ZC32Sの評価 | カタツムリどらいぶ~スズキ・スイフトスポーツ(ZC32S) 長距離通勤奮闘記~

購入して1年半以上経ち、2万㎞以上走りましたので、このかたに倣って自分なりの評価を下したいと思います。

 

前車オーリスからの買い替えの理由は、

車幅がでかすぎて通勤路の裏道が通れなくなってしまったこと

 

その前の車はR34スカイラインのNAのMTで、車幅は1720㎜。

出勤時の裏道を通ると、ちょうど大型トラックとすれすれくらいに行き違えたのですが、オーリスは1760㎜、4㌢くらいは…と思いきや、どっちかがバックしなければ通れなくなりました。

それが度々なのですっかり面倒になり、バス通りを走ることにしました。

しかしそこは特に週末の渋滞が激しく、通り抜けるまでに30分以上もかかるようになり、すっかり嫌になってしまいました。

田舎道では1㌢車幅が拡張しただけで通れなくなってしまう道もあるので、近所は軽自動車か5ナンバーサイズの車がメインです。

オーリスに乗っていた時、そんなばかでかい車に乗っていたのは自分だけでした。

通勤に関しては文句のないくらい

優秀な車

 

でした。

しかし個人的にひたすら良くできた車で、刺激とは無縁の車だったので、次第に飽きてきたということもありました。

 

◎長所

・5ナンバーサイズであること

自分にとってこれが一番大切なことです。

通勤がメインですので、とにかくストレスなく通勤できる車としては、個人的に◎です。

・1500CC以上であること。

たかが100CCと思うなかれ、です。

片道37㎞以上の通勤は、山有り谷有り、ワインディングあり、高速道路並にぶっとばすところありで、けっこうしんどいです。

やはり1500CC以上ないと、周りの車速に合わせづらいところがあります。

・MTであること

これも重要です。

MTは任意にギアが選べますので、燃費のいい運転がけっこう楽に目指せます。

また個人的に、昔、AT車で2台潰していますので、機械任せの車は敬遠しがちということもあります。

・足回り

この車の最高の美点です。

純正で採用されたモンロー製のショックはすばらしいです。

固すぎず柔らかすぎず、またリバウンドスプリングが入っているため、コーナーでは速度を上げ気味に走ると、それほどアンダーステアを感じません。

このアシの素晴らしさを知ったがため、それ以外の車は選択肢から全て外れました。

・ハンドリングが高く、車とシンクロしやすい

オーリスもそこそこ良かったのですが、一番の違いは車とのシンクロ率でした。

長年の経験で、車と一体化できないと疲れやすく、やがてはでかい事故につながります。

運転していて面白く、そのため運転に集中しやすいです。

長距離走っても、嫌にならないです。

・M16Aエンジン

ホンダのVTECにはかないませんが、今のエンジンにしては割と高回転です。

実用的で扱いやすいエンジンで、その気で走るとけっこう楽しめます。

テンロクという排気量もレアです。

・ボディ剛性の高さ

おそらく誰もが乗った瞬間に感じると思います。

前車オーリスと比べるとかなり小さい車なのに、同じくらいの剛性感があり、飛ばしてもそれほど疲れません。

・外観

最後まで好きにはなれないデザインと思っていました。

しかし先代のZC31Sの寸詰まり感から伸びやかなスタイルになったのはいいですね。

角度によっては「おっ!」と思うところもあり、奥が深いと思います。

・意外と便利なクルーズコントロール

今ではアダプティブクルーズコントロールが主で、ちょっと古いようですが、意外と便利です。

・シートの出来は最高

前車オーリスも良かったですが、素晴らしい出来です。

しっかりと体、特に腰をホールドしてくれるので疲れません。

社外品に交換する必要性を全く感じません。

・運転に集中しやすいメーター類やインパネ

今の車に比べるとかなり質素な感じがしますが、無駄なものを排しているので、運転に集中しやすいです。

・燃費の良さ

夏場はリッター17~18、冬場でもリッター16㌔くらいは走ります。

あまりアクセル踏まないような運転をしているからでしょうが、そこそこ燃費がいい車です。

・コストパフォーマンスの高さ

170万という破格の価格はすごいです。

同サイズのフォルクスワーゲンポロよりも安く、かなり楽しめるので満足度が高いです。

 

◎短所

・狭い後席、ブートスペース

マーチやヴィッツ、フィットと比べると、格段に狭い後席。

同じサイズなのに、どうしてこうも狭いのかと思います。

後席は子供限定で、大人はダメです。

これならいっそのこと、割り切って3ドアでもいいんじゃないかと。

スイフトのみならず、スズキはスペース効率が下手です。

ブートスペースも「何が置けるの?」というくらい奥行きがなく狭いです。

まあそれほど大きなものを置くことはないので、あまりこだわっていませんが。

・いびつな純正タイヤサイズ

「195・45r/17って、何でですか?」と反論したくなるようなレアサイズのタイヤ。

こんなタイヤを採用する必然性があるのか疑問です。

いくらスポーツだからといって、ここまで奮発しなくてもいいでしょうに。

16インチで十分だと思うんですが。

・初心者だったら絶対にぶつけてしまう後方視界

Cピラーが太いのと、最近の流行に漏れず、後ろに行くにしたがいキックアップしてガラスエリアも狭くなるので、見切りが非常に悪いです。

初心者はバックカメラ、必須でしょう。

・何を置くべきか悩む車内の小物入れ

一体、何を置かせるために設けたのか?悩むような使えない小物入ればかりです。

・年式が経つにつれ、多くなる異音

特に冬場での発生率高し、です。

材質が問題だと思います。

まあスズキ基準ですから、仕方ないの無いことですが。

・テンパータイヤの設定がないこと

これがないがため長距離の旅行はかなり不安でできません。

現在は通勤オンリーです。

一応パンク修理キットを積んでいますが、雨天時は役に立たないでしょう。

・時々イラっとくる電子制御スロットル

燃費を良くするためのものなんでしょうけど、反応の鈍さに時折いらいらします。

 

◎総括

同じテンロクでも、昔のリッター100馬力超えのFFスポーツハッチの日産パルサーセリエVZ‐Rとか初代ホンダシビックタイプR等とは次元が違う車です。

どちらかというと、欧州車のコンパクトカーに近く、高回転エンジンを味わうというより運転や走りを楽しむ車です。

自分の車歴で言わせてもらえば、10年以上経ってようやくフォードフィエスタ(MK5)みたいな車が国産車で出たか、という思いです。

しかし欧州のコンパクトカーはさらにこれよりも先を行っている気がします。

数年前に国内販売を打ち切った、現行フィエスタもさらに進化していました。

欧州車と並ぶにはもう少しかなと思います。

 

と辛口ばかりですが、実際走らせると、飛ばしてもおとなしく走っても楽しいです。

ボディ剛性も高く、国産車の中では抜きんでていることは間違いないと思います。

社外品パーツに取り替えなくとも、十分満足できます。

個人的には、スズキが自分のために作ってくれたんじゃないかと思うくらい自分の運転スタイルになじみます。

こんなにしっくりくる車はR34以来です。

もうこんな車は出ないんじゃないかと思うので、定年まで大切に乗りたいです。