前の会社は財閥系大企業の子会社だった。
勤務していたビルの7階に、本体の部署というか支署があって、本体の社員がいた。
ある本体の女性社員が結婚を機に本体での激務が続けられなくなり、子会社に転勤してきた。
子会社の独身女性社員は、本体社員との合コンを設定してくれと、その本体から来た子に必死に頼んでいたが、決して首を縦に振らなかった。
独身女性社員は「あの子ケチ」と憤慨していたが、その頃名門大学に娘が合格した私には、本体のエリートたちが、子会社の無名短大卒の女性と合コンなどするはずがないことがわかっていた。
そこまではわかっていたのだが、上流の人間は学歴だけ追いついても、結婚まではしないことを、昨日もう一度「あの子は貴族」を見て、初めて理解した。
長女は学歴だけ上流だったので、上流の人に結婚してもらえなかったのか…
次女は、中小企業経営者の息子ではあるが、地方だし、業種も鉄工業で、上流まであと1歩という家柄の婿だったので結婚できたのか…
それでも婿は、出身の名門中高一貫校のコネで、今の一流企業に入社したし、結婚式の司会は、友人だという国営放送現役花形アナウンサーだったし、準上流ではあったのだなあ。
でもね…
我が夫は鎌倉時代からの家系図が資料館に保存してあるような名家の末裔なのですよ。
それが今や、下層階級なのだから、昨日も書いたけど、貴族でいられるのは一時期のことなのです。