大会当日より少し日が流れましたが、恒例(?)の【脳内会議】を綴っておきたいと思います。かなりというか、相当マニアックな記述になっておりますので、今回は最初に「概要」を記し、そのあと本編(?)を記したいと思います。普通の人はこの「概要」にたくさんの美しい写真などを載せ、何回かに分けて記事にするのが普通だと思いますが、自分は…変わっているので…お許しください。

それではまずはサマリーと概要から。

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≪ サマリー ≫
●気象コンディションは絶好、言うことなし。
●天候が晴れから快晴にかわったことによりこの時季としては気温が上昇。これが自分にとってはマイナス材料に。
●前半、快調に感じられたことにより強気に攻めた結果、後半の伸びを欠く結果に終わる。ただし、ラスト2キロあまりの区間についてはセカンドベストだったことは収穫。

≪ 概要 ≫
サブ5を目指して東京マラソン2024には出場した。
当日、スタート前の気温はおよそ5度、最高気温は12~13度程度、天候は晴れ、風速は2メートルないし5メートル前後と全く言い訳の出来ない素晴らしい気象コンディションに恵まれた。しかし、天候は正午前後からは雲は全くない「快晴」に変わり、気温は上昇を続けたことが自分にとってはややハードな状況になる。
スタートから5キロくらいまで下り基調、そこからはほぼ平坦なコースであることは周知のことであるが、スタートから10キロ過ぎまでキロ6ちょっとオーバー気味のペースで進んだものの、全く快調であったことからそのままのスピードを維持して、若干強気に攻めてみたものの、結果としてこれが仇となり、後半全く盛り返すことができず、5時間15分台という凡庸な結果に終わった。ただし、ラスト2キロあまりのタイムについては、昨年の東京マラソン2023に続く自己2番目のタイムを記録することができたことは、きちんと最後まで力を温存することができたと言えるだろう。これが貧しい収穫であった。
なお、今回のタイムは自己15番目の記録に相当するものである。


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概要とサマリーについては以上です。

ここまで充分ですかね。おおよそは分かりましたよね。
ここから先は【脳内会議】になります。
マニアックな綴り方になりますが、よろしければお付き合いください。




≪ スタート前 ≫
【艦長】いよいよ東京マラソンが始まるな。気象コンディションについて教えてくれ。
【通信長】はい、0800現在の気温はおよそ5度、最も気温が上がる1400頃には12~13前後まで気温が上昇するものと思われます。天候は晴れ、申し分のない条件であります。
【艦長】しかし、この時季に最高気温が13度前後とはちょい厳しいな…多くの人には快適かもしれないが、自分たちにとってはやや暑い。しかし、これは敗戦の理由にならない。しっかり行こう。昨年は実際にスタートする数分前にトイレに行きたくなるアクシデントがあったが、今年は同じ轍を踏まないように。
【機関長】対策は万全です。スタート前の水分補給はやや控えめにしてあります。今年は大丈夫です。
【航海長】エナジージェルもきちんと飲みました!
【艦長】そうか!それでは総員戦闘配置へ。出港用意!
【航海長】しゅっこうようい!


≪ 5キロ ≫ 30分27秒(30分27秒)
【航海長】スタートから5キロくらいまでは下り基調のコースということもありますが、現在キロ6ペースで走っています。
【艦長】機関長、心肺、脚周りに異常はないか?
【機関長】全く問題ありません。快調です。
【通信長】まもなく4キロ、市ヶ谷防衛省前です。音楽隊の演奏が聞こえてきます。
【艦長】手すきの乗員、音楽隊員の皆さまへ敬礼!(←本当にしてみました。昨年は敬礼を返してくれる隊員の方々がいらっしゃいましたが、今年は演奏中ということもあり、そういう方はいらっしゃいませんでした。当たり前ですけど。)


≪ 10キロ ≫ 1時間01分44秒(31分17秒)
【艦長】さて、東京ドーム前も過ぎた。航海長、これは今もキロ6前後のスピードだよな?
【航海長】はい、平坦部分となりましたので、5キロまでよりも落ちましたが、それでもキロ6分10秒前後で走れています。
【艦長】愛媛マラソンでは、前半抑えていくことができたこと、やや諦めの気持ちで走ったことが後半大幅に落ち込むことを防げたのだが…今回はどうしたものか…。
【機関長】少しスピードを抑えましょうか?
【艦長】しかし、まだどこも異常はないんだろ?
【機関長】はい…。
【航海長】久々に攻めてみませんか…いつもいつも安全策では面白くありません。
【機関長】「ガンガン行こうぜ!」ですか?
【艦長】よし!今日は攻めてみよう…このままのスピードを維持するように心がけよ!


≪ 15キロ ≫ 1時間34分29秒(32分45秒)
【航海長】まもなく14キロ…茅場町(中央区)付近を通過中
【見張員】あっ、沿道に「はにかみ国王」発見!!
【艦長】通信長、お礼を述べよ!「ありがとうございます!いつもより強気に攻めてます!」と。通信急げ!
【通信長】了解!・・・通信終わり。
【航海長】まもなく左へ転進…とぉ~かぁ~じ!
【見張員】左旋回完了…あっ、沿道にMちゃん参謀を発見!
【艦長】通信長、すぐさまお礼を「ありがとうございます!いつもより強気に攻めています!」と。通信を急げ!
【影】はにかみさん、Mちゃんさん、応援ありがとうございました!力になりました。


≪ 20キロ ≫ 2時間09分51秒(35秒22秒)
【航海長】・・・何か様子が変です…。
【艦長】どうした?故障か?機関長からは何も報告がないが…。
【航海長】いえ、故障ではありません。スタートから浅草雷門付近までは北寄りの風が吹いていました。しかし、浅草雷門付近で180度回頭したあたりから、どうも南寄りの風に変わってしまったようです!
【機関長】!!
【艦長】これは大変なことになるぞ!上空を見てみろ!ほとんど雲がなくなり、天候は晴れから快晴に変わってしまったようだ。日差しを遮ることができるところはいいが、蔵前、森下、門前仲町あたりは好走の建物が少なく、日差しをもろに浴びることになる!
【機関長】…ってことは?
【航海長】気温がより一層上がりやすい…ってことです。
【通信長】機関長、大変です!機関の出力が徐々に低下中…との報告が!


≪ 25キロ ≫ 2時間50分08秒(40分17秒)
【航海長】現在、門前仲町付近を通過中。キロ7程度に速度低下!
【機関長】発汗はそれほどひどくありませんが、かなり体力が消耗してきている模様。
【艦長】いよいよ恐れていたことが現実になってきたな…。
【航海長】蔵前、森下、門前仲町付近のアップダウンはそれほど大したことはありませんが、東京を東西に流れている川を越えるための橋を通過するために、何回も細かいアップダウンを経験していることも体力消耗の原因かと…。
【艦長】しかし、それは走る前から分かっている事柄だ…理由にならん。
【航海長】そうこうしているうちに、最早キロ7を維持することが困難になりました。キロ8程度に速度低下中!


≪ 30キロ ≫ 3時間33秒49秒(43分41秒)
【艦長】自分は「航海科」の出身で、結構長い間航海長をしてきたよ。その経験から30キロを3時間20分程度で通過しなければ、5時間切りをすることはできないってことは分かっているよ。これは過去のすべてのデータをみれば自明だよ。
【通信長】随分と早く通過しないとダメなんですね。
【艦長】そうだ…多くの人は「30キロの通過が3時間30分でも大丈夫」と思うだろうけど、もう後半に入っているのにキロ6からキロ7の速度なんか出せない。
【通信長】ひとつの例外もありませんか?
【艦長】あとで作戦参謀や航海参謀に聞いてみるといい…「30キロ3時間20分、35キロ4時間00分で通過」しなければ5時間切りはできない…というデータが揃っている。ただひとつの例外もない。
【航海長】まもなく30キロのチェックポイントを通過します!・・・ただいま通過!
【艦長】それでタイムはどうだ?もちろんネットタイムで。
【航海長】え~~、3時間33分ほどかかっています。
【艦長】・・・・・


≪ 35キロ ≫ 4時間17分01秒(43分12秒)
【通信長】最早これまでなんでしょうか…愛媛マラソン2024のような反撃はないでしょうかね?
【艦長】正直それはないだろうな…愛媛マラソンで終盤の反撃があったのには、ふたつの大きな原因がある。ひとつめは「後半の向かい風」と「平田の下り坂」だ。わかるか?
【通信長】「下り坂」は何とかわかりますが、「向かい風」がわかりません。
【艦長】貴様もやがて艦長になる…教えてやろう。まず「平田の下り坂」、これはこの最後の下り坂を利用してスピードを上げることができることと、坂が終わった後の距離が短いことにより、そのスピードを維持することができるってことだ。
【通信長】それはわかります。
【艦長】「後半の向かい風」…これは後半に西寄りの向かい風が吹いたことにより気温の上昇が抑えられ、寒いくらいの気候が続いたことにより比較的体力の消耗を抑えることができたためだと考える。しかし、今回はどうだ?東京マラソン後半にはほとんどアップダウンはない…加えて南寄りの風が吹いたことにより逆に気温は上昇し、我々の体力を削ぎ続けている。ちがうか?
【機関長】・・・少し頭痛がします・・・辛いです…。


≪ 40キロ ≫ 5時間00分18秒(43分17秒)
【通信長】昨年の東京マラソンで37キロ付近において「走るために来たんだろ?歩くために来たんじゃないだろ?」と厳しい叱咤激励をしているひとがいましたよね?
【航海長】ああ、いたなぁ。あの広島ののんさんも指摘していたひとだよな。まぁ、誰も歩きたくて歩いているわけじゃない。それぞれ個別の事由があって歩いてしまっている…のに…ひどいなぁとは思ったよ。まぁ、それも一種の応援なんだけどね。
【通信長】おそらくそのひとと同じじゃないかと思われるひとが、全く同じ場所で、「皆さん、いいペースです。このままいけば絶対完走できます。完走することに大きな意味があります…」とまるでひとが変わったような応援をしておりました。
【艦長】心を入れ替えたのかな?これはこれで正統派のうれしい応援だな!さて、我々は期待に応えられそうか?
【航海長】この37キロ付近において、もう現実的に「サブ5」をすることは困難になりました。昨年はこの「40キロ」の区間をキロ8程度に上げることができたのですが…。
【艦長】どこへ行っても応援が途切れない…そんな中で無様な姿を見せ続けることができないだろ?最後まで頑張ろうじゃないか。


≪ Finish ≫ 5時間15分56秒(15分38秒)
【航海長】もうすぐ日比谷公園が見えてきます。日比谷公園を過ぎたら右旋回…そしてすぐ左旋回…まもなくフィニッシュとなります。
【機関長】最後の最後になって頭痛が和らいできました。全力で行かせてください!
【艦長】機関長、なぜ頭痛を隠していた?どのあたりから頭痛が始まっていたんだ?
【機関長】蔵前、森下あたりから…です。
【艦長】ああ、あの南寄りの風が吹いてきた…なんて話をしていた頃からなのか?出力が落ち始めていたという報告があった頃からなのか?なぜ隠していた?
【機関長】今回は…今回は本当に…本気でサブ5を目指していたのに…そんなことを言えませんでした。
【艦長】バカもん!軽い熱中症みたいなものだったからいいようなものの、もし本当の熱中症だったらどうするんだ?また「大阪赤十字病院ゆき」みたいことになっていたんだぞ!
【機関長】艦長と航海長が話しているのに聞いてしまいました…「今回サブ5を果たして【ちーむさぶよんはん入り】をしような!絶対だぞ!」と話しているのを…。
【艦長】・・・・・うむ・・・次回以降は必ずサブ5を達成し【ちーむさぶよんはん入り】を諸君たちが成し遂げてくれ!頼んだぞ!・・・・・よし!ここから先は最大戦速だ!目の前の見えるランナーはすべて…全員抜き去る!くらいの気持ちでラストスパートだ!
【航海長】出し得る最大戦速…用意よし!
【艦長】出し得る最大戦速!・・・てっー!
【航海長】てっー!


【影】ちなみに、この最後の2キロあまりの区間タイムは自己2番目の記録でした。



今回も文字ばかりの大変長い文章に最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。