『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』とか12冊。 <12月の読書メーター> | 北海道・最東端からの不定期通信<Part.2>

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12月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:3198
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腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)感想
既読は『生きてるだけで、愛。』(2009年4月読了)、『あの子の考えることは変』(2016年6月読了)、『ぜつぼう』(図書館本/2018年3月読了)の3冊。で、本書は(登録以前の)2007年10月のアメブロに「NHK教育の『トップランナー』(本上まなみと山本太郎の司会で、今が旬な人物にスポットを当てる、あの番組)で知った作家」など読了の投稿が。長女の「澄伽(すみか)」、妹の「清深(きよみ)」、長男の「宍道(しんじ)」とその妻「待子(まちこ)」。一人ひとりの心理描写が絶妙。ハラハラドキドキ、そしてゾクゾク。
読了日:12月29日 著者:本谷 有希子
これは経費で落ちません! 11 ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)これは経費で落ちません! 11 ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)感想
NHKで放送されたドラマ(2019年7月~全10回)が面白くて原作本も読み始めたシリーズの最新作。着実に巻を重ねているのだがドラマの続編は実現せず。そんな中、今年8月、日付が変わった深夜の時間帯に再放送。台風情報の調整番組(台風関連のニュースがあれば放送されない)と思われ何度かの録画予約チャレンジの末、全10話の録画に成功し、少しずつ懐かしんでいたところ、本書の登場である。頭の中では、ドラマの配役そのままに、多部未華子(森若沙名子)、重岡大毅(山田太陽)、伊藤沙莉(佐々木真夕)らが闊歩していて愉しかった。
読了日:12月27日 著者:青木 祐子
ミワさんなりすます (3) (ビッグコミックススペシャル)ミワさんなりすます (3) (ビッグコミックススペシャル)感想
毎夜楽しみに観ていたドラマの終了後、敢えてちょっとずつ読み進めているコミック本の第3巻。第十五幕「素晴らしきかな?人生」から「ニンフォ沼二アック」「午前8時の訪問者」「アナライズ・ミワ」「今ここにある武士」「手紙は憶えがない」を経て第二十一幕「神の見えざる手」までの7作。そうか、ここから、あの場面が生まれたのかぁなどいちいち感嘆しながら堪能。なるほど、漫画では自分なりに余白・余韻を想像してみたり、ドラマ(実写版)とは一味違った愉しみもあるものだ。原作本が続いているのなら、ドラマの続編だってあるに違いない。
読了日:12月26日 著者:青木 U平
残りものには、過去がある (新潮文庫)残りものには、過去がある (新潮文庫)感想
9月(4年ぶり)の甲子園参戦!(惜しくも胴上げゲームの前々日及び前日の巨人戦)後に買った記憶はあるのだが。ブログ(アメブロ&ジュゲム)内を検索。10月、「コーチャンフォー旭川店」にて「読書家で、熱狂的な阪神ファンでもあるらしい中江有里。作家のイメージはあまりないのだが、とりあえず」などと思いつつの購入。清掃会社の2代目社長・友之と、同じ会社で契約社員として働く早紀を軸とした連作短編集で、その二人の披露宴会場が舞台。出席者それぞれの視点で語られる過去が終盤で絡み合う。様々な仕掛けに気付かされて面白かった。
読了日:12月21日 著者:中江 有里
恋するハンバーグ 食堂のおばちゃん(2) (ハルキ文庫 や)恋するハンバーグ 食堂のおばちゃん(2) (ハルキ文庫 や)感想
『特捜部Q ~知りすぎたマルコ~』(ユッシ・エーズラ・オールスン)に続く“しりとり読書”」の106冊目。著者の本はシリーズ前作の『食堂のおばちゃん』(2019年4月読了)に次いで2冊目。「ホームドラマのような感じで、たしかに“人情食堂小説”。今後、少しずつ他の作品も読んでみようか」との感想で、それが4年越しに実現したことになる。前作では「姑の一子と嫁の二三が仲良く店を切り盛りしていた“はじめ食堂”」。今回は遡り孝蔵と一子が食堂を始めた昭和40年代のお話。著者とはほぼ同年代。子どもの頃が懐かしく蘇ってきた。
読了日:12月17日 著者:山口恵以子
ミワさんなりすます (2) (ビッグコミックススペシャル)ミワさんなりすます (2) (ビッグコミックススペシャル)感想
「2022年4月から新設されたNHKの新しいドラマ枠『夜ドラ』。毎週月曜から木曜の夜に15分ずつ放送の帯ドラマ。若者や働く人たちをターゲットに、丁寧かつ挑戦的なドラマづくりが人気」。そんな「夜ドラ」第14弾(10/16~12/8)原作本の第2巻。毎週、毎回、ハラハラドキドキ。そんなドラマが終了。すっかり“ミワさんロス”状態である。ならば原作コミックからドラマを振り返り堪能しようかと。松本穂香、堤真一、高岡早紀はある意味妥当な配役として山口沙弥加、恒松祐里は絶妙。う~む、この原作から片桐はいりは素晴らしい。
読了日:12月14日 著者:青木 U平
東京日記4 不良になりました。東京日記4 不良になりました。感想
既読本は『東京日記 卵一個ぶんのお祝い。』(函館市中央図書館/2012年1月読了)に始まり『晴れたり曇ったり』(2019年7月読了)までの16冊。谷崎潤一郎賞受賞の名作『センセイの鞄』とか、雑誌『クウネル』に連載のエッセイをまとめた『ざらざら』『パスタマシーンの幽霊』とか。巻末によれば「初出『WEB平凡』2010年5月~2013年3月」。ところで、「突然ひどい口内炎ができて」「突然咳が止まらなくなって」「持病の顎関節症がひどくなって」と歯医者さんの抜歯予約を3度キャンセル。そんなことがあるのかと驚愕した。
読了日:12月13日 著者:川上 弘美
すみれ飴 花暦 居酒屋ぜんや (ハルキ文庫 さ 19-13 時代小説文庫)すみれ飴 花暦 居酒屋ぜんや (ハルキ文庫 さ 19-13 時代小説文庫)感想
第10巻・「さらさら鰹茶漬け」(2021年4月8日第1刷発行/同年7月読了)で完結の<居酒屋ぜんや>シリーズ。その後、健気な少女・お花と、才気溢れる新米手代・熊吉を主人公に“新装開店”した<花暦 居酒屋ぜんや>シリーズの第1巻(2021年10月18日第1刷発行)。先日読了の『ことり屋おけい探鳥双紙』(梶よう子)から「居酒屋ぜんや」(で鶯を育てていた林只次郎)を思い出し、と同時に本シリーズの未着手に気が付いたところ。お妙と只次郎をはじめお馴染みの面々が健在。そしてお花と熊吉、若い二人の成長する姿が嬉しい。
読了日:12月12日 著者:坂井 希久子
特捜部Q ―知りすぎたマルコ― ((ハヤカワ・ポケット・ミステリ))特捜部Q ―知りすぎたマルコ― ((ハヤカワ・ポケット・ミステリ))感想
初遭遇の作家。今回を逃せば次はないかもと“しりとり読書”の105冊目に敢えて選定。1カ月余りを要しての読了。ところで「人気シリーズ第5弾」であるらしいポケット・ブック判の本書が何故1冊だけ文庫判だらけの自宅本棚で佇んでいたのか。ブログ内を検索。2014年8月、網走市「フジヤ書店」にて「本文で561頁。この厚さ、読み切れば快感だろうなぁ」と思いつつ買っていて9年の時を経て読了。<刑事マルティン・ベック>とか<フロスト警部>を彷彿。クセになる面白さだと思う。先日、図書館にてシリーズの勢揃いを確認済みで楽しみ。
読了日:12月09日 著者:ユッシ・エーズラ・オールスン
鯨オーケストラ鯨オーケストラ感想
吉田篤弘&クラフト・エヴィング商會(吉田浩美、吉田篤弘の2人による制作ユニット)の既読本は、『おやすみ、東京』(2020年4月読了)に始まり『レインコートを着た犬』(2021年11月読了)までの5冊。更に本棚には未読本が20冊ほど。優しくて幻想的な文章。タイトル・装幀・デザインなど、丁寧でセンスの良い本ばかり。<鯨オーケストラ>を巡る物語を読み進めながら、そろそろ、村上春樹・青春三部作を再読しようかと。9月、4年ぶりに訪れた「梅田 蔦屋書店」の一郭に“吉田篤弘・作品展”みたいな企画があったのを思い出した。
読了日:12月05日 著者:吉田 篤弘
さらば国分寺書店のオババ (新潮文庫)さらば国分寺書店のオババ (新潮文庫)感想
奥付によれば「平成8年9月1日 発行」。購入履歴を知ろうとブログ(アメブロ&ジュゲム)内を検索。2012年1月(未読のまま返却)と2016年10月(読了)。いずれも函館市中央図書館から借りた記録はあるものの購入記録は見当たらず。どうやら、ブログ開始(2007年4月)以前の購入と結論付けてみた。「衝撃的なデビューを飾った伝説のエッセイ、待望の文庫化」の本書。1944(昭和19)年生れの著者、35歳頃の作品。嵐山光三郎、糸井重里、東海林さだおの影響を色濃く受け、こんな文体を自ら“昭和軽薄体”と名乗ったらしい。
読了日:12月03日 著者:椎名 誠
ことり屋おけい探鳥双紙ことり屋おけい探鳥双紙感想
初遭遇の作家。さやか氏の表紙装画に惹かれ市立富良野図書館から借りてみた一冊。帯に「江戸は日本橋小松町の飼鳥屋。商うのは『鳥』、持ち込まれるのは『謎』」とあった。「第一羽 かごのとり」に始まり「まよいどり」「魂迎えの鳥」「闇夜の白鳥」「椋鳥の親子」「五位の光」と来て「第七羽 うそぶき」まで。7話を収録の連作時代小説。「2014年6月10日第1刷発行」。うむ、悪くない。続編が出ていると嬉しいのだが。本書は“飼鳥屋”が舞台。美声を放つ鶯を育てる旗本の次男坊・林只次郎(「居酒屋ぜんや」シリーズ)をふと思い出した。
読了日:12月02日 著者:梶よう子

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