“爆走する孤高の女子中学生・成瀬”が良かった。 <4月の読書メーター> | 北海道・最東端からの不定期通信<Part.2>

北海道・最東端からの不定期通信<Part.2>

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4月の読書メーター
読んだ本の数:13
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山田正紀・超絶ミステリコレクション#2 山手線連続通り魔 囮捜査官 北見志穂1 (徳間文庫)山田正紀・超絶ミステリコレクション#2 山手線連続通り魔 囮捜査官 北見志穂1 (徳間文庫)感想
あまり馴染みのない作家だが、いつの間にか「徳間文庫41年目の本気【トクマの特選!】」が取り組まれて、復刊されていた数名の作家・作品の中から都筑道夫とともに選んでみたところ。『妖鳥(ハルピュイア)』(本年2月読了)に続き2冊目。青崎有吾氏の解説に「四半世紀前の発表作が三度目の復刊。ミステリーとして優れており、まだまだ読まれる価値がある」とあった。山手線で発生した痴漢・殺人事件に美貌の囮捜査官・北見志穂が挑む。意外性もあって悪くない。更に「首都高バラバラ死体」「荒川嬰児誘拐」「芝公園連続放火」へと続き愉しみ。
読了日:04月30日 著者:山田正紀
ミワさんなりすます (8) (ビッグコミックス)ミワさんなりすます (8) (ビッグコミックス)感想
「2023年10月17日初版第1刷発行」の本書。巻末に「第9集 2024年3月末頃 発売予定」とあったので最新刊・次巻の入手を待ってから読もうと決め、時折、書店のコミック本のコーナーを覗いてみるのだが見当たらず。「まあ予定は未定ということかぁ」と待ってはみたものの結局(待ちきれずに)堪らず(しかも瞬時にして)読み終えてしまった。ドラマの原作コミック本とはいいながらそもそも連載継続中らしく、ドラマの後半部分はオリジナルだったのかもしれない。バレたら終わりの“サスペンスフル・コメディ”。更に次巻をジッと待つ。
読了日:04月29日 著者:青木 U平
体育座りで、空を見上げて (幻冬舎文庫 や 24-1)体育座りで、空を見上げて (幻冬舎文庫 や 24-1)感想
爆走する女子中学生・成瀬の『成瀬は天下を取りにいく』(宮島未奈)に激しく感動しながらボーッと本棚を眺めていて遭遇の本書。ブログ内を検索。芦別時代、2012年9月「西武旭川店B館」9階「三省堂書店旭川店」での購入。「函館店、札幌店が閉店し道内唯一の西武百貨店となってしまった」旨の投稿も。和光妙子の12歳から15歳まで、中学の入学式から卒業式までを描いた物語。「カセットテープを巻き戻し尾崎豊の『15の夜』をエンドレスで聞く」あたり、時代的に1970年生まれの著者に重なる。瑞々しくて瞬時に思春期に引き戻される。
読了日:04月28日 著者:椰月 美智子
銀座のカラス〈上〉 (新潮文庫)銀座のカラス〈上〉 (新潮文庫)感想
下巻の巻末に「平成3年10月朝日新聞社より刊行」とあるが、元々は朝日新聞の連載小説(1989年11月~1991年2月/全435回)。ブログ内を検索したら「根室市図書館から借りた『画集・銀座のカラス』(沢野ひとし/本の雑誌社)が良かった」(2007年8月/ジュゲム)と「上・下巻を網走市駒場『BOOK・OF網走店』で購入」(2014年7月/アメブロ)。どちらにも「北海道新聞のほかこの時期だけ朝日新聞も購読し毎日スクラップブックに貼り付けていた」旨の投稿。2度目の札幌時代。当時、朝日新聞朝刊で読んで以来の再読。
読了日:04月23日 著者:椎名 誠
樹林の罠樹林の罠感想
兎に角シリーズ物が好きで、読むに際しては妙に(律儀に)順番にこだわるタイプである。なのに「第1シリーズ完」の『警官の酒場』を先に読了し、図書館への返却とともに前作となる本書を慌てて借りてきた。思えば、第1弾『笑う警官』(2019年10月読了)から第9弾『雪に撃つ』(2022年6月読了)まで文庫版で順次読む進めているうちに「前作の文庫化後に最新刊(単行本)が発売されるもの」と(勝手に)思い込んでいたフシもあり、不覚である。大通署のある札幌をはじめ道内を転々としてきた者として、これほど魅力的な警察小説はない。
読了日:04月21日 著者:佐々木 譲
特捜部Q ―キジ殺し― 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 7-2)特捜部Q ―キジ殺し― 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 7-2)感想
自宅本棚に(ポケット・ブック判で)佇んでいた第5弾「知りすぎたマルコ」(昨年12月読了)を“しりとり読書”の105冊目に選定したところから始まった<特捜部Q>シリーズ。「2014年8月『フジヤ書店』(網走市)で購入」していて、9年の時を経て読了。その後、図書館に(文庫判と併せれば)揃っているのを確認し、残りは買わずに図書館本にて。第1弾「檻の中の女」(本年2月読了)に続いての第2弾。舞台は北欧・デンマーク。特捜部Qのカールとアサドとローセが不器用に駆け巡る。充分なる読み応え。いざ「Pからのメッセージ」へ。
読了日:04月20日 著者:ユッシ・エーズラ・オールスン
凶刃―用心棒日月抄 (新潮文庫)凶刃―用心棒日月抄 (新潮文庫)感想
久々、藤沢作品の研ぎ澄まされた文章が読みたくなって本棚から抽出の『用心棒日月抄』(本年1月読了)が存外の面白さで。第10話「最後の用心棒」を読み終え、後日の再読を決意したのだが、巻末の「既刊」欄に続編(しかも3作)を発見。嬉々として買い揃え、『孤剣』(2月読了)、『刺客』(3月読了)と来て、惜しくも最終巻。短篇連作の前3巻に対し長篇の本書。前巻から16年の歳月が流れ、青年剣士だった青江又八郎も40代半ば。藤沢作品及び本シリーズを熱く語る各巻・解説の各氏(尾崎秀樹・向井敏・常盤新平・川本三郎)に激しく同感。
読了日:04月18日 著者:藤沢 周平
ミワさんなりすます (7) (ビッグコミックススペシャル)ミワさんなりすます (7) (ビッグコミックススペシャル)感想
昨年10月~12月に放送されたNHK夜ドラ(久保田ミワ 役:松本穂香/八海崇 役:堤真一/全10回)の余韻に浸りつつ、敢えてちょっとずつ読み進めている原作コミック本の第7巻。「第四十三幕 何者?」から「第四十五幕 うしろグライ・マッチョ」「第四十七幕 彼女がその名を知らないロケ地」などを経て「第四十九幕 誰も、知らない」までの7話。なるほど、この辺りの展開は原作の方がハードな印象。実写版のドラマは少し表現がおとなしめ。一応、ドラマは完結した感じだが原作は継続中とも思われそのあたりの兼ね合いかもしれないが。
読了日:04月14日 著者:青木 U平
成瀬は天下を取りにいく成瀬は天下を取りにいく感想
へそ曲がりな私。各賞受賞作や話題の本には(その盛り上がりが落ち着くくらいまで)手を出さない。ではあるのだが本書。そのタイトルと表紙装画の魅力もあって“気になり指数”がMAX。遂に先月、本書を「くまざわ書店東神楽店」、第2弾を「TSUTAYA滝川店」にて購入し(10日が本屋大賞の発表日とも気付かぬまま)着手。6話収録の短編連作集。1作目「ありがとう西武大津店」を読み終えあまりの潔さに衝撃を受けたところで大賞受賞を知り、そりゃそうだろう。2016年9月“甲子園参戦!”時に一度だけ訪れ散策の大津のマチが甦る。
読了日:04月13日 著者:宮島 未奈
ことり (朝日文庫)ことり (朝日文庫)感想
既読は「札幌行き『特急スーパー北斗19号』への乗車直前、なるべく薄くを基準に『北文館函館駅店』で買った」らしい『偶然の祝福』(2011年12月初読/2016年4月再読)に始まり『寡黙な死骸みだらな弔い』(2022年10月読了)まで11冊(10作品)。で、「いま読んでいる『遠慮深いうたた寝』(2022年6月読了)の中のエッセイでこの物語に関係するらしい文鳥のことが書かれていたので『未来屋書店三笠店』で購入」の本書。小鳥のさえずりにじっと耳を澄ませ、優しくて切ない物語。余韻に浸りつつ冒頭部分を読み返してみた。
読了日:04月09日 著者:小川 洋子
夫には 殺し屋なのは内緒です (講談社文庫)夫には 殺し屋なのは内緒です (講談社文庫)感想
神楽坂淳の既読は12冊。最初が読メに登録直後の『大正野球娘。』(2009年1月読了)。その後はグッと間が空き、『うちの旦那が甘ちゃんで』が“しりとり読書”の39冊目に選定されたことを契機に「シリーズ全10巻&鼠小僧次郎吉編」(2020年12月~2022年5月までに読了)。「ちょうど坂井希久子の<居酒屋ぜんや>シリーズ(全10巻)を読み終える頃に遭遇し、勝手に後継シリーズと位置付けつつ堪能」。薄くて各頁の文字数も少なめ。サクサクと。で、新たに発見の本書。設定も展開も馴染みな感もありながら、まあ嫌いじゃない。
読了日:04月08日 著者:神楽坂 淳
警官の酒場警官の酒場感想
『笑う警官』(2019年10月読了/コーチャンフォー北見店)『警察庁から来た男』(同年11月読了/ジュンク堂書店旭川店)『警官の紋章』(同月読了/くまざわ書店東神楽店)『巡査の休日』(同年12月読了/岡書帯広イーストモール店)『密売人』(2020年1月読了/コーチャンフォー旭川店)『人質』(同年2月読了/ジュンク堂書店札幌店)『憂いなき街』(同年3月読了/函館栄好堂丸井今井店)『真夏の雷管』(同年4月読了/札幌弘栄堂書店パセオ西店)『雪に撃つ』(2022年6月読了/くまざわ書店東神楽店)。『樹林の罠』へ。
読了日:04月06日 著者:佐々木 譲
探偵少女アリサの事件簿 さらば南武線 (幻冬舎文庫 ひ 21-3)探偵少女アリサの事件簿 さらば南武線 (幻冬舎文庫 ひ 21-3)感想
既読本は『もう誘拐なんてしない』(2010年9月「くまざわ書店帯広藤丸店」で購入/同年10月読了)に始まり、<探偵少女アリサの事件簿>シリーズの「溝ノ口より愛をこめて」(2023年12月「喜久屋書店帯広店」で購入/2024年1月読了)と「今回は泣かずにやってます」(2024年1月「くまざわ書店東神楽店」で購入/同年2月読了)の3冊。で、シリーズ最終巻の本書。川崎市溝ノ口、南武線が舞台。なんでも屋・橘良太と美少女・綾羅木有紗の凸凹コンビが難事件に挑む。狭い地域限定の舞台もパターン化された展開も嫌いじゃない。
読了日:04月03日 著者:東川 篤哉

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