昨夜エルサレムでくったくたになって、ミコラ君とお家に帰ってワインを飲んで寝たのが夜中1時過ぎ。
そして今朝は死海へ行くツアーの集合時間が6時半のため、5時起床です。
眠いを通り越して、意識朦朧…
本当にこの旅ではミコラ君に頼りっぱなしで、このツアーもミコラ君に見つけて申し込んでもらったし、
ミコラ君がイスラエルのSIMカードを購入してくれてたお陰で、ネットでなんでも調べてられます。
これまで、誰かと旅行に行くときは、ほとんどのケースで私がアレンジをし、みんなを引きずり回して
いたのですが、こんなに丸投げしていい旅は初めてで、とてもリラックスできています。
(行き先がイスラエルだったのは残念ですが)
この早朝移動もバスのルートが見つかり、驚くほどスムーズに行くことができました。
ただ、早朝のバスに乗るメンツがめちゃめちゃ怖かった。
スラム感満載な車中に、ウクライナ人と日本人のコンビが妙に浮くという絵面に…
ユダヤ教では金曜日の日没から土曜日の日没までがシャバッドと呼ばれる安息日となっているため、
公共交通機関が機能しなくなってしまうこともあり、今日12/30(金)のマサダ&死海ツアーは参加者が多めな気がしました。
大型バス乗車後、
なんか今日の運転は荒いなぁ
とは当初から感じていたのですが、徐々に気分が悪くなり、パレスチナ地区に入る頃には貧血の症状が出始めました。
そんな私に向かって、私の体調の悪さを知る由もないミコラ君が
「あ、先生、ほら、ラクダがいるよ」
とのん気に話しかけた時には、心の中で
「黙れ!こちとらそれどころじゃねーんだよ。」
とつぶやくほどギリギリの状態で、到着が後5分でも遅れようものなら、上からか下からか、何かが出てしまってたかもしれません。
ということで、フラフラで最初の見学地(何の遺跡かはまったくもって謎)に降り立ったはいいものの、
見学をパスしてお土産屋さんに併設されたレストランで休ませてもらうことにしました。
すると、店の奥から心配したボーイさんが出てきて、コーヒーを勧めてくれました。
でも、こんな状態で、ドロドロのトルココーヒー飲んだら、よっぽどまた気分が悪くなる…
と思いお断りすると、今度はレモネードをついで持ってきてくれました。
そして別のボーイさんがミントを片手に、これでフレッシュミントティーを作ってあげると提案してくれました。
こみ上げる豆のげっぷの間から、振り絞るように「ありがとう」と言って飲んだミントティーのおかげで、
やっと貧血から来るめまいがおさまった気がしました。
昨日食べた豆料理が、まさかこんな形で私を襲撃してくるとは…
体が冷えてしまっていたので、日向ぼっこのために外に出ると、残っていた男性のガイドさんが、
そこにあった奇跡の泉の説明をしてくれました。
ほんの20センチ程度しか離れていないのに一方からは死海と同じ塩度の水が出ていて、
もう一方からは飲用できる水が湧き出ているという不思議な泉だそうです。
(でも、その後、観光客が空のペットボトルに飲める方の水を汲んでいましたが、透明ではなくほのかに黄色く濁っていたので、
体にいいと言われても飲む気がしなかったです)
20分程休憩できたので、ずいぶん気分が落ち着いていたところへ、遺跡の見学を終えたミコラ君が帰ってきました。
「先生、大丈夫ですか?」と訊くのと同時に
「先生、さっきガイドさんにナンパされてたんですか?」という質問も忘れずにしてくれました。
ミコラ君のこういう、あまり深刻になりすぎないところが私は好きです。
マサダ遺跡までの移動の1時間半をひたすら眠って過ごしたおかげで、
マサダ遺跡は見学できる、というかチケットを買ってるミコラ君に
「ロープウェイは値段が高いから、帰りは歩いて降りてきてもいいんじゃない?」と提案しそうになる位には回復しました。
バスでの移動中、ミコラ君は眠り続ける私を見ながら(このまま目を覚まさなかったらどうしよう)と心配してくれたとのことでしたが、
その割には爆睡している私の顔の写真を隠し撮りしたりして、感動する必要はなさそうでした。
マサダは岩山の絶壁に建設された城壁跡で、ローマ軍に攻め込まれた際に、残された女性や子供を中心とした市民が、
捕虜になるよりは民族の誇りを守るために自害しようと集団自害を行った悲しい歴史の舞台だそうです。
集団自害ってどうやってするのかと思ったら、まず100人以上を殺害する人を10人選び、その殺害が終わった後残った人で
また殺人役を選び、最後に残った人が自殺するという方法をとったそうです。
そんな血塗られた歴史を持つマサダの遺跡ですが、残っている部分はほとんどなく、きっとペルーのマチュピチュのように、
紀元前後にこのような断崖絶壁の岩山の頂上に王国を築いたということに価値があるのだと思います。
それと、ここから死海を臨む景色が絶景だということも大きいですね
ミコラ君から、
「先生、誰かここに見学に来ている人でタイプの人を見つけたら、ハンカチを落として、知り合いになるきっかけを作らなきゃ」
と言われ、ハッとしました。
バカバカ、私のバカ。
こんなとこまできて、うっかり遺跡なんて見てしまった。
酔っぱらったロシア人(世界中のどこでも見つけることができる)がロシア人あるあるで
変なポーズで記念写真を撮っているのを、ミコラ君とゲラゲラ笑いながら、大声でこき下ろしてる場合じゃなかった!
高い入場料払ったんだから、誰かかっこいい外国人の方とお近づきにならなくては。
しまった、ハンカチさえ持ってきてない!
わーん、落とすものがない!
と、そうこうしているうちに集合時間。
む、無念…。
続きます。