初めて→タイムカプセル①
それぞれの過去
潤→タイムカプセル①
雅紀→タイムカプセル②
智→タイムカプセル④
翔→タイムカプセル⑨
和也→タイムカプセル⑯ です
タイムカプセル第2章(41)
ここ、どこ・・・?いま、いつ・・・?
時間の感覚がない。
重くねっとりと絡みつくような、空気・・・。いつも薄暗く、光も射さない・・・。
音も無く、闇の中から現れたのは・・・翔・・・の姿をした、闇の塊・・・。
オレを捕食するモノ・・・だ。
【侵略的外来種だよ】
オレの目の前に現れた、こいつはそう言った。そして、
【どうせ喰われるなら、お前の心の中にあるこの男の姿の方が良いでしょ?】
って。
身体を動かすのは、痛みを伴う。オレの身体はこの闇に慣れていないみたい。うまく身体を動かせない。
奴が近づいてくれば、指を触れなくとも、はらりとシャツが落ち、オレの背中は露わになる。
【お前のここに、砡が埋め込まれてる。それが猶更に、オレ達、闇の生き物を呼び寄せる。甘露だ】
背中のくぼみに指を当て、口唇を寄せられれば、甘い痛みと共に生命が抜き取られていく感覚・・・。
キモチ、ワルイ・・・キモチイイ・・・。
蛇が左手を這う。
【お前、邪魔をするなら、今、この場で引き裂くがどうする?】
その言葉はオレにじゃない。
その証拠に、蛇は左手の痣のように動かなくなった。
【殺さないよ。何年も、何十年も、何百年も生かして・・・永遠にお前は俺の家畜、だから】
口唇を離され、膝から崩れ落ちる。
【あちらの部屋に食事を用意させておいた】
「い、ら・・・ない・・・」
【ふふ、食べないなら無理やりにでも取らせる方法はある。潤・・・逃げたいんだったら食べといたら?】
翔の顔で、笑みを浮かべ、楽しそうに部屋を出て行った・・・。
背筋に汗が流れる。
翔・・・どこ?オレ・・・どうなるの・・・?
重い身体を引きずりながら壁にもたれかかる。
助けて・・・しょぉ・・・。