リネンの魅力に出会う旅-2017年4月-国境で警察に列車から降ろされた編③ | おすすめリネン通販 ねんねん

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『東欧を旅するリネンのお店・ねんねん』店主が綴る、
リネンのこと、旅のこと、東欧の暮らしのこと

ベラルーシとリトアニアの国境駅で警察から降ろされた私。

一緒に降ろされていたトルコ系オランダ人(トゥンチャイ)と空港へ向かうことになりました。(これまでのお話

トゥンチャイがWi-Fiを飛ばしてくれたおかげで助けられたものの、何かちゃらちゃらした落ち着きがない男だなぁ、というのが彼に対する私の第一印象でした。

拘束されているときも、警察官に冗談を飛ばしたり、国境警察内で写真を撮ろうとして注意を受けたり、駅の待合室でもスカーフを頭にかぶったおばあちゃんの写真をこそっと撮るために私に盾になるように頼んできたりと、自分が置かれてる状況をちゃんとわかってるのかなぁ、ヘラヘラしてふざけてるよな、この人と思ってました。

国境警察から解放され、駅でミンスク行の切符を買う際、私が少しロシア語が理解できるので代表して買いに行ったら、隣同士の席で私が二人分まとめてカードで購入することになってしまいました。(何回かロシア語風に“私たち2人は席も会計も別々です”、と言ったつもりだったんですが、全然伝わっていなかったんでしょうね)

ただ、そのことをトゥンチャイに告げるとなぜかすごく喜んでいて、「じゃあ夕食は僕が払うよ」と言い、何だかそれからすごくなついてきました。

ミンスクへ戻る列車の中で、私は明日まで続くビリニュスへの過酷な移動に備え、少しでも体力を温存すべく寝ようと思ってたのですが、トゥンチャイがずっと話しかけてきました。

オランダ人と聞いたとき、全然そう見えないなぁと思ったんですが、彼は両親がトルコからの移民で、生まれも育ちも言語もオランダではあるものの、ルーツはトルコとのことでした。

数時間前に初めて国境警察で顔を合わせたばかりなのに、ミンスクへ向かう列車の中で、私はトゥンチャイのベラルーシへの旅の目的、仕事や家族のこと、そして恋愛観まで知ることになりました。

私にはオランダ人の友達がいないので正確に比較はできないんですが、この人懐っこさ、これは完全にトルコ側の性格を感じます。

どうやらトゥンチャイはトラブルの達人らしく、オーストラリアに1年間留学していた際にLCCで日本行の安いフライトを見つけ、思い付きで日本に来たはいいものの、宿泊場所が決まっていないことで入国審査を通過できず、結局空港で寝泊まりし、空港から出られないまま帰国したそうです。

あはは、計画性なさすぎ。

その他にも旅先でお財布を盗まれたりしたことも多々あるらしく、家族もちょっとやそっとのことじゃ動じなくなってるのだとか。

なるほど、かなり不注意なタイプなんですね。

でも、トラブルについてある程度以上の耐性がついているところは、すごいです。

列車がミンスクに到着後、彼が予約してくれたUrberでレビューの高かったベラルーシ料理のレストランへ行き、夕食を取りました。

ベラルーシに来て、初めてのレストランで食べる食事です。まだ緊張してたのかそんなにお腹が空いてはいなかったんですが、スープで体が温まりほっとしました。

ライブ演奏を聴きながらビールを飲んで、やっと、この状況を面白がれるようになってることに気づきました。

日付が変わるまでに、空港のパスポートコントロールを通過しておかないと違法滞在になってしまうというトゥンチャイの希望もあり、お互いの便は翌朝でしたが22時過ぎに空港へ到着しました。

インフォメーションセンターで状況を説明し、パスポートコントロールを今夜中に通れるかを訊いたところ、

彼のチケットはウェブチェックインができるので預ける荷物がないなら、今からパスポートコントロールに向かい、今夜中に通過しなければ500ユーロの罰金が課せられるとのこと。

ただ、22時半にパスポートコントロールは一旦締まり、早朝に開くのですぐ向かわなければならない、と言われました、

この説明を聞いた時点ですでに時計は2220分をまわっていました。

ん????

それを聞いたトゥンチャイは大急ぎでウェブチェックインをして、私がゆっくりお礼を言う間もなく、全速力で搭乗口へと消えて行きました。

インフォメーションセンターのお姉さんは、

「あれは多分間に合わなかったと思うよ」と呟いていたので、しばらく待ってみましたが、戻ってこなかったので無事パスポートコントロールを抜けられたようでした。

一人残された私は、寒さと闘いながら、空港で一晩過ごし、翌朝無事にビリニュス行の飛行機に乗ることができました。

 

旅の途中で、どうなることかと思ったけれど、色々な人に助けられて、大きな損害もダメージもなく、また新たなエピソードを足すことができて、本当によかったです。

家族や友達がこの一件を笑って聞いてくれたからよしとしよう。

みなさんも、ちょっとマイナーな国に行くときは、くれぐれも注意してくださいね~

 

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