【まじめブログ】に行く前に…ちょっとだけランのお話を。

昨日、愛媛マラソン後、昨日木曜日に初めてランをしました。当初は7~8キロくらい走れれば充分…と思っていたのですが、この後東京マラソンもあるから、やっぱり距離練習をしなければ思い、11キロほど走りました。


 

やっぱり脚の疲れがあるので、軽快な脚どり!というわけにはいきませんね。少し重めの脚どりです。ここ数年は、フルマラソン後のランオフを解禁するのはおおむね1週間後…でしたから、フル4日後!というのは少し早めの解禁となります(←あくまでも自分比です)、

 

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さて、ここからは【まじめブログ】となります。

ラン要素は1ミリもありませんので、ご了承ください。

ご興味がお付き合い頂ければ嬉しく思います。

 

 

今回のトピックは「退職」です。

 

退職にもいろいろな類型があって、主だったものだけでも次の種類があります。

 

定年…文字通り一定の年齢あるいは一定の時期が来ると自動的に退職となります。

期間満了…予め定められた期間が終了すると自動的に退職となります。何かのプロジェクト期間だけ就業しているケースなどなど。

解雇…「普通解雇」と「整理解雇」があります。「普通解雇」は労働者の能力不足や問題行動などが原因が辞めさせること。「整理解雇」は企業が不況や人員削減の必要が迫られやむなく労働者を辞めさせること。

合意解約…退職勧奨(会社側が労働者にやめてくれませんか?と依頼する)に対して労働者がその依頼に応じて退職すること。

辞職…労働者側の一方的な意思で辞めること。

 

これを全部ご紹介すると、膨大な文量になりますので、今回は「辞職」についてのみ取り上げます。その他の項目についてはまた別の機会に。

 

「辞職」の場合、労働契約が無期限の場合と有期契約の場合とそれぞれ別の規定になっています。簡単に言うと「正社員」(無期限契約)と「契約社員・パート・アルバイト等」(有期契約)ですね。

 

 

≪ 無期限契約の場合 ≫

 

これについての規定は民法627条第1項に定められています。

「当事者雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」

 

これを素直に読むと「いつでも辞めると会社へ言うことができ、その言った日から2週間後には辞められるんだ」ということになります。

 

【影】あれ?おかしいな?オイラの会社の就業規則では「退職の申し入れは1か月前まですること」ってなっているぞ!2週間前と1か月前、どっちが正しいんだ?

【影の影】影って会社員だったんだ…。

 

そうなんです。多くの会社には就業規則という名の会社のルールブックがあります。ほとんどの会社にあると思われます。常時10人の労働者がいる会社では就業規則を作成し、労働者の過半数代表者の意見を聴いた上で所轄労働基準監督署に届け出を行なわなければならない(労基法89条・同90条)とされているからですね。

 

どっちが正しいんでしょう?どちらに従えばいいのでしょう?

 

正解は~~~~~~~~(←くどく引っ張りたいけど、やめておきます)

 

わかりません!

 

【影】ドテッ…

 

本当に正しい答えは「わからない…」で正解だと思います。

この疑問を解決する判例は見当たりませんし、何せ学者や専門家の間でも意見が割れているから。結論が導きだされていないわけですね。

 

ひとつは「就業規則優先」説。これは民法627条の規定は任意規定だから、絶対に従う必要はない…会社に就業規則が存在するならばそちらに従う…というもの。

 

もうひとつは「民法優先」説。民法はあくまでも法令(法律と命令を併せていう言葉)のひとつ。「法令>労働協約>就業規則>労働契約」の順に優先順位があるのだから、それに従うべき。法令はこの中で最も優先順位が高いのだから当然に民法優先!…というもの。

 

どちらかというと「民法優先説」の方が有力ですし、期間が短い方に従っていた方が無難です。無用なトラブルを防ぐことができますので。

 

「1か月前までに退職の申し入れをすること」…1か月前に設定されている会社は最も多いですし、これは大丈夫ではないかと思いますが、これが3か月とか6か月あたりとその期間が長期間になってくると結構微妙になります。会社が労働者とトラブルになり、最悪裁判へ移行した場合、「公序良俗に違反し、当該規定は無効」と判断されるケースもあります。まして、「次のヤツ見つけてくるまで辞めさせねえからな…」といったブラックバイト先は、もう何をか言わんや…ですね。

 

また、中には「退職する際には引き継ぎを確実に行うこと。引き継ぎが行われなかった場合は損害賠償を請求する」などという規定がある場合があります。

退職する際に、引き継ぎをちゃんと行うことは社会人として当たり前のことですよね。自分も個人的にはそう思います。ただ、前述のような規定には注意が必要です。本当に会社が損害賠償を請求した場合、労働者がどのような行動をしたためにこれぐらいの損害が発生した…という立証責任は当然会社側にありますし、裁判まで行った場合、労働者がよほどひどいことをしていない限り、なかなか認められない傾向にあります。

 

 

結論…会社を辞める場合には「原則2週間前までに申し出る」「きちんと業務の引き継ぎを行なってから辞める」ことが重要になります。会社側も、労働者側も、ある程度譲れる部分があるのであれば、譲ることで円満退社につながります(←これが一番言いたい!)。

 

 

 

≪ 有期契約の場合 ≫

 

有期契約の場合の規定は民法628条で定められています。

「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う」

とあります。

素直に読むと

「有期雇用の場合でも、やむを得ない時はすぐに辞めることができる、だけど、その辞める理由がどちらか一方の責任による場合は損害賠償を負う義務がある」ですね。

どうしても辞めたいのに無理やり引き留めることが現実的にはできないし、当たり前って言っちゃ当たり前ですよね。でも、辞めるならば損害賠償をせよ!っていうのは、実際に認められた判例はないようなので、会社側は注意が必要です。

「ホントに辞めるならば金を置いてけ!」と裁判を起こし、その理由が認められず敗訴すれば、会社側の評判はガタ落ち…ってことはぜひ避けたいものです。

 

結論…期間が定められた雇用は最後まで勤めるのが原則だが、辞めることは可能。会社側は労働者の意思を尊重せざるを得ない。損害賠償ができるという規定になっているものの、実際にはその立証は困難。

 

 

 

【まとめ】会社は2週間前までに退職の意思を示すことによって辞めることはできる。2週間という期間は最低ライン。この辞めるまでの期間にきちんと業務の引き継ぎを行なうことが円満退職につながる。

 

 

今日も長い文章にお付き合い頂き、ありがとうございました。

何か「話題のリクエスト」がございましたら教えてください。

 

 

【参考文献】ゼロから学ぶ労働法(原昌登著・経営書院刊)