「で、だ」
僕をソファーに座らせその横に座る。
思わずビックっと身体を竦めてしまえば、
「怯えなくていい。
お前に何かしようとは思わないよ。
智、お前を刺したんじゃないよな?」
図星とはいえそれを僕が言っていいのかわからなくて、困ってしまう。
「お前をあんなに可愛がっているあの人が、お前を刺すわけがない。
誰と間違えた?」
顎を掴んで、顔を覗き込まれる。
「あ、あの・・・」
「首を絞められて、キスされた?犯された?
俺の物だって言われなかった?
お前を手放すぐらいだったら、殺してやるって?」
まるで見ていたみたいな雅紀さんの言葉。
「ま・・・」
「やっぱり、ね。
それで刺されたんだ。
抵抗しなかったんだろ、お前の事だから。
殺されるならそれでもいいって」
「なんで、わかるの?」
「なんでかなぁ・・・わかっちゃうんだよね・・・お前の考えは手に取るようにわかっちゃう」
そのまま口唇を合わせられ、そっと抱き寄せられる。
まさきさん・・・。
「教えて上げる。
その子はね、お前が身代わりになったその子はね、智の思い人だった子。
そして智を裏切った子。
智がその子にあったのは偶然だけど、おれも関わりあいのある子なんだ。
おれの憎しみの対象だった子。
その子を通しておれ達は繋がっている、
でも、智はそれを知らない。
・・・ごめんなぁ。
潤、ごめんなぁ・・・。
お前は幸せになるんだよ。
幸せになってくれよ、ぜったいに」
前にもこんなことがあったよね?
雅紀さん、何がそんなに悲しいの?
何をしようとしているの?
雅紀さん、あなたは今 どこにいますか?
いき、て、いますか・・・。