(前バナは こちら

 

中西利男は頭の良いボクサーだった

試合が決まると対戦相手の戦い方を何度も見て

相手の性格やクセをしっかり掴んでリングに上がった

 

自分のダメージは最小限に…

強いパンチではなく効くパンチを!

 

 

 

 

驚異的とは言えないながら順調に日本チャンピオンにまで勝ち進んだ

しかし、その後臨んだ東洋太平洋タイトルマッチでKOで敗れた

 

このままのスタイルでやって行けるのだろうか…

初めて「引退」の2文字がよぎった

 

そんな時、思いがけないオファーが来た

スーパーフェザー級世界1位マーカス・ブラウンとの試合だ

 

マーカスは自他ともに認めるナンバーワンボクサーだった

チャンピオンがなかなか挑戦に応じてくれないため

いつになるかわからないタイトルマッチまでの調整試合として

選ばれた相手が中西だった

 

27戦21勝5敗1引分8KO

これが日本チャンピオン中西の戦績

 

簡単に勝てて、パンチ力が無くケガをさせられないようなボクサー

アンダードック 咬ませ犬

 

中西はこのオファーを受けた

とても勝てる相手ではないと思ったが…

これまでやってきた自分のボクシングをもう一度だけ

試してみたかった

 

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佐瀬健さんが持っているたくさんのDVDの中に

この「マーカス・ブラウン Vs 中西」の1戦のVがあった

 

 

 

 

赤のパンツのマーカスが黒のパンツの中西を一方的に攻め続けている

しかし、中西のガードは堅く、ダメージはそれほどなさそうに見える

 

 

 

 

ただ一方的に逃げ回っているように見える中西だが…

何かを…狙っている?

 

 

 

 

そして…その時が…

 

 

 

 

誰もが予想していなかった結果が…

中西さえも…本当に勝てるとは…

 

 

 

 

中西が勝つとはダレも予想していなかったため、

きちんとした通訳も用意されておらず…

中西の凄さは誰にも理解されなかったようだ

 

 中西:「99%負けると思っていたけど、100%じゃない。

       その1%に何が起こるかわからないのがボクシングだ、

と自分に言い聞かせていました。」 

 

   通訳:「100%負けると思っていたが幸運にも勝つことができた」びっくり

 

 

中西:「ブラウンの試合を何十回も見て、攻撃も防御も完璧な

    ボクサーだと思ったんですけど、ラッシュをかけてて

      右で決めのフックを叩き込もうとするとき、左のガードが

     一瞬だけ下がるのに気付いて、そこだけ狙ってました」

 

 通訳:「ブラウンはエクセレントなボクサーです。     

     あれはラッキーパンチでした」ガーンガーンガーン       

 

 

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この勝利でチャンスを掴んだ中西は

その後しばらくアメリカでボクシングを続けていた

 

しかし、アメリカではボクサータイプは人気が出ない

足を使って打たれないようにしているとブーイングを浴びせられる

打って打って、相手を倒さないと人気が出ない

人気がないと、いい試合を組んでもらえない

 

これじゃなんか…生きてる気がしない

チャンピオンベルトを奪って日本に帰ろう

 

マーカスからは逃げていたチャンピオンも、

中西なら組し易いとすんなり挑戦を受けてくれた

 

そして…

中西は世界チャンピオンとなって凱旋帰国した

 

 

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黒木翔吾との壮絶な試合に中西は思った

 

これがやりたかったのだと…

 

 

 

 

戦った二人だけじゃなく、見守っていたみんなが涙した

こんな試合がやりたかった

 

 

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で…

その上の画像にもいる、この熱心に拍手しているおばちゃんは…

もしかして…中西のママ?

(当劇場の近辺で話題になっております爆  笑

 

中西の上の歯の右半分が黒い

最初パンチを受けて歯が折れたのかと思った

(口から血を吐いてたし…)

上歯の半分が黒いマウスピースなのね~マギラワシイゲラゲラゲラゲラゲラゲラ

 

〈おしまい〉