私の今回の闘病は、5月上旬にちゃりこのところから帰京してきて、ダウンするような状態となり、検査を受けたところから始まった。
最初の病院では、ブログ記事にも書いたように、自分自身の体調が急性腎不全と診断され、食欲さえなかったところからスタート、院内では夜勤の看護士たちが騒ぎまくったり虐待まがいのことをしているのを目にして、怒りまくり、自分だけのことに専心することができなくなった。
腐れ下道のような看護士たちを叩き直すつもりで、他の科の士長やら全体の看護士長とも交渉し、まともな夜勤状態にさせるとともに、腎臓のほうは少しずつ良くなり、大元の腎臓悪化の原因が判明して血液の癌であることが判明した。
その頃には食欲もバリバリで、運動も筋トレやらウォーキングで動き回っていたけれど、なかなか読書までできなかった。
そんな中で、入院にあたってのキーパーソンをお願いしている女性が、本来は本好きの私への差し入れとして、ブックオフで、小川洋子の「博士の愛した数式」を買ってきてくれた。
彼女は、かつての職場の同僚で、障害者施設で私が生活支援員をしていたときの看護士さんだった。
偉そうにしていながら虐待ばかりやっている常勤の支援員たちを軽蔑しながら、二人で障害者の利用者さんたちに精一杯対応してきた。
後ろ足で砂をかけるみたいにして私が辞めた一年後に、彼女も辞めた。
その後も、手話講習会を一緒に受講したりと付き合いがあって、家も近く、私の家族はちゃりこが地方勤務で、あとは実家の弟は高齢の認知症の父母を一人で世話をしていて動きがとれないこともあって、彼女に入院に関するキーパーソンになってもらったというわけだ。
(保証人は弟、緊急連絡先はちゃりこだけれど)
近くて動けるから、とてもたくさんのことをやってもらっていて、助かる。
特に、今の病院に転院してからは、無菌病棟で面会も不自由なのに、差し入れや洗濯をお願いして届けてもらっている。
感謝だ……
そして、「博士の愛した数式」を再読してから、私の読書魂に火が着いて、小川洋子氏の小説をもう一度全部読破してみようということになった。
もちろん、全ての小説を一回以上は読んでいるわけだけれど、長期の闘病になることはわかっていたので、トライしてみることにした。
転院してからや一時退院中も、ひたすら読み続け、家にある所蔵の本を持ってきてもらったり、図書館で借りてきてもらったり……
最近では、帰省して面会に来てくれたちゃりこにも持ってきてもらったり……
そして今日の夕方、キーパーソンの彼女が、図書館で借りた「シュガータイム」を持ってきてくれた。
それまでに、「沈黙博物館」を読み終えていたので、「シュガータイム」をすぐに読み始めた。
これを終えれば、小川洋子氏の全小説、34冊、再読破……
エッセイも4冊。
キーパーソンの彼女と、小川洋子氏に、限りない感謝……
この間、小川洋子氏以外の作家の小説は、村上春樹1作、乗代雄介3冊、高橋三千綱4冊、田中慎弥1冊、だけだったので、少し柔軟に、読書のジャンルを広げていこうかな……
長期入院なんて機会がなければ、できなかったことだろうし、転んでもただでは起きない、それもモットーかな(笑)