ドラゴンクエスト2 悪霊の神々 | Nentendo

ドラゴンクエスト2 悪霊の神々

ドラクエは買うまでが旅

さて、ドラクエ2。ドラゴンクエストの2作目。 1作目を他人様のふっかつのじゅもんでクリアした、大して思い入れもないはずの自分のくせに、2が出ると聞いて激しくテンションがあがり、購入の確約を母にとりつけた。

当時は、誕生日とかクリスマスとか、何かそういうイベント時しか買ってもらえなかったので、2をどのようにして買ってもらう事になったのか、全く覚えてないのだけれど、実際に買ってもらった時の事はよく覚えている。我が父は月に1度、仕事の用事で東京に出張に行っていた。その時に買ってきてもらうものとして、ドラクエ2を頼んだ。

 

出張の日など、普段は興味が無いのに、その時はとてもよく覚えていて、父が帰るのを心待ちにしたものだ。1泊ののちに帰った父に、ドラクエの事を聞くと、父はこう答えた。

 

「売り切れだったから、代わりに人気のある別のゲームを買ってきたぞ」

 

貴重なゲーム購入回数を、ほしいもの以外で消費されるのは納得行かず、とはいえ父の言う人気のある別のゲームとは何なのか、気になる自分はそれを確認させてもらった。店員が勧めたというドラクエ2に次ぐ人気のゲーム、それは、、、、、バンゲリングベイだった。。

見知らぬその店員に本気の殺意を覚え、子供という立場を利用して涙で抗議する自分に、致し方ない父は店に電話し、返品する事を承諾させた。しかし、出張イベントは月に1度。再びのチャンスを心待ちにし、これからまた一ヶ月の時を過ごすことになった。

 

翌月の出張において、父は再度ファミコンソフトを購入して帰ってきたのだが、少し怒っていた。 バンゲリングベイを掴ましてくれたあの店に、ドラクエ2はやはり無く。父は何件ものおもちゃ屋を巡ったのだと言う。聞くのも嫌になるくらい、どの店でも品切れで、とはいえ前回の事もあるので絶対に買って帰るという気概のもと、父はついにドラクエ2をみつけた。 だがしかし、その店は抱き合わせ販売の店だった。

 

スクウェアとエニックス、合併前の奇跡のコラボ

父が自分にもたらしたもの、それは紛れもない「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」そしてもう一つ、「ディープ・ダンジョン」これは、ドッグという名前のスクウェアが開発したディスクシステム向けの3DダンジョンRPGであり、後に一つの会社となる2社の、超人気RPGとそれほど人気の無いRPGが、東京のどこかの店で運命の合併を果たし、東北の地へと導かれた稀有な出来事だった。何より、ファミコンソフトとディスクシステムのソフトを抱き合わせるなど、悪どさを感じずにはいられないが、自分的にはドラクエ2が手に入ったので満足だった。出費の増えた父は不満だった。

 

やっと開始したドラクエ2。友人のS君がやってきて、毎日二人で遊んだ。サマルトリアの王子を仲間にし、ムーンブルクの王女のために鏡を取りにいき、ドラゴンの角を風のマントで飛んで、あまつゆの糸をドン・モハメに託したあたりで、自分は風邪を引いた。 病弱だった自分はこの頃は体調を崩すと3,4日平気で休み、喘息持ちだったこともあり、入院することも多かった。

 

兄AIの大きな恩恵

学校を数日休み、S君が来る事もなくなり、やっとゲームができるまでに回復した頃、ふっかつのじゅもんノートを開くと、そこには沢山のじゅもんが追加されていた。 その頃、兄は高校3年で、学校はすでに休みに入っており、毎日のようにドラクエ2をやった結果、カンストしたキャラ達は、ロンダルキアの台地にたどり着いていた。

兄はラスダンをすいすいと登ってみせ、途中から自分にやらせてくれた。バズズ、アトラス、ベリアルを連覇し、ハーゴン、シドーとやっつけて、自分のドラクエ2は一気にエンディングまでタイムジャンプした。

それから、兄が見つけてきた雑誌の記事をあてに、ロンダルキアの洞窟でロト装備を探す旅が始まり、名実ともに勇者となった自分のキャラ達の冒険の旅は兄AIの活躍というチートで終わった。