最後の花火 | ~ 合歓の花の開く刻 ~

~ 合歓の花の開く刻 ~

心の琴線に触れた日常への返しうた

8月6日(土)は、地元の花火大会でした。


毎年恒例の行事で、引っ越してきた7歳の頃から、観ていた記憶があります。
現在では、東京墨田の花火大会に並ぶほどの、人気の夏の定番となりました。

ただ、雨天中止の年もままあって、何年か前には、ピンポイントな時間帯でのゲリラ豪雨にも、見舞われていました。

(渋谷などの都会で名物の「DJポリス」が、わざわざご出張くださり、華麗な交通整理をご披露され、それはそれで盛り上がったイベントになったようですが(笑))


離婚した私は、昨年の冬に、この実家に戻ってきたので、この花火大会は、実に18年ぶりになります。

実家は、小さな2階建てではあるものの、屋根部分は屋上になっているので、毎年自宅にいながら、花火を楽しむ事ができます。


とても、楽しみでした。
だけど、天候も心配でした。


しかし、「嵐女」の異名を持つ私が、

「頼む~。晴れてくれぇ~~~。(‐人‐;」

などと、強く願ってしまうと、

「『晴れてほしい』と、強く願ってしまうほどの、晴れていない現実。」

を、見事に引き寄せることが、できてしまうので(笑)

「花火、観れたらいいな。」

程度の、意図して軽い気持ちでいるようにしました。


その甲斐あって、見事な晴天!


とはいきませんでしたが、
少し曇り空、時折青空も見える、花火には支障のない天気となりました。



花火00 



打ち上げ花火といえば、やはり夜空に満開に咲く艶やかさが、醍醐味ですが、
私は、打ち上げるときの、

「ド、ドゥーン!!」

という音も好きです。

胸の奧の奧を呼び起こす、和太鼓のような重低音。

「聴覚は、耳だけの感覚ではない。」

ということを、思い出させてくれる音です。


花火02 


 

後方にそびえ立つ、高層マンションから、子供たちのはしゃぐ声も、夜空に響き渡ります。

きっと彼らにとって、この花火大会は、夏休み開幕のセレモニーとして、素敵に記憶を彩るのでしょう。



花火05 
 
 

ちょうど花火の見える位置の前方には、ブルトーザーと整地。

今年着工し、翌々年には竣工予定の、高層マンションの建つ土地です。


我が家の屋上から見える花火は、おそらく、今年が最後になるのでしょう。


花火01 



天候に恵まれ、
この場所で観る最後の花火

最終回の演舞に、招かれたような
不思議な感覚と、

重低音に押し上げられ
湧きあがる感謝を抱えて、

次々と打ち上がり、
夜空を満開に踊る花の姿を、

私は、いつまでも見上げていました。


花火03 


画像撮影:合歓木


読者登録してね