台湾もデンマークも、その面積が九州とほぼ同じなことを知った6月。<6月の読書メーター> | 北海道・最東端からの不定期通信<Part.2>

北海道・最東端からの不定期通信<Part.2>

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6月の読書メーター
読んだ本の数:15
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逸脱捜査 キャリア警部・道定聡 (角川文庫)逸脱捜査 キャリア警部・道定聡 (角川文庫)感想
“しりとり読書”114冊目。既読は、①『土井徹先生の診療事件簿』(2015年8月読了)、②『学園天国』(函館市中央図書館/同年11月読了)、③『1985年の奇跡』(市立富良野図書館/2017年11月読了)、④『キャリア警部・道定聡の苦悩』(同図書館/同年12月読了)の4冊。函館勤務2度目の2015年7月。週末、ふらっと訪れた青森、『宮脇書店青森本店」で中村佑介氏のカバーイラストに惹かれて買った①以外は図書館本。これは再読だなぁと感じていたら④が改題されて文庫化の本書。それがあっての「い」で始まる本だった。
読了日:06月28日 著者:五十嵐 貴久
特捜部Q ―Pからのメッセージ― (ハヤカワ・ミステリ 1860)特捜部Q ―Pからのメッセージ― (ハヤカワ・ミステリ 1860)感想
シリーズ物は読む順番にこだわる私だが、本シリーズは例外。まずたまたま1冊だけ買っていた第5弾「知りすぎたマルコ」から。面白かったので以降は図書本にて第1弾から順次読み進めての第3弾。カール・マーク警部補にアサドとローセのお馴染みの面々にローセの双子の姉・ユアサも登場。肉厚なるミステリをじっくりと堪能。「北欧5ヵ国を代表するミステリ賞『ガラスの鍵』賞受賞作」。う~む、5ヵ国目が浮かばず調べたら、そうかアイスランドだった。政治・経済などデンマークの今(時は2009年3月)が随所に反映されているようで悪くない。
読了日:06月25日 著者:ユッシ・エーズラ・オールスン
蔭桔梗 (創元推理文庫)蔭桔梗 (創元推理文庫)感想
既読は『揚羽蝶』(根室市立図書館/2009年3月読了)から『ダイヤル7をまわす時』(2023年7月読了)まで12冊(10作品)。うち『煙の殺意』が3度(2014年3月/2017年4月/2019年1月)の読了。まあ読メ登録(2009年1月)後だとこれくらいだろうか。登録前を含めた全期間・国内作家なら鮎川哲也、樋口有介とともにベスト3の読了数と思われる。帯には「男女の恋愛に絡む謎解きを描く、第103回直木賞受賞作」。表題作を含む11編。ミステリ作家にして紋章上絵師で奇術師の著者。匠の技を堪能。いざ『折鶴』へ。
読了日:06月21日 著者:泡坂 妻夫
成瀬は信じた道をいく成瀬は信じた道をいく感想
前作(本年4月読了)でその作品と成瀬あかりのあまりの潔さに衝撃を受けた。随分元気がもらえて、こんな読後感はなかなか。どうやら著者の本は2冊だけ。すぐにも読みたい気持ちをグッと堪え我慢も限界の本書。新たに北川みらい・城山友樹・呉間言実・篠原かれんが登場。第5話「探さないでください」では島崎みゆきも来てオールキャストで駆け巡る。比類なき成瀬あかりが愉しい。『本屋大賞2024』・「受賞の言葉」によれば「成瀬はしばらく放牧に出すつもり。だけどいつか必ず戻ってくる」とのこと。うむっ、時々再読しながらジッと待とうか。
読了日:06月19日 著者:宮島 未奈
流警 傘見警部交番事件ファイル (集英社文庫)流警 傘見警部交番事件ファイル (集英社文庫)感想
『逸脱捜査 ~キャリア警部・道定聡~』(五十嵐貴久)を読みながら、松嶋智左も読みたくなって本棚へ。並ぶ8冊のうち未読は<元白バイ隊・野路明良>シリーズの3冊だが、未整理(まさに積読本)からの本書。わりと最近知った作家。<女副署長>シリーズ3冊を含め既読本5冊は遅読な私にしてはハイペース。さて本書。人口減少で傘見警察署から傘見警部交番に格下げされた傘見地区が舞台。巻末には黒川博行氏との特別対談も。悪くない。2年後、滝川署に統合されるらしい近隣の芦別署(芦別市)と赤歌署(赤平市・歌志内市)のニュースが重なる。
読了日:06月17日 著者:松嶋 智左
どうしようどうしよう感想
たぶん深夜番組で知った著者。ネットで検索したら岩本恭生・細川ふみえ・飯島愛らの『ギルガメッシュないと』(テレ東系/1991年10月~1998年3月)が14年ぶりに復活の『ギルガメッシュLIGHT』(BSジャパン/2012年1月~同年12月)。当時、函館に住んでいた私は、「唯一地上波で放送されていたテレビ北海道(テレ東系)」で観たようだ。『壇蜜日記』(2017年2月読了)に次ぎ2冊目。冒頭に「昭和生まれ、女子校育ち。副業なしで壇蜜として勤めて5年。人生は“どうしよう”の連続だ」。壇蜜35歳の告白は味がある。
読了日:06月16日 著者:壇蜜
寮生 ―一九七一年、函館。― (集英社文庫)寮生 ―一九七一年、函館。― (集英社文庫)感想
『台湾鉄路千公里』(宮脇俊三)に続く“しりとり読書”の113冊目。ブログ内を検索。富良野に移住して間もない2017年7月「GEO富良野店」での購入。当時のアメブロに「著者が高校時代を過ごした函館が舞台。私も5年住みましたので」との投稿が。すぐにも読むつもりが、7年の時を経ての読了と相成った。さて本書。主人公は、1971年春、函館にある憧れの私立高校に入った<僕>。1955年北海道生まれ、函館の男子高校の寮生だった(関口苑生氏の「解説」に詳しい)著者に重なる。“自伝的青春小説”感が仄かに漂う学園ミステリー。
読了日:06月15日 著者:今野 敏
相棒に気をつけろ (集英社文庫)相棒に気をつけろ (集英社文庫)感想
書き下ろしコン・ゲーム小説『猿蟹』(鯨統一郎)を読み終え、ちょっとずつ読み進める私にはやっぱり連作短編集が合うなぁと痛感しての本書。読メ登録後の文庫版(2017年3月と2018年3月読了)の前に単行本でも読んでいて(ふらっと故郷に帰省するような感覚で)6度目くらい。思えば、多作な御大・逢坂剛にも関わらず本<世間師>シリーズと<御茶ノ水署>シリーズのユーモアコンビものばかり繰り返し。食わせ者・四面堂遥とコンビを組んだ世間師の男。名前の数は仕事の数。<名無し男>が語る一人称小説。これぞコン・ゲーム小説を実感。
読了日:06月13日 著者:逢坂 剛
夫には 殺し屋なのは内緒です 2 (講談社文庫 か 144-20)夫には 殺し屋なのは内緒です 2 (講談社文庫 か 144-20)感想
「甘ちゃん同心と、しっかり者の妻の活躍が楽しすぎる」<うちの旦那が甘ちゃんで>シリーズ(全10巻)に始まり、「10巻揃ったあとの、うれしい特別編!」の<鼠小僧次郎吉編>と来て、「奉行所一の切れ者は、今日も姉に振り回される!?」の『捕り物に姉が口を出してきます』。そして「ごく普通の結婚をしたはずなのに柳生家の父から催促されて困ってます」の『夫には 殺し屋なのは内緒です』。どれも時代小説とは思えぬ軽やかなタッチで悪くない。設定も展開も毎度お馴染み。主人公の心の声そのままな感じのタイトルが可笑しくて、愉しい。
読了日:06月09日 著者:神楽坂 淳
台湾鉄路千公里-完全版 (中公文庫 み 54-1)台湾鉄路千公里-完全版 (中公文庫 み 54-1)感想
『杉浦日向子ベスト・エッセイ』に収録の二人の「往復書簡」が面白くて、そういえば今まで無縁だったなぁと買い始めた宮脇俊三。『最長片道切符の旅』(2022年1月読了)に始まり気が付けば6冊が本棚に鎮座。“しりとり読書”の112冊目に選定の本書。戒厳令下の1980年、国営鉄道全線・千公里を乗り尽くしの旅(紀行文)に、その後、改軌後の台東線に乗車の83年(エッセイ)と、南廻線が開通し鉄道での台湾一周が可能となってからの94年(紀行文)を増補した「完全版」。面積は九州本島とほぼ同じらしい台湾に暫し思いを馳せてみた。
読了日:06月07日 著者:宮脇 俊三
きょうも猫日和 (ハルキ文庫 い 23-1)きょうも猫日和 (ハルキ文庫 い 23-1)感想
既読は『薔薇をさがして・・・』(2010年6月読了)、『優しさごっこ』(2021年11月再読)の2冊。思えば『ぼんぼん』、『冬の光 ~続・優しさごっこ~』などを読んでいたのは読メ登録(2009年1月)より30年近くも前のこと。昨年8月「岡書(OKASHO)帯広イーストモール店」での購入。単行本『きょうも猫日和』(1991年)からの10篇と『飛ぶ教室 第40号』(2015年1月)に収録の「ばけねこざむらい」(遺作)を加えた、心から猫を愛した作家による11篇。今江祥智の本には宇野亜喜良氏の装画が良く似合う。
読了日:06月05日 著者:今江 祥智
全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割 (幻冬舎文庫 お 61-1)全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割 (幻冬舎文庫 お 61-1)感想
長いタイトルの本も、実は短歌も嫌いじゃないので買ってみた。帯には「歌人芸人による“不幸短歌”&エッセイ」。「定型に囚われないフリースタイル短歌」とのこと。著者は芸人さんなのでネタ作りと同じような感覚で日常生活を捉えた中で生まれた短歌なのかもしれない。さて、私が読んだ本で長いタイトルと言えば『こんなコラムばかり新聞や雑誌に書いていた』(植草甚一/本年5月読了)だろうか。そうそう、『十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。』(遠藤周作/2019年7月読了)なんて本もあった。
読了日:06月04日 著者:岡本 雄矢
猿蟹 saru・kani (小学館文庫 く 2-7)猿蟹 saru・kani (小学館文庫 く 2-7)感想
頓挫して久しい本の発掘作業(段ボール箱の開梱)の再開を思い立ち、まず本棚内の整理に着手。そんな中、いったん「図書館への寄贈本」に仕分けされながら、いや待てよと思い止まっての本書。既読本は、『今宵、バーで謎解きを』(2013年2月読了)、『堀アンナの事件簿』(同年6月読了)、『横浜「佐藤さん」殺人事件』(2018年1月読了)の3冊。2017年4月「喜久屋書店富良野店)での購入。帯には「騙す奴から奪い取れ!書き下ろしコンゲーム小説」。数冊を少しずつ並行的に読み進める私ゆえかもしれないが、物足りなさも否めない。
読了日:06月03日 著者:鯨 統一郎
捕り物に姉が口を出してきます 五月大福 (ポプラ文庫 か 13-2)捕り物に姉が口を出してきます 五月大福 (ポプラ文庫 か 13-2)感想
神楽坂淳の既読は、①『大正野球娘。』(2009年1月読了)に始まり、相当な期間を空けて②<うちの旦那が甘ちゃんで>シリーズ(全10巻+鼠小僧次郎吉編/2020年12月読了~2022年5月読了)、③『夫には 殺し屋なのは内緒です』(本年4月読了)の13冊。①以外の12冊が時代小説ではあるのだが、そのユニークなタイトルに示されているとおりサクサクと軽快に読める作品ばかり。堅苦しさは微塵もない。で、そうだったのかぁと江戸の風俗・文化を学ぶ場面も少なくはない。時代小説にしてライトノベル。そんな感じに愉しんでいる。
読了日:06月02日 著者:神楽坂 淳
天使たちの探偵 (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-3)天使たちの探偵 (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-3)感想
私と<沢崎>シリーズとの出合いは、あまり本も買わず図書館も利用したことのなかった初期の札幌時代。行きつけだったススキノの喫茶店のマスターから原尞を勧められ『そして夜は甦る』(昨年7月再読)と直木賞受賞直後の『私が殺した少女』(昨年10月再読)を読んだ。その後、本書(2012年11月読了/芦別市立図書館)、『さらば長き眠り』、『愚か者死すべし』(2018年5月読了/市立富良野図書館)を購入するも頻繁な引っ越しに伴い何れかの段ボール箱内に収納されたまま。改めて買い揃えながら、ハードボイルドな世界に浸っている。
読了日:06月01日 著者:原 りょう

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