実家売却にあたり、処分できない空き家を抱える恐怖をたっぷりと堪能した私は、独身の伯父がいることを思い出し、もし遺産に不動産があったらどうしようと思っていた。
が、調べたところ、独身だと思っていた伯父は結婚していて、娘もいることがわかった。
伯父さん、結婚していてくれてありがとう!
そうすると、生涯独身だったのは私の父の妹だけだったのか…
戸籍を辿ると、どうやら伯母は独身だったので、母親と二人で暮らしていたようだが、その家は処分して、最期は低額ケアハウスに入居していたのだった。
伯母さんも不動産を処分しておいてくれてありがとう!
結局、一昔前ですら、親と最期まで同居してくれるのは、独身の子供だけなのか…
満州貴族だった父方の祖父母は、男児4人を含む6人もの子供を設け、お手伝いさんのいる家で裕福に暮らしていて、こんな晩年になるとは想像することもできなかったと思う。
伯母は昭和初期生まれなのに、身長が170㎝あり、それはそれは美しかったそうだ。
満州から命からがら引き上げ、家は傾き、大学に行かれなくなってしまった伯母は、英語の学校に通っていたそうだが、キャリアを構築したりは出来なかったようだ。
おまえが知らないだけで今の日本は階級社会で、とてつもない金持ちがいると識者は言うかもしれない。
いや、私けっこう金持ちと呼べる人たちを知っていますよ。
でも、祖父母のように敗戦の影響をモロにかぶったり、義姉のように相続税にヤラれたり、今上流である人が先々まで上流でいられるかは保証の限りではないのだ。