット
http://swnews.nict.go.jp/rt/crl_27d.html
SOHO衛星による太陽画像データ(EIT・MDI・LASCO)
http://sohowww.nascom.nasa.gov/data/realtime-images.html
STEREO衛星による太陽画像データ(EUVI、COR)
http://stereo-ssc.nascom.nasa.gov/beacon/beacon_secchi.shtml
STEREO衛星の現在位置
http://stereo-ssc.nascom.nasa.gov/where.shtml
ひので衛星による太陽面画像データ(X線画像、可視光部分画像)
http://hinode.nao.ac.jp/latest/
GOES衛星によるX線画像データ
http://www.swpc.noaa.gov/sxi/index.html
(注)ACE衛星の太陽風観測データと地磁気への影響
・ACE衛星は太陽と地球の引力がつりあうラグランジュ点(L1)の近くで、太陽風を観測します。
このラグランジュ点を通過した太陽風は約1時間後に地球に到来しますので、ACE衛星は太陽風の乱れを地球に到来する約1時間前に見つけることができます。
・太陽風の速度(黄色)及び磁場強度(白)が高い程、地磁気への影響が大きくなる。
・磁場の南北成分(赤色)が南寄り(-方向)となった際に、地磁気への影響が出やすい。
( )表示はACE衛星の太陽風観測データにおけるプロットの色
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プロトン現象
静止軌道付近の10MeV以上のプロトン粒子フラックスは、1[個/cm^2/sec/sr]未満の静穏な状態で推移しています。
(参考データ)
GOES衛星 高エネルギー粒子
http://www.swpc.noaa.gov/rt_plots/pro_3d.html
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高エネルギー電子
静止軌道付近の2MeV以上の高エネルギー電子フラックスは、10[個/cm^2/sec/sr]付近の静穏レベルで推移しています。
(参考データ)
GOES衛星 高エネルギー電子
http://www.swpc.noaa.gov/rt_plots/elec_3d.html
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電離層
臨界周波数8MHzを超える強いスポラディックE層(注1)の発生は確認されませんでした。
F層臨界周波数は、国分寺(東京)と山川(鹿児島)で12日昼過ぎのやや高めでした。
日本上空の全電子数(TEC)は、北海道など緯度の高い地方を中心に12日朝から若干高めの傾向が見られます。
デリンジャー現象及び短波伝搬状態の週間予報です。(発令日:2月12日)
< 日付 >13 14 15 16 17 18 19
<デリンジャー現象> 0 0 0 0 0 0 0
< 短波伝搬状態 > 4 4 4 4 4 4 4
【解説】
・発令日翌日から7日間の予報です、それぞれ左から順に日付と対応した予報となっております。
・デリンジャー現象の予報
0=ないでしょう・・・・・・30%未満
1=ややあるでしょう・・・・・・30~50%未満
2=かなりあるでしょう・・・・・・50%以上
・短波伝搬状態の予報
5=極めて静穏
4=概して静穏
3=やや不安定
2=不安定
1=非常に不安定
(注1)スポラディックE層
・日本付近では夏期に突発的に高度100km付近に現れる電子密度の高い層。
・通常の電離層では反射されない高い周波数の電波を反射する。
(注2)F層臨界