今夏・・屈指の好カードと呼ばれた横浜高校対履正社高校の対戦。

 

先発ピッチャーは【石川君】のアナウンスを聞いた時、

ここで来たかというのが正直な感想でした。

左打者が多い履正社打線に大舞台に強い達也。

 

【石川達也】私の大切な教え子です。
 

 

達也が先発と聞いたときに胸の高鳴りが高くなったと同時にどうしても気になることが一つ。


それは・・

 

【雨】・・

 

肩の調子が良くなく痛み止めの注射を打っていた達也。

長い時間の試合は避けたいと。

 

そして、リトルでのある試合が頭をよぎっていました。

大事な試合で強豪相手に快投を続けていた彼は、強く降り出した雨に制球を乱し、

その後、逆転負けを喫しました。

試合後、ずぶ濡れになって、ただただ泣く彼に自分の上着を着させた事を今でも鮮明に覚えています。

 

 いろんな想いが交錯する中・・試合開始のサイレンが鳴りました。

 

先頭バッターを三振に取ると、二番バッター・三番バッターも三振の3者連続三振と絶好の立ち上がり。

 

ですが、どうしても気になる雨・・

 

そして、2回・・

雨足が強まり中断。

 

その直後のバッターを三振にとりました。

自分が心配しすぎなのだと。

もう達也は昔の達也でないと思った時・・

 

2度目の中断。

 

肩の痛みは大丈夫なのだろうか・・

頭によぎる不安。

 

試合再開後・・

8番バッターに3ランを打たれ…

達也はこの回でマウンドを降りました。

 

 

甲子園のマウンドという日本一小さいけど、

日本一険しい山に登るために努力してきた達也。

 

その日本一小さく険しい山は雨で泥々になっていました。

 

野球にタラレバはありません。

ですが、あの時、雨が降っていなかったらとどうしても思ってしまう自分がいます。

  

向こうっ気の強い彼は県大会中もストレートに拘っていました。

【投げたい球じゃなくて勝ちたい球を投げなさい】と彼に言ったことがあります。

 

この間会った時に彼にそのことを聞いてみました。

 

達也は、少し考えて・・

 

「勝ちたい球を選んでストレートだったんですよ。」

 

とニコっとした顔で答えた彼に青空が少し戻ったように思えました。

 

雨のあとには…

青空が出ます。

 

そして・・虹が出ます。

来春から彼の登る山は神宮の山に変わります。
また大事な試合で雨が降るかもしれません。

 

でも…
 

虹を見るためには…

 

雨を越えなきゃな・・達也。

 

石川達也に虹がかかるまでこれからも応援していくつもりです。~年中夢球~