先日ブログで紹介した地震トリガーの記事、

太陽と月が「最後の一押し」 (by 防災科研)

について、先駆者である
NPO法人・日本地震予知協会(代表理事・佐々木洋治氏)が、自身のHPに以下のような抗議文を記載しました。


【独立行政法人・防災科学技術研究所への抗議文】  
~NPO法人・日本地震予知協会

2010年2月初め、会員O氏(東京都在住)からの郵便がありました。
それは、夕刊・讀賣新聞2010年(平成22年)1月29日(金)に掲載された記事のコピーに、「下記、記事は佐々木さんが何十年も前から唱えていたもので、横取り…といっても過言ではありません。早速抗議すべきと思います。」 というメッセージが添えられたものでした。

以下に、その新聞記事、全文を記します。

(見出し) 
地震 太陽と月が 
「最後の一押し」     防災科研
 
大地震の前に、月や太陽の引力(潮汐力)が多くの地震を引き起こしている可能性が高いことを、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の田中佐千子特別研究員らが突き止めた。

潮汐力は、地震を引き起こす地殻のひずみの1000分の1程度の強さに過ぎないが、巨大地震前のひずみがたまった状態では「最後の一押し」のように作用するという。成果は米国の専門誌に発表した。
 田中さんは、2004年のスマトラ島沖地震の震源域周辺(長さ1500㌔、幅500㌔)で、08年までの33年間に起きたマグニチュード5以上の約600の地震を調査。スマトラ島沖地震の直前8年間は、潮汐力が最大となる時間帯に地震が集中していた。大地震前の時期だけ、潮汐力が地震の引き金になりうるという。
 やや規模の小さい地震が潮汐力の強いときに頻発するようになれば、大地震を引き起こす地殻のひずみが、その地域でたまっている可能性があることを示す結果だ。田中さんは東海地震などの震源域でも、調査を進めたいとしている。  

以上が記事の全文である。

当HPをご覧頂いた皆様は、既にご存知かと思いますが、O氏のご指摘どおり、佐々木洋治代表理事は、1982年11月30日発行の著書、『雲に聞こうよ』(現代出版)に、月・太陽・地震の関連を著しております。
当HPの、著書紹介にも、『雲に聞こうよ』が掲載されています。その第4回(地震をひきおこすもの)中に月の引力についても述べております。(是非、ご一読ください。→ http://www.menokami.jp/book/04.html#up )

また、佐々木代表は1990年、東工大の地球惑星合同会議に於いて、論文を発表しており、その地震論に、月の引力と地震についての関連も載っています。また毎年、「シャク暦」も発行しております。(当HPに掲載しております。)

シャク暦には、月に関する引力(新月・上弦・満月・下弦・MN(月が最近)・MF(月が最遠)、太陽に関する引力(EF:地球遠日点、EN:地球近日点)、日食・月食が強引力日として、表されております。

このように、28年も前から月・太陽と地震の関連を提唱され、現在もご苦労の連続にある在野の研究者の成果を、公的資金・組織に守られ、すべて潤沢な環境下にある体制側の学者が、《我が成果》として、米国の専門誌に発表していたことに、強い道義的疑念を抱き、ここに抗議いたします。   
             2010/02/04




自分もブログで紹介してしまいましたが、防災科研・田中佐千子特別研究員の発表が“パクリ”だったのか、独自の研究から同様の結論に到達したのかは判りません。

しかし、学術研究成果には当然ながら優先権があります。著者でも自らの研究について発表されているNPO法人・日本地震予知協会の佐々木洋治代表理事が、やはりこの理論の先駆者であることは間違いありません。

讀賣新聞が、太陽と月が地震トリガーとなることについて記事にしたことは、一般大衆に広く周知させる効果はあったが、佐々木氏が既に独自の研究で発表していたことを併記する必要性があったのは当然です。


やはり、日本地震予知協会は、防災科研からの回答、読売新聞には謝罪文の掲載を求め、自らの立場を死守するべきだと思います。