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≪史上最大のリコール≫
アメリカのトヨタ自動車

米国トヨタ自動車販売が、トヨタではアメリカ史上最大となる 380万台のリコール(下記の車種)を発表したのは、2009年9月のことでした。


車リコール対象車車
◆2007~2010年型
トヨタ・カムリ
◆2005~2010年型
トヨタ・アバロン
◆2004~2009年型
トヨタ・プリウス
◆2005~2010年型
トヨタ・タコマ
(日本名・ハイラックス)◆2007~2010年型
トヨタ・タンドラ
◆2007~2010年型
レクサスES350
◆2006~2010年型
レクサスIS250&IS350


人気のハイブリッド車プリウスなど8車種に及んでいます。この時の原因は、「運転席のゴム製などのマットが固定されずにペダルの下に入り込むなどした際、ペダルが引っかかり、戻らなくなる場合がある。」とのことだった。

このリコールで原因となったのは、アメリカでのレクサスの事故が、運転手から911への電話のやり取りの様子が、ニュース番組の中で特集として放送されたことがきっかけでした。

このテレビ報道番組を見た全米のトヨタ車に乗るドライバーから、同様の危険なシーンに遭遇した報告、起こした事故がトヨタ車の欠陥だったことを知り通報、弁護士を立て損害賠償訴訟を起こそうとする人などで騒然としたようです。


そして、2010年1月には、アクセルペダルが戻らない新たな不具合が発覚したことからリコールとなり、トヨタが、全ての車種についてアメリカでの製造・販売を停止することを発表。


これは、かねてからのトヨタ批判の鎮静化を諮るとともに、販売店が苦情の矢面に立ち、顧客と従業員のトラブルが、やがて騒動に発展し、さらにブランドのイメージダウンが加速するのを何とか阻止しようという思慮もあったようだ。


昨年秋からの分に、今回の全米でのリコール、さらにヨーロッパと中国の分を加えると、総計は900万台にも達し、台数も車種の数も史上最高。その数は、トヨタの世界での年間販売台数を上回る膨大な数となる。


《トヨタ大量リコール、米で感情的反発高まる》
1月29日 産経新聞

 【ワシントン=渡辺浩生】アクセルペダルの不具合に起因するトヨタ自動車のリコール(回収・無償修理)問題を契機に、トヨタに対する感情的な反発が米国内で高まりつつある。トヨタ側のこれまでの対応に不信感を募らせる米議会は実態調査に乗り出し、来月の公聴会開催を決めた。

 「トヨタの最近のリコール発表の範囲と深刻さに大勢の消費者と同様、懸念を抱いている」

 ワクスマン米下院エネルギー・商業委員長は28日の声明でこう述べ、公聴会を2月25日に開催すると発表した。北米トヨタの稲葉氏に書簡を送り、関連資料の提出を求めている。

トヨタは1月21日、踏み込んだアクセルペダルが元の位置に戻らない不具合が生じる可能性があるとして、「カムリ」や「カローラ」など8車種約230万台のリコールを発表。26日には対象車種の販売と生産を停止する方針を発表した。

 以来、テレビニュースが連日、顧客やディーラーの不安な様子を伝える中、かつて日本の自動車メーカーに強硬姿勢をとった米議会が再び動き出した。

 同委員会は、米運輸省のデータとして、トヨタ車の急加速をめぐるトラブルで過去10年に19人が死亡し、「ほかの全メーカーによる類似事故の合計の2倍近くに達している」との分析を公表。トヨタがいつ欠陥を認識し、どのような対応をとってきたのかについて調査を続ける方針を示した。

 「トヨタは米国の雇用を壊している」。ワシントンの日本大使館の前では28日、リコール問題を契機とした“反トヨタ”の空気に乗じて、3月に予定されているゼネラル・モーターズ(GM)との合弁会社「NUMMI(ヌーミー)」の閉鎖に反対するデモが行われ、「日米関係に悪影響を及ぼしかねない」とする鳩山由紀夫首相あての書簡を大使館に届けた。

 トヨタは数カ月前から米運輸当局との間で急加速とアクセルペダルの不具合について協議を続けてきた。
しかし、複数の関係筋は、トヨタ側に認識の甘さがあったことを示唆する。

アメリカの部品メーカーに損害賠償を請求する構えをして、トヨタは責任転嫁しようとしている。これが、米国をさらに刺激した。

29日付の米紙ロサンゼルス・タイムズも社説でトヨタの一連の発表が「すべての急加速事故を説明しているわけではない」と指摘する。

 米自動車産業の拠点ミシガン州選出のストゥパク同委監督調査小委員長は「アクセルペダルの不具合の発生はトヨタに10年間続いている問題だ。将来の死傷を防ぐ措置を怠ることは、断じて受け入れられない」と徹底的に追及する構えだ。

 トヨタが米国で説明責任を十分果たせるかどうか。
その対応次第では、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題できしむ日米関係に、もう一つの難題が加わる可能性も出てきたと思います。


今後の対応いかんでは、アメリカは、トヨタを排除することでしょう。

米国での現地生産・販売こそ、市場閉塞感が広がる日本での販売不振を補うトヨタの生命線だったはず。


レクサスの国内販売不振は、トヨタの名を捨ててまで臨んだ新ブランド立ち上げだったが、大きな赤字を背負い、このブランドで一番の米市場も失おうとしているトヨタにとって、まさに退路を絶たれた。


JALのようにひと昔前、いやトヨタの場合は、ほんの数年前まで、日本一の優良企業として、その売上・規模・収益性が讃えられ持て囃されたものです。


しかし、昨年度は遂に赤字へと転落ダウン

円高・ドル安による為替差損が、さらに収益を悪化させています。

このうえ、まさに“ドル箱”アメリカ市場を失うことになると、先行きには暗雲が立ち込めてきます。


トヨタの凋落は、ほんの10年前にはまさかと思われた飛行機日本航空の破綻と重なります。


「トヨタよ、アメリカを甘く見るなパンチ!

創業者一族の、若き豊田社長の指導力と手腕が問われます。




クリップ以下は、技術力におけるトヨタと他社との比較・参照です。


今、ハイブリッド車に力を入れているトヨタだが、電気自動車の研究開発では、日本国内で日産自動車にも遅れをとっている。


世界的にはテスラ社などの電気自動車(下記参照)や、水素エネルギーを動力とする環境重視の車などへのシフトが加速し、ガソリン車の依存度が非常に高いトヨタは、さらに世界の潮流から遅れをとることになる。


ポルシェ911より速い電気自動車(テスラ ロードスター)

Tesla Roadster by Tesla Motors

テスラ ロードスターとは?

環境にやさしい自動車として世界中でハイブリッド自動車が注目されていますが、それも2009年までの一時凌ぎ。

2009年のハイブリッド自動車は、プリウスを初めとしてトヨタやホンダなど日本車が市場を独占しています。しかし今後、ガソリン価格のさらなる高騰で、ハイブリッド車よりもさらに進んだ本格的な電気自動車への期待が急速に膨らんでいます。

日本での電気自動車は、どの自動車メーカーも実用化がまだ先になりそうです。
せいぜい日産自動車が2010年中に小型電気自動車の商用化を予定している程度です。

ところが、米国のベンチャー企業「テスラモータース」が2008年にポルシェ カレラ911をしのぐほどの加速性能を誇る電気自動車「Tesla Roadster」を発売したのです。


公表されているパフォーマンスはかなりのレベルです。

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Tesla Roadster 2008 performance

加速性能
3.9秒/0-60mph(96Km)
モーター回転数
13,000rpm - redline
燃費
135mile/1gallon
1回充電での走行距離
220mile(354Km)

映画動画インプレッション

Tesla Motorsが自らyoutubeに「Tesla Roadster」の動画を公開しています。

外観はロータス社のエリーゼをモデルにデザインされており、2シーターのスポーツカーとして魅力的なフォルムを見せています。
ロータスのエリーゼは軽量化で1000Kgを切っていますが、「Tesla Roadster」はバッテリーや安全装備を装着しているため1200Kg程度の重量となっています。


さらに改良を重ねた新車種が、2010年以降に発表されることでしょう。