朝の風景【キミ・ハ・ムテキ】 | ビールと猫'sと嵐さんと(注・BL)

ビールと猫'sと嵐さんと(注・BL)

嵐が大好物
J担 翔潤loverですが、櫻葉&大宮何でもアリです(妄想、腐ってます)

人の勧誘目的、宣伝目的、男性は入室されないでください。
絶対に申請認定しませんから。



「朝の風景」…キミ・ハ・ムテキより


1番最初に起きるのはボク。

お湯をセットしてからバスルームの鏡の前で顔を洗って、いつもと違うところがないかチェックする。

歯も磨かなきゃ。

パタパタとキッチンに戻ればお湯はボクのマグカップの中に入っている。

翔くんが自分のコーヒーをセットするついでにやってくれたみたい。

こんなに早く起きることなんてないのに。

しかも、もう今にも出れますって感じ。

「おはよぉ」

「おはよ」

「翔くん、収録の前になんかあるの?」

「取材が1本入ってる。

先方もお年だし、なるべく早いうちにって言われたからね」

「そうなんだ」

ボクがコーヒーを翔くんに渡せば、

「そんな寂しそうな声出すな。

午後からの収録はみんな一緒だろ?」

そう言って笑った。


「おあよ」

「はよーございます」

「潤ちゃんおはよお!」

みんなが一斉に起きてきて、バスルームに向かう。

その間に用意しておいた朝食を並べるそこには翔くんの分はない。

「翔ちゃんもう出ちゃったんだー」

戻ってきたまーがすぐに気がついた。

「うん、取材が1本あるんだって。

まー、グレフルでいい?」

「ありがと!」

みんなの飲み物を机に置いて、いただきますをしたけど。

みんなが美味しそうに食べてくれてるのがうれしいんだけど。

少しだけ上の空のボクは、誰にも気がつかれないようにそっと疼く口唇をさわった。


『ごめんね、こんなに早く出るなんて知らなかったから、朝ごはんの用意間に合わなくて』

『気持ちだけで十分』

とんとん、と靴を確かめ鞄を持った翔くんの腰に手を回して、

『行ってらっしゃい』

っていつものように口唇が触れるのを待っていたら、翔くんは・・・。

浅い息、首筋を伝わる唾液。

心臓の音が頭の中、ガンガン音をたててるからなにも聞こえない。

感じるのは、いつものポテっとした口唇じゃなくて。

ボクの口の中は翔くんで一杯で。

『じゃあ、行ってくるね』

玄関にへたりこんだボクはちゃんとお返事できたかな。


「じぇーい?」

和に声をかけられて現実に戻る。

「なあに?」

んふーって大野さんの真似して笑ってみたら、

「パンもう1個」

なんて。

「目の前にあるじゃん。

そこまでボクのことこきつかうのぉ?」

「違いますよ、甘えてんですよ」

和が言えば

「おれも、ほひい」

「潤ちゃん、そのライ麦っぽいのとって」

みんなも便乗してくるんだから。

「やだよー!」

「「「えぇーっ!」」」

プイってそっぽ向いた先には、翔くんがいつも座ってるソファー。

慌てて目線からはずしてお湯を飲んだ。


いつもの集まり。

大好きなみんな。

いつもの朝。

翔くんだけがいない。

ボクはこのままがいいの。

だから翔くん、ボクを大人にさせないで・・・。