回転寿司店で背中を丸めて茶碗蒸しを食べていると、長女がすかさず「背筋伸ばして食べなよ!」と激を飛ばしてきた。

 

言い訳をすれば、私は腰部分の椎間板がひとつ完全に潰れているせいか、背筋を長い時間伸ばしていると辛くなってくるのだ。

 

曽野綾子さんのお母様がレストランでお腹が苦しくなって帯を緩めたところ、曽野さんが大声で叱りつけたと、夫の三浦朱門さんのエッセイに書いてあったことを思い出した。

 

凄まじいモラハラ夫に耐えていたお母さまを離婚させ、引き取り、約二十年も面倒を見た曽野さんは大変な孝行娘だが、ウチの長女と同じで、自分にも人にも厳しいところがある。

 

だから二人とも仕事で成功を収めているのだろうが、やはり老後の世話にはなりたくないと思う。

 

幸い私は娘の世話にならなければ生きていかれないわけではないので、曽野さんのお母様と違って娘と距離を置くことが出来る。

 

独身者に言う「結婚しないと老後寂しいよ」という脅しは完全に間違っています。

 

老後は結婚しようと子供がいようと本当に寂しいものです。

 

でも老年はもはや死が近いのだから、この世に未練がなくなって良いらしいです。